さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 ウィーンの森

2010年03月15日 | 海外旅行
ウィーンの街の北西から南西にかけての郊外には、ウィーンの森と呼ばれる広大な丘陵地が広がっています。

ヨハン・シュトラウスの「ウィーンの森の物語」と題されたワツツでも有名ですね。ワインの名産地でもありますが、ベートーヴェンの足跡を訪ねました。

まずは、ウィーンの森がドナウ川に落ち込む東の橋にあるカーレンベルクに向かいました。その最高峰点のレオポルドベルク(425m)からは、ドナウ川の眺めを楽しむことができます。あいにくと朝はガスがかかっていました。



レオポルドベルクから、丘を下っていくと、グリンツィンクの村に出ます。



きれいに塗られた家並みが続いています。





歩いていると、玄関先に針葉樹の枝飾りがさげられていました。これは、ホイリゲといって、ワインの醸造所兼レストランの目印です。日本の造り酒屋で、新酒の印に杉玉をぶるさげるのと、偶然とはいえ一致しています。



ホイリゲでは、中を囲むようにテーブルが並び、小人数のシュランメルと呼ばれる楽団がワルツを演奏します。ワインは、新酒で、小さなガラスジョッキで出てきます。

映画「会議は踊る」で、ロシア皇帝とお針子の逢引きの場所としても登場してきます。この場面で演奏された「新しい酒の歌」は、「唯一度だけ」の歌と並んで忘れられないメロデイーです。

なお、このホイリゲで飲んだワインで酔いがまわり、路面電車でウィーンに戻るのにも、正気を保つのに苦労しました。



グリンツィンクの隣り村がハイリゲンシュタットです。ベートーヴェンは、この村に住んでいましたが、何度も引っ越しをしているため、ゆかりの家も多くあります。

ここで有名なのは、ベートーヴェン・ハウスです。ここで、「ハイリゲンシュタット遺書」が書かれました。

日ごとに悪化する難聴への絶望と、芸術家としての運命をまっとうしようとする願望を書いています。

この遺書を書いたのは、1802年ですが、作品リストと比べると、交響曲第二番、ピアノ協奏曲第二番がようやく書かれた時期です。

1804年に交響曲第3番「英雄」を発表したのに続き、傑作の森と呼ばれる作品が続くので、ベートーヴェンの傑作は、難聴を克服して作曲されたことになります。



中庭の奥の二階がベートーヴェンの住んでいた部屋で、記念館になっています。



この記念館には、訪問者ノートが置かれており、そこに記帳すると、ベートーヴェンに一歩近づくことができたような感激に包まれました。



プファール広場のベートーヴェンの家。中庭はホイリゲになっています。



ベートーヴェン・ガンク(小道)

小川に沿って、遊歩道が続いています。



ここで、交響曲第6番「田園」の第二楽章「小川のせせらぎ」のモチーフが作曲されました。

夏のためか、水が干上がる寸前で、名前負けしそうな小川でした。



ベートーヴェンの家

ここで、交響曲第六番「田園」が作曲されました。

クラシック音楽好きなら、ベート-ヴェンの足跡をたどることのできるハイリゲンシュタットは、是非訪れる所でしょうね。
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