かぶれの世界(新)

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周回遅れの読書録16(4)

2016-11-28 21:40:34 | 本と雑誌
明朝東京に戻るので田舎生活のけじめをつけてお勧めの本の紹介をしたい。今回のお勧めは唯一冊「 ロングテール」(Cアンダーソン2006)だ。何で出版から10年間も読まなかったのか自分を責めたくなるくらい面白かった。今迄ロングテールという言葉はアマゾンとかグーグルといった新興企業を説明するキーワードとして知っていたが、その意味を明確に理解していなかった。

IT時代の新しいビジネスの在り方として、何故ロングテールがビジネスとして成立するようになったか、ITという道具立てが決定的な役割を果たし、今までのビジネスの在り方からどう変わったのか、私は今頃になって初めて理解することが出来た気がする。私みたいなロングテール以前の時代に生きた人間は、いわゆるヒット商品を作るために必死で働いたノスタルジックな思い出まで湧き出て来た。

(2.0-)2 知的生活習慣 外山滋比古 2015 ちくま新書 著者は日本の教育が知識偏重で生活を軽視していると主張する。その上で知的教育として多くの生活の知恵とかコツを紹介する。面白かったのは、京大系の異種交流的知性の優位性、直立歩行は不自然で体に良くない、お喋りの効用、日本の先生は書けるが話下手などなど。だが、知的は散文的だと言われても私には理解できない。

(2.0+)2 知の現場 2010 東洋経済新報社 知的生産の技術研究会と関係のある21人の”先生”の知的活動の方法論を簡単に紹介したもの。浅学の私が誤解を恐れず批評すれば玉石混交で「この人が?」と疑う先生もいる。私の好みから言うと久恒啓一氏の「図解」手法と、小山龍介氏のITを活用して関係性を整理し思考するスタイルが実用的でお勧めだ。 

(2.0-)2 選ぶ力 五木寛之 2012 文春新書 生まれてから死ぬまで人生は(自己責任という)選択の連続だという。著者の経験を分かり易く体感的に説明したもので、余り学問的とか理詰めの議論ではない。著者の主張は何か真剣に読み取るというより、乗り物の中で気楽に読む本だ。

(3.0)2 ロングテール Cアンダーソン 2006 早川書房 ヒット商品の売れ行きが減り裾野に広がるニッチ商品の売り上げが今世紀になって増加している(ロングテールという)。その理由は1)生産手段の民主化;音楽やビデオが簡単に作れ、2)流通手段の民主化;アマゾンやイーベイから何でも買え、3)需給と供給の一致;グーグルなどで人気商品がわかるようになった為と説く佳作。前世紀のヒット商品は限られた供給の中で選ばれたもので、ディジタル化した現代で制限が無くなり、そこそこ売れる膨大な裾野商品が大きなビジネスになる。

(1.5)2 長寿を科学する 祖父江逸郎 2009 岩波新書 超高齢化社会を迎えた我が国の老人を医学的・科学的に解明してあるべき姿を提案するもの。専門用語が連発され複雑な内容で、一般の読者は読んでも理解出来そうもない。

凡例:
 (0):読む価値なし (1)読んで益は無い (2):読んで損は無い
 (3):お勧め、得るもの多い  (4):名著です  (5):人生観が変わった 
 0.5:中間の評価、例えば1.5は<暇なら読んだら良い>と<読んで損はない>の中間
 -/+:数値で表した評価より「やや低い」、又は「やや高い」評価です。
2: 古本屋で手に入れた本
L: 図書館で借りた本
新: 「定価」で買った本

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