桜は満開。そろそろ散り始めたところもある。
山にも山桜やこぶしの花が咲いているらしい。県道を走りながら、賑やかになった山々が目に入る。
春爛漫。春を謳歌しているらしく映る。5月に入ると、山は燃え立つような黄緑から緑色になる。
濃淡のグラジュエーションが、笑っているように見える。「山が笑う」という言葉通りである。
しかし、満開の桜を眺めながら、寂しい気分。メランコリックになる。
満開に咲き誇っている桜を見ると、西行法師の歌を思い出す。
「願わくば 花の下にて 春死なん ・・・・」
すると、「あと何回この桜を見ることが出来るのだろうか」とか、
「昨年は、あの人と桜を見たのに、今年は黄泉の国に行ってしまった」とか考えてしまう。
桜の季節が終わったら、忙しい農繁期が来るから、寂しいと鬱になっている暇はない。