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参院選の有権者像

2007-01-17 18:44:30 | 国際・政治

院選は安倍政権の信任投票の性格になることが明確になった。衆院の圧倒的に優勢な状況からいうと参院本来の重要性よりも、政局的な意味合いで勝敗の意味が大きくなってきた。与党対野党の戦いというより、自民党内の力関係がどう変化するかのほうが興味深い。永田町では古い自民党と新しい自民党の戦いだ。

一方有権者にとっては何をめぐる戦い、何と何の戦いであろうか。例によって誤解を恐れず断定的に言うと、それは世代間の戦い、つまり老年世代と中若年世代の戦いである。厳密に言うと、それは非ネット世代とネット世代の戦いといったほうが正しい。

中央対地方とか既得権益層対庶民という性格もあるが、ネット世代かどうかという切り口の方が実態を表しているように感じる。最近の県知事選を見ると中央地方という対立軸ではないし、既得権益団体の集票力はなくなった。

長野県知事選において、朝日新聞のネット調査と従来の電話及び郵送による世論調査を選挙結果と比べた興味深い記事について、昨年10月「ネチズンは民意か」と題して評論した。選挙結果は郵送調査と同じ傾向を示していた。ネット調査は動向を知る為に有効だが民意を代表していないというもので私には新鮮な発見だった。

http://blog.goo.ne.jp/ikedaathome/d/20061006

同時に記事はいくつかの問題を提起した。特に気になったのは、年代別に分類してそれぞれの候補者の支持率を比較すると、選挙結果と一致した郵送回答者のピークが70代にあったことだ。一方ネット回答者のピークは30代だった。誤解を恐れずに結論付けると70代の選択が選挙結果に反映された。多分、国政選挙も同じ傾向だろう。

数派の意見が意思決定に反映される民主主義プロセスにおいて、老人世代が権力を持っていることが明確だった。少子老齢化が続く我が国で老人世代の有権者数が今後更に増え、高い投票率を合わせると、この傾向が益々強くなることは間違いない。しかも彼らは日本の個人資産の大半を保有している。金があって員数も多いとなれば政治的影響力は抜群だ。

今後、団塊世代がリタイアし益々老人の絶対数が増えると、政治意識が高く意思決定に影響を与えるスーパー老人世代の時代が来るかもしれない。ただ、彼らはネット世代の前衛でもありうるので、長野で存在感を示した老人世代と同じ意識を持っているとはいえないかもしれない。

その意味で次の参院選はネット世代が選挙結果に影響を与える最初になるのではないかと私は考える。次回それが決定的かどうかは分からないが。というのは、参院選では1票の格差が老齢化率の高い地方で大きい。しかも、バブル時代と同じ比率で大都市に転入が続いている。年齢別に層別し都市の若者と地方の老人を比較すると1票の重みにかなり差がつく。

私の手元に分析できるデータも知恵もないので具体的な数字で示せないが、投票率を加味すると今後数年内に選挙民に占める老人世代の比率は二桁以上になるだろう。しかし、ネット世代も平等に年を取っていく。世代分類よりもネチズンか否かの分類の方が選挙民のメッセージを理解しやすくなる時代がもうすぐ来ると予測する。■

コメント
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