【昨日の 現場見学】
焼津市と静岡市を結ぶ道の一つに「大崩海岸」という道路がある。
内陸部に新しくバイパストンネルが出来て以来、国道から格落ちして県道になったはずのこの道路は
「大崩海岸」という名前から想像するに、その半分はぴったりで、半分は全然違う命名をされているのだ。
海岸道路と思いきや海岸は絶壁のはるか下、つまり湘南海岸のような海岸道路ではないのだ。
大崩と言うネーミングは全くその通りである。ワシの子供のころから崖崩れの防止にずーっと工事中の道路である。
ついでに言えば、漁師を卒業したワシの母方のじいちゃんが土方をしていた現場である。
今までに工事費をいくら県はつぎ込んだのだろう。
ではこの写真
崖っぷちを山腹に沿って走っているおっかない道だ。今までに何台も車が落ちている。
ハンドル操作を誤ると、下の駿河湾に落ちていく間にパラシュートを装着する時間がある(ウソ)
ここが先年、写真の様に大規模な崩落があった場所である。道が無くなっている。
これは焼津市側から静岡市側を望む景色だ。晴れた日には写真右側に大きく富士山が見える。
◆管理する県はここの崩落道路を捨てることにした。なにせ下の水際から工事を積み上げてこなければならないからだ。その費用14億円と言う。
だから、100mほど離れた山の中にトンネルを掘ることにしたのである。その費用28億円。
災害復旧費の2倍の金額を掛けてもトンネルを掘ることにしたのは正解であろう。今まで年間1億5千万円を毎年かけていたそうであるから。
トンネルの長さは約905m、静岡市側から掘り進めて、現在は600m少しの進捗である。
普通は両方から掘削していくのがセオリーかも知れないが、焼津市側には観光ホテルが2軒あり、とてもじゃないが工事用スペースが無い。
と言うわけで静岡市側から掘っていき、掘った土は大きく迂回して焼津、大井川町、吉田町に運搬している。
普通の人は絶対に見ることのできないトンネル工事の最先端(これをキリハと言う)
NATM工法(ナトム工法)という、オーストリアで開発され今は普通の掘り方である工法で掘っているので
キリハの作業員がうんと小人数である。6人ほどしかいない。しかも1日当たりの掘進量は大きい。
【久しぶりのトンネル現場を見ての感想】
土木工学を専攻したワシは、本当ならば橋屋かトンネル工事屋になりたかった。
今からでも遅くないから戸田建設に入社してトンネル技術者になろうかしん。
わくわくするワシである。
だめ?もう歳だから?そうか。