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kan-haruの日記

イベント 外国人邦楽演奏 第10回インターナショナル邦楽の集い その2

2011年03月07日 | イベント
kan-haru blog 2011 長唄 老松 

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・筝曲合奏
A公演の2番目の演目は、沢井忠雄が1973年に作曲した筝曲合奏で、日本人演奏家による演奏です。演奏筝の構成は箏 I・II・III・十七弦による四重筝曲です。この曲はちょうど洋楽の弦楽四重奏のように、非常に緊密な楽器構成で隙がない。全体は切れ目なく演奏されるが、大きくは四つの部分に分けることができる。第一は、まず三面の箏のピチカットによる美しいテーマで始まります。即興曲風に展開されることが多い沢井忠夫作品の中ではめずらしい、構成の意図がはっきりしており、各パートがきわめて緊密に構成された美しい曲です。
沢井忠雄は、尺八家の父に導かれて小学5年の頃から箏を習い始めて、高校時代には作曲を始め、59年の生涯に作曲した作品数は90を超えます。
十七弦は、大正・昭和の時代になって宮城道雄が、チェロ並みの低音域を持つ十七絃を開発したもので、邦楽合奏における低音楽器として現在でも広く使われ、独奏曲も生まれています。
四重奏の筝曲の音色が聞こえるビデオが、下記の下線文字をクリックするとほんのわずかですが見られます。ビデオから戻るときはブラウザ左上の「←」キーを押すと現画面に戻ります。

 四重奏曲が短時間ですが聴けます ビデオ

また、筝曲合奏に出演メンバーは下記の下線文字をクリックすると見られます。戻るときはブラウザ左上の「←」キーを押します。

 四重奏曲出演者
十七絃を演奏のCurtis Pattersonは、米国イリノイ州シカゴ出身でコーネル大学在学中に箏と出会い、1986年来日後に生田流箏曲の基本の地唄を学び、日本の伝統音楽への理解を深め、1990年沢井箏曲院に入門し、沢井忠夫、一恵両師に師事。以来、古典曲のみならず数多くの現代曲も手がけて、さまざまなジャンルのアーティストとして活動し、邦楽教育・指導によって幅広い箏の世界を目指しています。


 四重筝曲(:筝曲合奏、:左方が筝I、右方が筝II、:手前方が十七弦、奥方が筝III)

・長唄 本調子メドレー
3番目の演奏の長唄 本調子メドレーは、小鍛冶の「調子の合方」と新曲浦島の「寄せの合方」で、小鍛冶は1832年(天保3年)に初演された「姿花後雛形」という五変化の中の一曲で、今回の演奏は刀を作る部分の合方です。新浦島は古来の歌舞伎を改めて、日本的なオペラの創造をして、その理論を実践して新しい楽劇の見本としたのが「新曲浦島」で、その中から「寄せの合方」です。
出演は、三味線が9名(生徒5名)、囃子の笛Ⅰ名、小鼓8名(生徒7名)、大鼓1名、太鼓1名で、総勢20名による演奏です。メンバーの日本人生徒は、舞台2列目の右手方で小鼓の演技を熟していました。

 長唄 本調子メドレー ビデオ
また、長唄本調子メドレーに出演メンバーは下記の下線文字をクリックすると見られます。戻るときはブラウザ左上の「←」キーを押します。

 長唄本調子メドレー出演者


 長唄 本調子メドレー(写真拡大)

・長唄 鞍馬山
4番目の演目も、日本人の演奏による1856年(安政3年)に二杵屋勝三郎が作曲した長唄 鞍馬山で、仇を討つため鞍馬山で修業する牛若丸に、大勢の天狗が木太刀で襲いかかり激しい立ち回りとなったが、最後に天狗共が逃げうせるという筋を唄った曲です。演奏は長唄に三味線と囃子の笛、小鼓、太鼓の演奏で、山田連、崇兄弟の演ずる笛と小鼓は人気を博していました。山田兄弟は、お父さんが邦楽の集いで演奏している福原流笛方の福原寛で、国立音楽大講師、歌舞伎、日本舞踊会などで古典を中心とした演奏活動を行っています。

 長唄 鞍馬山 山田兄弟の笛と小鼓の演奏に人気です ビデオ
また、長唄鞍馬山に出演メンバーは下記の下線文字をクリックすると見られます。戻るときはブラウザ左上の「←」キーを押します。

 長唄鞍馬山出演者


 長唄 鞍馬山(写真拡大)

・長唄 助六
長唄 助六は5番目の演目で、十代目杵屋六左衛門が作曲して、1839年(天保10年)3月に初演の中村座で八変化舞踊「花翫歴色所八景」の中の1曲で、歌舞伎18番の「助六」を舞踊化した曲のため、河東節の影響を受けてそれを巧みに長唄化したものです。
長唄 助六では、生徒は三味線8名、笛1名が演奏し、総勢22名の登場ですが、知り合いの生徒は3列目の左端のため、残念ながら演奏はよく見えませんでした。この回は、演奏のビデオは無く、生徒が演奏内容を紹介する模様を撮影しました。

 長唄 助六 の演目紹介をする生徒達
また、長唄助六に出演メンバーは下記の下線文字をクリックすると見られます。戻るときはブラウザ左上の「←」キーを押します。

 長唄助六出演者


 長唄 助六(写真拡大)

・長唄 老松
A公演の最後の演目は、杵屋六三郎が1820年(文政3年)に作曲した長唄 老松で、劇場音楽から離れた純演奏曲です。母・ますの80歳の祝いに、「ます」を「まつ」に通わせて作曲し、作詞も作曲者本人といわれています。松風合方は初演の折は無く、後に十代目杵屋六左衛門が作曲者の了承を得て、作曲しました。老松のめでたさからはじまり、松にちなんだ風景や風物などが変化のある曲調で展開されます。
立方(踊り手)の日本舞踊・振付家の林千永は、3歳で林流二世家元・林 一枝に入門。東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業し、古典の舞台を踏む一方、創作、ライブ「林 千枝の踊りカタログ」、イベント・演劇の構成・振付・出演等を行っています。
出演は立方が1名入り、長唄4名(生徒1名)、三味線9名(生徒5名)、囃子に笛1名、小鼓1名、大鼓1名、太鼓1名の総勢18名の出演です。

 長唄 老松 ビデオ 
また、長唄老松に出演メンバーは下記の下線文字をクリックすると見られます。戻るときはブラウザ左上の「←」キーを押します。

 長唄老松出演者


 長唄 老松(写真拡大)

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コメント (2)
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