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急速に変化する”冠婚葬祭の常識”(新)

2007-01-07 18:13:36 | 社会・経済

の名代で親戚の結婚式に出席した。新郎は祖母の妹の孫だが、祖母が8人兄弟長女で妹が末の関係だったので、1世代遅れて私の子供たちと同年代だ。子供の頃は、大家族は珍しくなかったのでお祭など行事があると、新郎の母親や私など子供達が庭や家のあちこちを走り回るのがごく普通の風景だった。何時でも何処でも子供達がいる風景だった。

式場に行くと子供の頃可愛がって頂いた親戚の叔父さや叔母さんに久しぶりに会った。直ぐに顔を思い出せないが話しているうちに誰だかわかり、思い出話や近況を確かめあった。思いがけなく若い頃お世話になった方にお目にかかり話をすると皆一様に80歳、90歳になっていた。

新郎の母親は私と同い年で久しぶりに会うと子供のころの面影が残っていた。しかし、私の顔を見て直ぐに思い出せなかったようだ。母の代わりに来たことを告げると私のことを思い出してすぐに打ち解けて話すことができた。

式はショッピング・モールの横にある式場で、そこに続く結婚式専用の教会で式を挙げて新郎新婦が出てきた。まぶしいばかりに若々しくていささか嫉妬を覚えた。司会者のリードで披露宴が始まると暫くして仲人がいないことに気がついた。

新郎新婦は農協の職員と地方新聞の社員で、知り合ったのは共通の趣味のスノボーを通じてだと紹介された。来賓の挨拶は両方の職場の幹部だったが、かつて職場の社員の結婚式に招かれて経験したような勤務先の社員が大挙して出席し式場を乗っ取ったような雰囲気はなかった。

が3年前結婚したとき、辰巳渚さんのコラムを見て触発され書いた以下のブログ記事を思い出した。終身雇用と年功序列の「日本的雇用」が変わったことが結婚式などの冠婚葬祭のあり方を変えた、所詮冠婚葬祭はその時代時代の社会を反映するものであり、歴史的に固定したものではないと。

http://ikeda-farm.mo-blog.jp/kabure/2004/09/index.html

記事を読み直すと、2004年当時仲人を立てた結婚式は4.6%、首都圏だと1%ということだったから、仲人はもはや絶滅種なのだろう。同席した80代の親戚の叔母さんに聞いても今はもうそういう時代と一言、もはや特別な感慨もない当たり前のことになったようだ。

式の進行は会社のハイアラキーに従ったような順序で挨拶が続くというより仲間内のお祝いの言葉が続き、新婦の亡くなった母と残された父への思いや新郎の感謝の気持ちが出た返礼で終った。

家に戻り、結婚式場などいわゆる結婚ビジネスはどういうことになっているのか思い巡らしてみた。首都圏の挙式場について調査情報(ゼクシー)によると、No.1のホテルの減少傾向が続き、続く専用式場も停滞から抜け出せず、大流行の兆しがあったレストランが急減している。

来の結婚式がホテルや式場が持つケイパビリティの範囲で提供するいわばイージーオーダーの「画一的サービス」であったのに対し、今は新郎新婦のニーズに合わせて「オーダーメイドのイベント」として結婚式と披露宴を提供するスタイルが急増しているらしい。

これが極端に進むと親戚など古い世代の人達の価値観が付いて行けなくなる。娘が3年前に結婚した時、両親だけが参加して海外で結婚式、都心で友人を呼んでパーティ、長野と愛媛でそれぞれの親戚を招いて披露宴という夫々価値観違うグループに合わせて結婚式とその紹介を別々にした。地理的な問題があったのだが二人の優先順位は明確だった。

結婚ビジネスはこうしてみると社会変化と連動して激変している。かつての家と家の関係から、会社組織を反映した職場主体の式、バブル時代の豪華な式から、バブル崩壊・日本的雇用崩壊後のジミ婚、そして最新トレンドとして新郎新婦固有のオーダーメイド婚。

少子化と生活様式の変化、若い世代の価値観、雇用を含む社会システムの変化が結婚式のあり方を変化させている。今、又、雇用環境が変化し若者の意識が変わりつつある。それが結婚ビジネスにどう反映されるか世相判断の定点観測的指標として大変興味がある。■

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