かぶれの世界(新)

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夕張市民の選択-希望の光

2007-01-13 10:35:44 | 社会・経済

夕張市の成人式が成功裏に終ったことを報じる週間ニュース番組を見た。若者が手作りで式を計画、地域の住民に支援を呼びかけ全国からの200万円余の募金が予算不足を補い、かつてない充実感のある成人式が出来たという。

市の予算を使って市長や議員の選挙の票集めの為の式ではなく、純粋に若者が計画し実行したものだった。使った税金は1万円だという。とはいっても実行委員長は市の職員らしき年配の人で目立たぬよう若者を助けている様子が伺えた。

「アレッ、やるじゃないか。」というのが私の正直な印象だ。今までの全国最低レベルのサービスを嘆く弱者の嘆きと怒りばかり報道されるのを見て、この人達は自分が選んだ市長と議員の不手際について選んだ責任をこれっぽっちも感じてないと思った。自己責任と自助の精神が微塵も感じられない、救いようがないなという印象を受けた。

どうもそれは間違っていたようだ。自分の親たちが何十年も放置してきた放漫財政のツケを自分たちの問題として受け止め、夕張の若者たちは最悪の環境で最大の成果を得たようだ。少なくとも報道では恨み節も公的援助を求める声が聞かれなかった。役人がかかわったらこうはいかなかったろう。この成果を市の建て直しに生かして欲しい。

そういえば神戸地震やタンカー座礁でオイル流出時といった“ミニ”国難に遭遇した時、全国から日本の若者が集まり知恵を出し我欲を捨て支援に立ち上がった。今回それと同じような若者の底力を感じた。それが日常的な広がりをみせ継続していって欲しいのだが。

識者の中にはこれは20年前既に財政難に陥っていたとき夕張市がすべき決断だったという。又、そもそも成人式に「公」が手を出すものではない、「公」が触ると無駄な税金を使い利権が生じると。春から半減する夕張市役所の方たちも勇気付けられるものがあったのではないだろうか。

「公」が手を出したものの多くは何故非効率になってしまうのか。依然として我国の活力をそぎ、世界大競争のなかで競争力を失わせている。今世紀前半の我が国最大の課題である。夕張市の例は小規模だけれども我が国の縮図であり、又良くも悪くも未来を指し示している。

小泉改革の精神は出来るものは全て「民」に移行しようというものだったが、その精神は今揺らいでいる。ともあれ、手作りの成人式は夕張市の未来に希望の光を見た。そういう前向きの姿勢に対しては共感を得て多くの支援の手が寄せられるであろう。■

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イラク新方針の行方(2)

2007-01-12 23:56:57 | 国際・政治

想通りブッシュ大統領のイラク新戦略はいわば超党派の反対にあっている。WポストやNYタイムスなどのメインストリームのメディアはもっと手厳しい評価をしている。英国も派遣軍の削減の方向だと報じられている。どう見ても米軍増派の新戦略は四面楚歌のようだ。

しかし、もしかしたらこれはブッシュ大統領の読み筋かもしれない。どうやろうとイラク情勢がよくなることはない。だとしたら反対多数で彼の戦略が没になっても、どうしようとイラク情勢は悪化するわけだから、結果として提案を否定されたブッシュ大統領は責任逃れに成功するというシナリオだ。

もう米国は後に引けないということを民主党などの反対勢力は理解する必要がある。黙って撤退しては困る、何とかしてくれないと世界が困るのだ。かといってニュースステーションに出演した寺島氏が示唆したイラン原子力施設爆撃なんて乱暴なことは解にならない。

メディアは対岸の火事みたいに米国の混迷を面白がって報じるのは全く噴飯ものである。この結果は必ず我が国に降りかかってくる。米国内、同盟国を含め今こそ結束するときだ。どちらの方向でも。しかし、今のところ残念ながら情勢は悪い方向に向かっている。■

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イラク新方針の行方

2007-01-11 10:45:14 | 国際・政治

昨年中間選挙に大敗したブッシュ大統領は、ラムズフェルド国防長官を更迭し段階的撤退か増派の両面からイラク政策の見直しをしていたが、約1万8千人増派がその答えとなったようだ。訪欧中の安倍首相にも新政策の協力支援を求める電話会議がなされたようだ。

ABC放送によると今回の決定のフォーカスはイラク市民の安全とその下での経済活動の活性化であるという。背景にはシーア強硬派リーダー「サドル師」の民兵の活動を押さえ込まないと治安回復できないとの判断があり、シーア派のマリキ首相もやっと合意した模様だ。

民主党No.1となったナンシーペロシ院内総務が就任時に米国民の総意はイラクには一兵たりとも増派は認めない、1ペンスたりとも支出増は認めないというものだと述べた。民主党ばかりか、共和党にも大統領の発表前から増派反対を明確にするものが出ていると報じられている。

ペロシ女史の発言に対しては、米国が始めた戦争なのにそれは無責任だろう、外交の一貫性はないのかというのが最初に感じたことであった。今となっては米軍が撤退しイラクをこのまま放置する選択はない。ブッシュ大統領の判断に誤りが今日の混乱を招いたと認めたとしても、だからといって即撤退は無責任だ。

とはいってもベトナム戦争でジョンソン大統領が逐次増派を繰り返し泥沼に入っていった悪夢がよみがえる。最後には百万規模の軍隊がつぎ込まれたのになんともならなかった。民主党のケネディ議員など反対派はこの結果がいまだに身に沁みているのだろう。

議会が大統領の決定を承認するには非常に厳しい状況がある。さりとて放置すれば事態はズルズルと悪化していくのは目に見えている。今回の決定は現実に即しており、むしろもっと増派兵力を増やすべきと考える。最終的にどうなるかイラク情勢はターニングポイントにかかっている。■

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2規格対応はインパクトなし

2007-01-09 12:03:04 | デジタル・インターネット

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Gがラスベガスで開催中のCES(家電見本市)で、第4世代光ディスクの熾烈な規格争いをしている「ブルーレイ」と「HD DVD」の両規格に対応したデッキを販売すると発表したと今朝のヘッドラインニュースで大きく伝えている。

しかしこの2規格対応機は商品として魅力なく、どちらが勝つにしても第4世代光ディスクの普及にも貢献することはないと予測する。安易なマーケティングに基づいた典型的な商品の例だ。どちらが標準になるかわからない顧客のためにどちらに投資しても損をしないというのが売りだと思うが、消費者はそういう状態の中途半端なものに大金をかけることはありえない。

過去にも同じような失敗作がある。例えばVHSとベータの両用機なんていうのもあったと思うが(あてずっぽうですが、こういうことを考える人は必ずいる)、仮に本当にあったとして当事者と買って後悔した消費者以外誰も覚えていないはずだ。

1年前にCESが開催された時、戦いは光ディスク方式の選択ではなく、光ディスク対ダウンロードになると予測し、10月にはどうも後者のインターネット媒体が優勢であると報告した。年末商戦でウォールマートなどの大手小売のDVD販売がどうだったのかデータを入手していないので断定できないが大きな流れは変わりそうもない。

もし現行DVDがダウンロード販売に移行してしまうと、映像ソフトの販売が次世代光ディスクの時代に、又、光ディスクの販売に戻る可能性は非常に少なくなるだろう。音楽から始まったダウンロードビジネスは今後益々拡大し、インフラが更に充実していくのは間違いない。

次世代光ディスク自身が新たな使い道を開拓しないと期待外れに終ると私は予測する。(コンサルタント風に言うと0.6の確率で。)メーカーは後に引けないだろうが、一方でダメージミニマムにするリスク管理が裏舞台で進んでいるはずだ。■

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急速に変化する”冠婚葬祭の常識”(新)

2007-01-07 18:13:36 | 社会・経済

の名代で親戚の結婚式に出席した。新郎は祖母の妹の孫だが、祖母が8人兄弟長女で妹が末の関係だったので、1世代遅れて私の子供たちと同年代だ。子供の頃は、大家族は珍しくなかったのでお祭など行事があると、新郎の母親や私など子供達が庭や家のあちこちを走り回るのがごく普通の風景だった。何時でも何処でも子供達がいる風景だった。

式場に行くと子供の頃可愛がって頂いた親戚の叔父さや叔母さんに久しぶりに会った。直ぐに顔を思い出せないが話しているうちに誰だかわかり、思い出話や近況を確かめあった。思いがけなく若い頃お世話になった方にお目にかかり話をすると皆一様に80歳、90歳になっていた。

新郎の母親は私と同い年で久しぶりに会うと子供のころの面影が残っていた。しかし、私の顔を見て直ぐに思い出せなかったようだ。母の代わりに来たことを告げると私のことを思い出してすぐに打ち解けて話すことができた。

式はショッピング・モールの横にある式場で、そこに続く結婚式専用の教会で式を挙げて新郎新婦が出てきた。まぶしいばかりに若々しくていささか嫉妬を覚えた。司会者のリードで披露宴が始まると暫くして仲人がいないことに気がついた。

新郎新婦は農協の職員と地方新聞の社員で、知り合ったのは共通の趣味のスノボーを通じてだと紹介された。来賓の挨拶は両方の職場の幹部だったが、かつて職場の社員の結婚式に招かれて経験したような勤務先の社員が大挙して出席し式場を乗っ取ったような雰囲気はなかった。

が3年前結婚したとき、辰巳渚さんのコラムを見て触発され書いた以下のブログ記事を思い出した。終身雇用と年功序列の「日本的雇用」が変わったことが結婚式などの冠婚葬祭のあり方を変えた、所詮冠婚葬祭はその時代時代の社会を反映するものであり、歴史的に固定したものではないと。

http://ikeda-farm.mo-blog.jp/kabure/2004/09/index.html

記事を読み直すと、2004年当時仲人を立てた結婚式は4.6%、首都圏だと1%ということだったから、仲人はもはや絶滅種なのだろう。同席した80代の親戚の叔母さんに聞いても今はもうそういう時代と一言、もはや特別な感慨もない当たり前のことになったようだ。

式の進行は会社のハイアラキーに従ったような順序で挨拶が続くというより仲間内のお祝いの言葉が続き、新婦の亡くなった母と残された父への思いや新郎の感謝の気持ちが出た返礼で終った。

家に戻り、結婚式場などいわゆる結婚ビジネスはどういうことになっているのか思い巡らしてみた。首都圏の挙式場について調査情報(ゼクシー)によると、No.1のホテルの減少傾向が続き、続く専用式場も停滞から抜け出せず、大流行の兆しがあったレストランが急減している。

来の結婚式がホテルや式場が持つケイパビリティの範囲で提供するいわばイージーオーダーの「画一的サービス」であったのに対し、今は新郎新婦のニーズに合わせて「オーダーメイドのイベント」として結婚式と披露宴を提供するスタイルが急増しているらしい。

これが極端に進むと親戚など古い世代の人達の価値観が付いて行けなくなる。娘が3年前に結婚した時、両親だけが参加して海外で結婚式、都心で友人を呼んでパーティ、長野と愛媛でそれぞれの親戚を招いて披露宴という夫々価値観違うグループに合わせて結婚式とその紹介を別々にした。地理的な問題があったのだが二人の優先順位は明確だった。

結婚ビジネスはこうしてみると社会変化と連動して激変している。かつての家と家の関係から、会社組織を反映した職場主体の式、バブル時代の豪華な式から、バブル崩壊・日本的雇用崩壊後のジミ婚、そして最新トレンドとして新郎新婦固有のオーダーメイド婚。

少子化と生活様式の変化、若い世代の価値観、雇用を含む社会システムの変化が結婚式のあり方を変化させている。今、又、雇用環境が変化し若者の意識が変わりつつある。それが結婚ビジネスにどう反映されるか世相判断の定点観測的指標として大変興味がある。■

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