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厄介なお隣さんたち

2012-08-17 23:35:56 | 国際・政治

この夏、日本海、東シナ海、あるいは
南シナ海で勃発する領土問題。
アジアの領土問題については
あくまでも中立の立場を貫こうとする米国では
一体どのように報道されているだろうか?

8月11日付 Washington Post 電子版

In Asia, a wave of escalating territorial disputes アジアにおいてエスカレートする領土問題の波

Escalatingterritorialdisputes
2012年7月20日金曜日に撮影されたこの写真では、中国漁船が南シナ海の海南諸島沖の Meiji 礁の礁湖内を航行している。ベトナムも領有権を主張している南シナ海にある離れ小島上への新しい都市開設を中国は盛大に行った。

By Chico Harlan,
 係争中のアジアの島や小島は概して印象的の薄い集まりである。ほとんどが岩でできていて、どの本土からも遠く離れたところにある風にさらされた岩礁である。一つの島には灯台があるが人はいない。
 しかしアジアの南西から北東に延びるこれらの小さな領土は、ナショナリズムと、それらの沖合にある天然資源の獲得欲の高まりによって活気づく国々の間で激しく争われている。アジアにおいて、アメリカがより大きな役割を果たことを約束している時期において、これらの領土は北朝鮮とは別個に、この地域の最大の火種となる可能性を持っていると指摘する安全保障の専門家がいる。
 少なくとも3つの主要な海域で領土問題はほぼ12ヶ国を巻き込んでおり、それらは世界の最も交通の多い航路のいくつかにおいて混沌とした意見の食い違いを引き起こしてきた。それらの紛争はすべて関連するものではないが、中国、日本、韓国そしてフィリピンなどのアジアの主要数ヶ国はここ数ヶ月同様の傾向をたどっており、古い歴史的な言い争いを国家的優先課題にすり替え、緊張をエスカレートさせ小規模な武力衝突の危険性を高めていると識者は見ている。
 それらの国々は遠く離れたこれらの領土を主張せざるを得ないわけだが、それらの周辺の海域にある石油やガスに対する要求の高まりがその一つの理由となっている。日本は原子力からの転換のため長期的なエネルギー不足の懸念がある。一方、既に世界のエネルギー消費量の5分の1を占めている中国は、その経済の近代化に伴ってその取り分を増やすのに必死となっている。
 「この地域においてエネルギー資源は徐々に重要な問題となっています」と、Sydney に本拠を置く Lowy Institute の国際安全保障部長の Rory Medcalf 氏は言う。「特に中国と日本の立場からすると、エネルギー保障の新たな必要感があります。これらの国々の中で、大量の炭化水素鉱床が存在する可能性のある地域の領有主張をあっさりと手放したいものはいないでしょう」
 これらの国々は、時には小規模かも知れないが荒々しい自国内の国家主義的運動にも後押しされている。一部の識者によると、そういった国家主義は、特に、数億人のインターネット利用者が意見を共有し国民感情が従来に増して無視できなくなっている中国では、ソーシャル・メディアによって増強されているという。韓国や中国は今年首脳の交代が予定されており、政府当局は主張に弱腰になることや弱気に見えることに対して神経質になっている。
 「私たちは国々が領土をめぐって戦争を始めた歴史を見てきました。その土地は意味のないように見えたとしても、それが国土というものなのです」Heritage Foundation の北東アジアの専門家で上級研究員の Bruce Klingner 氏は言う。「岩をめぐって大火のリスクを国が冒すのは不合理に見えるかもしれませんが、そういったことが実際に起こっているのです」

Tenuous relationships 危うい関係

 最も目立っている現在の紛争には、日本と韓国、中国と日本、そして中国とフィリピン・ベトナムをはじめとする複数の東南アジア諸国がある。
 増大する軍事費と海軍力を有する中国は、その国境を押しつけ、小さい隣国をおじけづかせていることから、しばしば外国の首脳らに同地域のガキ大将(bully)と名指しされている。しかし他の国々はそれぞれの武力を示すことで対応してきた。東南アジア数ヶ国は米国との同盟関係を強化し、共同軍事演習を行ってきた。日本は紛争海域の防衛を強化させる目的で自衛隊を再編成した。7月、フィリピンのBenigno Aquino Ⅲ(ベニグノ・アキノ3世)大統領は議会に対して南シナ海の紛争領域の防衛に用いる新しい航空機と戦闘ヘリコプターを含む大規模な軍事強化を承認するよう要請した。
 「もし誰かが自分の庭に入ってきてそこは自分のものだと言ったらそれを許しますか?」と Aquino 氏は言う。「本来我々のものであるものを引き渡すことは正当なことではありません」

Escalatingterritorialdisputes2
 領土問題に対処することはアジアの首脳にとって悩ましい問題となっている。大きな批判を浴びている一つの動きが10日にあった。韓国の Lee Myung-bak(李明博、イ・ミョンバク)大統領が、自身の低い支持率を回復するための明らかな策略として、日本も領有を主張している Dokdo 独島(竹島)に70分滞在するためにヘリコプターで向かったのである。
 「Dokdo は紛れもなく我々の領土である」と同島で Lee 氏は言い、その領土を守るために死亡した韓国人を追悼する記念碑の前に花を捧げた。
 「大局的見地から問題を考えなければならないこの時期になぜ彼はそこを訪れたのか?」すぐさま日本のKoichiro Gemba(玄葉光一郎)外務大臣はそう述べている。「これは極めて遺憾である」
 安全保障の専門家たちによると、日本と韓国の不和が武力衝突に至る可能性はほとんどないという。なぜなら、アジアにおけるアメリカと最も親密な同盟国であるこの2ヶ国は、日本による35年間の支配以降延々と続く敵対意識があるにもかかわらず、きわめて協力的な経済パートナーであるからである。

Disputes with China 中国との紛争

 しかし、この地域の他のエリアは特に中国が領有を主張するエリアでさらに厄介となっている。Brussel を本拠地とする International Crisis Group からの最近のレポートは、中国が、対立し合っている複雑な政府系機関である “nine dragons” がどのようにして同海域をパトロールしているかを説明している。それら機関の多くは自身の権力と予算を増やすことを目論んでいるという。
 このレポートによると、人民解放軍海軍は海洋紛争において裏方の役割を果たす向きがあり、民間の法執行機関や準軍事的な機関に対してより大きな役割が与えられているという。紛争地域のスカボロー礁近くで中国の漁民が領海侵犯をして拿捕されて始まった4月の中国とフィリピンの間の対立に見られるように、数を増す自分勝手に行動する中国漁船が紛争エリアにおいても活動しているのである。結局中国はこの対立に勝利し、この漁民たちはこの拿捕を逃れている。
 米国はそれら様々な紛争には中立を保つようにしてきたが、航行の自由の重要性を強調する。6月の Aquino 大統領との会談中、Obama 大統領はアジアの国々に、“この領域の海上紛争を統制する確固たる一連の国際的な規範や法規” を決定するよう求めた。
 しかし、地域の指導者たちはいかなる法規に対する合意に至っておらず、7月のカンボジアでの外相会談でも南シナ海に関する紛争で基本となる共同声明すら得られないまま首脳たちが立ち別れる結果となっている。
 ワシントンにあるシンクタンク Center for Strategic and International Studies(戦略国際問題研究所)による最国防省により委託された最近の提言では、中国の挑戦的な海洋活動のためにこの領域の“危険性が高まっている”ことが指摘されている。
 このシンクタンクによるアジアにおける米国の戦略についての提言はオーストラリア沿岸に原子力空母を配備する可能性を高め、米国がこの領域に2番目の空母攻撃群の配備を容認するものとなっている。
 しかしオーストラリアの国防相は即座にこの考えを拒否しており、オーストラリアの識者は、同国が最大の貿易相手国である中国の反感を買うことには気が進まないと述べている。

今回の香港の活動家たちによる
尖閣諸島・魚釣島への不法上陸が
どういう意図で行われたのかはわからないが、
中国政府が様々な団体に好き勝手に?させている
活動の一環である可能性はありそうだ。
一方、韓国は
イ・ミョンバク大統領の利己的パフォーマンスに
彼の国中が踊らされているのが事実である。
韓国の経済基盤の脆弱さを考慮すれば、
実に国益に反した行動が行われていることに
韓国国民が早く気付くべきである。
米国は一貫して中立の立場をとっているようだが、
記事の論調からは、日本の冷静な姿勢が
最も評価されているように受け取られる。
日本としては世界の “ジャイアン” たる米国に
おすがりする “スネオ” 的行動をとるのではなく、
毅然とした姿勢で、周辺のややこしい国々に
立ち向かっていただきたいと思うのである。

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