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kan-haruの日記

イベント 展示会で東北・太平洋沿岸地震に遭遇 大田産業プラザで試作市場と地図展 その3

2011年03月18日 | イベント
kan-haru blog 2011 富岡八幡宮の伊能忠敬像   

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・伊能図コーナー(続)
伊能忠敬は、1800年(寛政12年閏4月19日)~1816年(文化13年閏10月23日)までの約17年間にわたり、日本国内を第一次測量から第十次測量までを行いました。
伊能忠敬の測量の方法は、導線法で角度と距離を測り、交会法で見渡せる山などの目標物の方位を測り誤差を補正して、天文測量で星の南中高度を測り観測地の緯度を定めていました。
距離の測量の導線法は、測定点間に梵天を建てて、当初は苧麻(ちょま;カラムシの茎の繊維から製した麻糸)の間縄(けんなわ)が用いて距離を測っていたが、伸縮とか、強度が弱い、強風時には風にあおられる、などの欠陥がありました。そこで、改良し第三次測量から以降では、内法を1尺とした鉄線を60本つないだ鉄鎖が距離の測定に用いられました。角度の測定には、杖の先に羅針盤をとりつけた杖先羅針が用いられました。
伊能測量の柱は導線法と交会法で、交会法は2点間の方角を測る時に、同時に近くの寺院の屋根や大木の梢などの共通点を設定して、そこの方位を測り記録して2点間の測り違いの誤差が補正可能である。
また、坂道の測量には、小象限儀で勾配を測り、割円八線対数表を用いて平面距離に変換したと云われています。さらに、伊能測量には測天量地と云われる天体観測で、地図作成の緯度の観測が併用されたといわれてます。

 伊能忠敬の全国測量器具(:間縄、:鉄鎖)

・第一次測量
第一次および第二次測量の測跡は、たまたま今回遭遇した東北・太平洋沿岸地震の被災地域の奥州街道と太平洋岸でありました。
第一次測量は、伊能忠敬が55歳の1800 年(寛政12年) 閏4月19日に、門倉隼太、平山宗平、伊能秀蔵の弟子と下僕の吉助、長助を連れて江戸を出発して、千住宿より奥州街道を進み、宇都宮、白河、仙台、盛岡、野辺地、青森を経て、5月10日に津軽半島北端の三厩に到着しました。三厩を同19日に出航し、蝦夷地の吉岡に上陸して箱館の蝦夷会所に寄って手続きを済ませ、室蘭、襟裳岬、釧路と根室の少し西側の西別まで北上して東海岸を測量しました。帰路は、往路の逆コースを取り、測量しながら、10月21日に測量日数には180日を掛けて江戸に帰着しました(伊能忠敬と伊能図の大事典から)。

 第1次測量ルート測跡(拡大図伊能忠敬と伊能図の大事典から)

・第二次測量
伊能忠敬の第二次測量は、1801 年(享和元年)閏4月2日に、伊能秀蔵、平山郡蔵、尾形慶助の弟子と下僕の長助、嘉助の測量隊が江戸出発して三浦半島、熱海から伊豆半島を一周した後、6月19日再度江戸出発。房総半島内房から外房に出て、東北・太平洋沿岸地震の被害の大きい太平洋岸を北上した後、下北半島を一周して青森を経て、11月3日に三厩に到達しました。帰路は奥州街道を再測量しながら、12月7日に江戸に帰着し測量日数は230日でした。

 第2次測量ルート測跡(拡大図伊能忠敬と伊能図の大事典から)

伊能忠敬が第二次測量した地震災害地域
丁度210年前に、今回の東北・太平洋沿岸地震地帯を測量した足跡の一部を辿って見ます。
第二次測量は、1801年(享和元年) 閏4月2日に江戸を出発して、三浦半島から伊豆半島を一周し、箱根を経て同年閏6月6日に深川黒江町の忠敬隠居宅に戻りました。
東北への出発は、6月19日に房総半島の一周から測量が始まり、千葉県の測量が終わったのは7月26日で、これから地震災害を受けた北関東から東北の海岸沿いの測量が行われました。
7月27日からの茨城県の測量は、神栖市、鹿嶋市、鉾田市、大洗町へと進み、8月1日に東海村、日立市と北茨城市を測量し、福島県いわき市に8月5日に入ります。
福島県の測量は、富岡町、相馬市が8月16日に測量して宮城県に入ります。宮城県では名取市、仙台市、塩釜市、東松島市、石巻市、南三陸町、氣仙沼市、大船渡市、釜石市、久慈市と進み青森県の八戸市に入り、今回の地震大災害地を200年前に日本初めての地図作成のため入念な測量が行われました。

 現名取市付近の大日本沿海輿地全図の一部拡大図

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