我が両親は、1町歩(10反)ぐらいな土地を耕す百姓であった。
トラクターもない時代であるから、労力は牛・馬と人力であった。
日の出から暗くなるまで働いた。その苦しさを、子どもの自分は理解していなかった。
小学2年か3年生の頃、仕事を言いつけられた。「夕方、お弁当の空箱を、田圃まで取りに来て欲しい」と。
その日は夢中で遊んで、その約束をコロッと忘れていた。夕方、両親が帰った時にその約束を思い出した。
父:「約束も守れないし、人が汗を流して働いている苦労も分からないような人間は、
この家では必要のない子供だから、今すぐ出て行け!!」
と烈火のごとく叱られた。何処に行くと言う当てもなく家を出て、近くの道に立ち尽くしていた。
真っ暗闇であるからどうしたら良いのか分からない。10分ぐらい過ぎた頃、母が出てきた。
母:「私も一緒に謝ってあげるから、ごめんなさいを言おうね。二度と約束を破らないようにね。」
泣きながら母に連れられて帰り、父に謝る。
私:「ごめんなさい。今後二度と約束を忘れたりしませんから、許してください。」
許されて、父と一緒にお風呂に入った。嬉しかったなー!
一度約束したことは、簡単な理由で約束を違えることは許されない事だと教えられた。
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