ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

話はそれますが、

2014年02月23日 | 日記
なんとも凄かったオリンピックでの浅田真央
さんの演技。
彼女の心意気、モチベーションの高さを知る
ことができました。みなさんもそうでしょう
が、ほなさん夫婦は、すばらしさに感動の涙
を流しましたわ。

さてそういう中、ほなさんに商品の注文を下
さっていたある男性、Bさんがお亡くなりに
なりました。
施設に入っている方でしたが、施設長さんか
ら相談があり、Bさんの要望する品を探して
ほしいという頼みでした。

どこにも無いということから、白羽の矢がほ
なさんに当たったのです。
それもそのはずです。
ほなさんが2-3年前、市場のどこにも無い
からメーカーさんをそそのかして無理に作ら
せた製品しか、当時は見たことがありません
でした。

衣料品のメーカーの中には、とても小さな会
社もありますから、社長と仲が良くなると、
こういうアイデアがあるから、商品をつくっ
てよ!
とお願いすると、小規模ながら作ってくれた
りします。

たとえば、現在よく売れている「名前の書ける
靴下」なども試作品の時に絶賛して、全国的に
販売できるようになった製品なんですが、Bさ
んの探している品は、紳士スラックスでした。

ちなみに、名前の書ける靴下は、施設等で、と
ても喜ばれています。と、いうのも、濃色の靴
下には名前を書いても判別できず、濃色の靴下
は買えない部類の商品でしたから。

市場に、ウエストが全部ゴムの「丈なおし不要」
紳士スラックスが産まれ、低価格で販売開始し
たとき、長身の方のものが無かったのです。(
高い価格はあったでしょうが)

それで某メーカーの若社長を口説き、長身用を作
っていただきました。儲かると期待して作った若
社長は、その売れ行きの遅さにガックリしたと思
いますが、でも作ってもらえば、こちらは大喜び
でした。リスクは、メーカーが負わねばなりませ
ん。申し訳なかったです。

それでつい4日前、長身のこの方にはじめてお会
いした時、その製品をみせますと、とても喜ばれ、
「これでお腹が苦しくないわ。」
とさらに数本を追加でご注文下さいました。

几帳面な性格らしく、部屋はすみずみまで整理さ
れており、加齢臭もまったくありませんでした。
この健康そうな老人がどうして施設に入居された
のか、この時は少し疑問に思うほど、しっかりさ
れておられました。

ズボンを穿いた上から、おなかをさすり、
「これで良かった、良かった。」
と何度もおっしゃられました。よほど困っておら
れたのだとわかり、探してきたこちらも嬉しくな
りました。

ところが当店にはそのサイズは最後の一本でした
から、若社長にお願いして、販売先の小売店さん
にも協力してもらい、やっと3本が確保できと、
さきほど佐川急便の荷物がつきました。

Bさんが亡くなったと施設から電話があったのは、
着荷の前後です。
施設長さんは、
「注文の品は、どうすればよいか、買い取りまし
 ょうか?」
と尋ねましたので、
「いえ、お構いなく。気になさらずともいいです
 よ。」
と答えました。

Bさんはおなかの中の血管が切れ意識を失ったそ
うです。救急車の中で一旦は蘇生され、その時、
「ズボンが来るから、くるから、、」
と言いつづけたので、施設長は、
「あのズボンをはいて、お出かけしよう。」
と何度も励まし、それに頷いてくれたといいます。

しかしBさんのこれが最後の言葉となりました。
「もう一日早ければ、このズボンを渡してあげ
 れたのに、、、、。」
着荷した商品を見ながら、ほなさん夫婦はこう呟
くしかありませんでした。

あんなに元気そうで、しっかりしてたのに、、、。
脳裏から、Bさんの喜んだ顔が離れません。
人生というものは、ある日突然終わりがくるもの
なのですね。
無常、です。    合掌

       (この話は昨年の出来事です。)