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朝日は変わったのか?

2015-10-16 15:15:39 | ニュース
東京に戻って翌日、何気なく家族が購読している朝日新聞を見ると、中ごろに興味ある見出しの特集記事があった。池上彰氏の写真が目に飛び込んで来て大きな活字で「朝日新聞は変わりましたか」という表題で同紙の幹部との対談が掲載されていた。

私は普段朝日新聞を全く読まない。だが、吉田調書や慰安婦報道の誤報が昨年表面化し社長の謝罪会見の後、暫く経って購読を続けるか悩む家内に助言した(朝日は二度誤る2014/12/23投稿)。「改善されたかどうか指標として、池上氏のコラムが再開されたかどうかを判断基準にしたらどうかと家族に勧めたい。これまでの経緯を振り返ると池上氏は容易に妥協しないはずであり、彼のコラムが掲載されたということは朝日がまともになったと判断した時と考えてよい。」 

彼女は3ヵ月契約を延長し、助言通り池上氏のコラムが再開したら購読を続けると販売店に告げ、幸いにも今日まで続けている。だが、同紙の記事が具体的にどう変わったのか私は懐疑的だった。朝日の報道姿勢は東芝の粉飾決算と同じ会社ぐるみであり、報道姿勢は変えると約束したが記者や編集者を変えた訳ではない。東芝のように会計不正発覚後に内部告発が続出したとは聞いてない。トップの指示で記者は改心したか、逆に指示されて変わるほど柔だったのか。

池上氏との対談で長典俊(朝日新聞ゼネラルエディター)は、三つの基本方針「①事実と論評を分ける、②読者や社会に耳を傾ける、③過ちを認め訂正欄で説明する」に基づき、論調や全体のトーンは朝日らしく、事実に基づく見方を示し異論反論も載せるよう心掛けて来たと説明した。池上氏は安保関連法に賛成・反対の意見が載ったと変化を認める一方、情報を独占できない現在は記者の力が問われる、プロを育てよと助言している。

長氏の説明した三つの基本方針は、私が以前から思っていた朝日新聞の問題に応えるもので適切だと思う。と言っても実際に朝日の記事を読んでないのでそれ以上のコメントは出来ない。朝日がどの事件を取り上げ、紙面のどこに報じるかについては基本方針に関係なく、古き朝日のDNAが働いているように感じる。記者はそうやって育って来たし、長年同紙を読んで生まれた朝日ならこう言うはずだという私の思い込みが大体当たる。その意味では朝日は変わっていないし、簡単には変われない。

例えば、朝日の記者上がりの言論人は三つの基本方針を反映した発言をしているとは思えず、如何にもかつての朝日的だと思われる発言を繰り返すコメンテーターを見かける。現在の朝日の責任ではないが結果的に朝日新聞にも悪い印象を残すことになる。池上氏の助言を実現する為、多様な見方をするキャリアがある(海外のジャーナリストを含む)プロの記者を高給を払ってでも外部から採用したらどうだろうか。夫々の分野で一流の専門家と伍して取材できるプロの記者が育てば、朝日の紙面が劇的に変わったという印象を内外に与えることになるのは間違いないと思う。■

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