かぶれの世界(新)

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恥ずかし増刊号

2007-03-12 23:09:40 | 日記・エッセイ・コラム

最近何人かのブログの読者からフィードバックを頂いたが、一様に私のブログは難しい内容で読めないと言われた。難しい内容を分かり易く書きたいと常々思っていたのでそういわれるとがっかりした。私の国語力の問題に加えて、テーマを本当に理解していない為だろう。

それは追々改善していくこととし、今日のところは気分転換で分り易いテーマを紹介することにする。それはもう一つの指摘である「色気がない」と言われたことで、この記事でブログに少しばかり彩りを与えることにする。

それは米国にいた時、私のようなチンケな日本人中年男でも女性と知り合う極稀な棚ぼた機会があったのに「外した」思い出である。自意識過剰でちょっと寂しい思い出だ。ということで今回は恥ずかし増刊号です。

張でシアトルからLAかサクラメントの飛んだ90年代後半の時のことだ。アラスカ航空の小型ジェット727だったと思う、ぎりぎりで乗り込み最後部のトイレの横の席に座った。離陸後軽食を頂いて読みかけの本を読み始めた。

突然スチューワーデス(キャビン・アテンダントです)が馴れ馴れしく隣の空席に座って話しかけてきた。「その本を読んだけど中々良かった」みたいなことを言ったと思う。

ブルネットのふっくらした大柄な女性で、お客が殆どいなかったせいで暇つぶしの積りだったのか、ずっと私の横に座っていた。どきどきしながら、「何で」と思った。毎月出張していたのでもしかしたら私の顔を何度か見ていたのかもしれないと思いながら。

本は何気なく空港の書店で買ったもので、記憶が正しければ当時ベストセラーの「snow falling on ciders」でシアトルの北にある架空の島が舞台だったと思う。ひとしきり本の話が続いた。

そのうち窓から見える山が有名なレニア山だと教えてくれ山の話になった。レニアは私が毎週ハイキングに行く山で隅々まで知ってると自慢した。彼女は夏休みに是非行って見たいけど山に詳しい人がいないと言った。

私は誘われたと勝手に勘違いしたその瞬間からギコチ無くなり、「じゃどこかで会うかもしれないね」と言ったきりそれまでの気楽な会話が途切れてしまった。

暫らくして席を立ってどこかに行った。彼女に限らず彼等はちょっとした言葉のニュアンスを的確に判定する能力に優れているとつくづく思う。

際、レニア山の西側山麓のコースをハイキングしたことがある。その日は絶好のハイキング日和で足が続けばガイドブックの3コースをカバーする積りで、万が一に備え3食と寝袋、簡易テントだけの軽装で足を急がせた。

最後のコースは絶壁の横腹の険しい道で喘ぎながら上っていくと2人組の女性パーティに出会い一緒に一休みした。何故か彼女達はさえない中年日本人との世間話を楽しんだように見えた。日暮れが迫っていたので先に行って峠で待っているといって先に発った。

峠で15分程度待ったが現れないので下山、登山口で残った食事やゴミを整理、着替えて車に乗ったところで下山してきた二人組にあった。積極的で話好きの女性が待ってくれてなかったじゃないかと駆け寄ってきた。

30分も待ったのに来ないから諦めて降りたというと、彼女の「ノーキディング」が出てきた。その頃は彼女の口癖だと分かっていたし、打ち解けた雰囲気があった。

復路の途中に彼女の家があることは分かっていた。彼女は連れの車で来たというのを聞いて、私は又もやギコチなくなった。彼女が何を期待しているか分かった気がしたからだ。

突然落ち着かなくなり、もう行かなきゃいけないからと言ってアクセルを踏んだ。そのあと3時間後悔と共に自宅への道のり200kmを急いだ。

私の自意識過剰でもしかしたら思ったのは、このたった2度の機会だけだ。しかも意識した瞬間から後ずさりした。普通の友達になれば良いじゃないかと後から思う。

しかし米国に住んで女性と普通の友達になるなんて見たことない。怖気づいて当然でしょう。笑い話にもならないが、私にはそれで精一杯だった。■

コメント
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