かぶれの世界(新)

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イラク新方針の行方

2007-01-11 10:45:14 | 国際・政治

昨年中間選挙に大敗したブッシュ大統領は、ラムズフェルド国防長官を更迭し段階的撤退か増派の両面からイラク政策の見直しをしていたが、約1万8千人増派がその答えとなったようだ。訪欧中の安倍首相にも新政策の協力支援を求める電話会議がなされたようだ。

ABC放送によると今回の決定のフォーカスはイラク市民の安全とその下での経済活動の活性化であるという。背景にはシーア強硬派リーダー「サドル師」の民兵の活動を押さえ込まないと治安回復できないとの判断があり、シーア派のマリキ首相もやっと合意した模様だ。

民主党No.1となったナンシーペロシ院内総務が就任時に米国民の総意はイラクには一兵たりとも増派は認めない、1ペンスたりとも支出増は認めないというものだと述べた。民主党ばかりか、共和党にも大統領の発表前から増派反対を明確にするものが出ていると報じられている。

ペロシ女史の発言に対しては、米国が始めた戦争なのにそれは無責任だろう、外交の一貫性はないのかというのが最初に感じたことであった。今となっては米軍が撤退しイラクをこのまま放置する選択はない。ブッシュ大統領の判断に誤りが今日の混乱を招いたと認めたとしても、だからといって即撤退は無責任だ。

とはいってもベトナム戦争でジョンソン大統領が逐次増派を繰り返し泥沼に入っていった悪夢がよみがえる。最後には百万規模の軍隊がつぎ込まれたのになんともならなかった。民主党のケネディ議員など反対派はこの結果がいまだに身に沁みているのだろう。

議会が大統領の決定を承認するには非常に厳しい状況がある。さりとて放置すれば事態はズルズルと悪化していくのは目に見えている。今回の決定は現実に即しており、むしろもっと増派兵力を増やすべきと考える。最終的にどうなるかイラク情勢はターニングポイントにかかっている。■

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