MrKのぼやき

煩悩を解脱した前期高齢者男のぼやき

謎の奇病 “頷き病”

2012-03-16 00:11:22 | 健康・病気

テレビでもやっていたが
奇病 “頷き(うなずき)病” の子供たちが
ウガンダやスーダンで増加中とのことである。
謎のこの疾患に対して疫学的研究や原因の究明が
懸命に進められているというのだが…

3月13日付 Washington Post 電子版

Mysterious ‘nodding syndrome’ affects many Ugandan children; experts seek cause 
謎の “nodding syndrome(頷き病、または頷き症候群)” がウガンダの多くの子供たちを襲う;専門家たちはその原因を究明中

Noddingsyndrome
Nancy Lamwaka ちゃん(12才)は無意識のうちに自身を傷つけることがないように毎日のようにマンゴーの木に繋がれる

By Jocelyn Edwards
ウガンダ・ペイダ―地区発:ほぼ毎朝、Michael Odongkara は娘の Nancy Lamwaka を家の外に連れ出し、彼女の踵をマンゴーの木に繋ぐ。
 彼は望んでそんなことをしているわけではない。けれども、この12才の子に激しいけいれんをもたらすこの疾患は彼女の精神機能をひどく損ない、話すこともできなくなり、しばしばいなくなってしまうのである。以前、彼女は3日間森の中で迷子になったこともある。
 「自分の娘を木にくくりつけることは私にとってひどい苦痛です。しかし、彼女の命を救いたいと思えば敢えてそうせざるを得ないのです。彼女を解き放ってしまうと、焼け死んだり、森の中を歩き迷子になったり、さらには近くの沼で溺れることさえある。彼女にはそんなことになってほしくないのです」と彼は言う。
 Nancy は頷き病にかかっている。この疾患は原因が不明で治療法もわかっていない。ウガンダ政府は国内で3,000人以上の子供たちが罹患していると推定している。
 頭部を縦に振るようなけいれん様の発作が見られることから命名されたこの疾患は、ほとんどの場合、5才から15才までの子供たちが罹患するが、これによって過去3年間でウガンダの子供たち200人以上が死亡している。
 この発作はしばしば食べ物が引き金となっているため、頷き病の子供たちは低栄養となり精神的にも身体的にも発育が妨げられることになる。
 「一部の人では視力や摂食、さらには単に周囲の状況の認識までが障害されてしまうほど患児の神経系に広く影響を及ぼします」と、ウガンダの世界保健機構・疾病対策アドバイザーであり医師でもある Emmanuel Tenywa 氏は言う。
 Nancy の父親がなすすべもなく見守る中、Nancy は叫び声を上げ、身もだえ始める。彼女の口からは唾液が流れ、全身が数分間揺れ動いたあと、地面でぐったりとなる。Nancy は過去8年間、このような発作を多いときには一日5回も起こしてきた。
 「彼女は話をすれば、食べ物を欲しがります」と彼は言う。「このごろはただ手を伸ばしてそれをせがむだけです」
 頷き病は1962年にタンザニアで初めて報告されている。その後半世紀が経つがいまだ研究者らにはこの病気が何であるかわかっていない。
 「頷き病の原因ではないことについては多くをつかんでいます。しかし、確定的な原因はまだわかっていません」と、疾病対策予防センターの世界的疾病検出・緊急対応部門の部長 Scott Dowell 氏は言う。
 CDC当局者は、本疾患の調査のため最近、2月中に3回訪問し9日間ウガンダに滞在した。
 「現地調査と検体検査によってこれまで仮説を立てられていた3つの異なる原因、さらにそれ以外のものも除外してきました。これには、数百の構成株を持つ18のウイルスファミリーなどが含まれます」と Dowell 氏は言う。
 CDCとしてはあまり見られることのない状況である。Dowell 氏の部門によって調査された 600の疾病の発生のうち、未解決となっているのはわずかに6件しかないからである。
 研究者はいくらか手がかりをつかんでいる。1つは、ブユが媒介し河川盲目症を起こす寄生虫、オンコセルカ症(回旋糸条虫症)との関連である。研究者らはまた、本疾患が流行している集団においてビタミンB6の欠乏を観察している。
 本疾患の原因は不明のままだが、当局者らはその症状の治療に焦点を当てている。CDC の研究者らは、種々の治療の試みによってどのような効果が得られるかを議論するために、ウガンダの保健当局者たちと会合を持っている。
 早ければ5月にも開始される臨床試験ではビタミンB6の補充に加えて、2種類の抗てんかん薬が試される予定である。疾患で苦しんでいる子供の一部にはすでに抗てんかん薬が用いられているが、その有効性は様々である。
 「この段階では、どの治療が有効で、またそれらの中に有害なものがないかしっかりした見解を得ることが望ましいという考え方には誰も異論はないと思います」と Dowell 氏は言う。
 頷き病の子供たちは、精神障害のために溺水や火傷などの事故に遭いやすく、本疾患による死者の多くはこれら二次的な原因によるものである。

頷き病はアフリカ東部のスーダンやウガンダで
昨年ころより増加している奇病。
小児にのみ発症し、心身に障害を来たし致死的となる。
発症した子供は身体的にも精神的にも発育が停止する。
食事や寒気が引き金となり、頷くような発作が突如始まる。
奇妙なことに見慣れない食べ物を与えられた時には
発作が起こらないという。
記事中にあるように原因や有効な治療法は確定しておらず、
多くの子供たちがこの疾患によって命を落としている。
化学物質や汚染食品を原因とする説もあるが
ブユが媒介し河川盲目症の原因となる
寄生虫のオンコセルカが関与している可能性も指摘されている。
患者の90%以上が
この寄生虫に感染していたというデータもあるが
本寄生虫は発症地域外にも広く分布しているため
因果関係は不明のままである。
疫学的調査が進められ一刻も早い原因究明と
治療法の確立が望まれる。

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