「この間、広島市の水道について話をしたよね」
「ほうじゃのう」
「広島市の水は太田川(おおたがわ)から引いてきよるんじゃけど、その太田川は環境省が選んだ名水百選(昭和60年選定)に選ばれとるんじゃね」
「おぉ、よう調べたのう。広島県からはもう1ヵ所選ばれとるんじゃが、どこかわかるかの?」
「安芸郡府中町にある出合清水(であいしみず)いうて書いてあったんじゃけど、お父さん、知っとる?」
「知っとるもなにも、わしが小学4年の時、学校から地域のことを調べてきなさいと言われたときに、友達と一緒に調べに行ったのがここなんじゃ」
「どのへんにあるんかね?」
「広電バス(青バス)で、広島県庁発、広島駅経由の温品(ぬくしな)4丁目行きのバスに乗って、本町(ほんまち)4丁目のバス停で下りるんよ」
「うん」
「スパークというスーパーの手前の細い路地を入って、この看板を目印に、だいたい400メートルくらい行ったところにあるんじゃ」
出会清水の案内看板
出会清水に通じる細い路地
「ええ加減な説明じゃねぇ…」
「そうはいうても、道しるべになるもんはこれくらいしかないんじゃ」
「車で行けそうにない場所にあるんじゃね」
「このあたりの道は、わしが府中町に引っ越してきた40年前からほとんど変わっとらんよのう」
出会清水
住所/安芸郡府中町石井城1丁目2番街区
水天宮(すいてんぐう)が祀られている
「ここが出会清水じゃ」
「思うとったより、小さいね」
出合清水
芸藩通志(げいはんつうし)に古歌として
あきの国 出合の清水 鷺の森 阿弥陀がみねにいつくしま山
と詠まれている。
この出合清水は、海抜6メートルに当たり、背後に近郷最高の海抜662メートルの呉娑々宇(ごさそう)山を源に水分(みくまり)峡(出合清水の北東約1.5キロメートル)の奥から地下を通って涌きでているといわれている。
「出合清水」は、東川の泉とも呼ばれ、使用にあたっての定めができており、湧水のある岩の下は飲み水に、次ぎの囲いは米や野菜の洗い水に、最後の囲いは一般の洗濯用に使用されている。
昭和60年に、環境庁の全国名水百選に選定された。
府中町教育委員会
(案内板より)
1の囲い
「この岩の下から水が湧き出とって、飲み水に使うんじゃ」
2の囲い(中央)と3の囲い(奥)
「1の囲いは飲料水に、2の囲いで米や野菜を洗うて、3の囲いは洗濯に使う…。うまい具合に水を利用しとってんじゃね」
「ということなんじゃがの…。ここは水量が減って水質が悪うなっとるけぇ、水が飲めんようになっとるんじゃ」
「ほいじゃ、今はどうしよってん?」
広島県府中町石井城の住民が、環境省の名水百選に選ばれながら水質が悪化した地元の湧き水「出合清水(であいしみず)」の再生に乗り出す。
23日に一帯を清掃し、活動をスタート。
生活排水が流れ込んでいる場所がないかなど水質の改善策を探る調査にも取り組む。
清水は住宅地の一角にあり、町北部の水分(みくまり)峡から地下を流れて湧き出ている。
1985年、名水百選に選定された。
だが、周辺の宅地化や道路建設などの影響で水量が減り、88年以降はほぼ毎年大腸菌などを検出。
93年、町教委が「この水は飲めません」の看板を設置した。
昨年、地元のマツダ工業技術短期大学校の学生が地域研究の一環で水場の周辺を清掃。
その活動への協力をきっかけに石井城上町内会の有志10人が2月、守る会を結成した。
23日は午前10時から、ポンプで水をくみ出して水場の底の汚れを落とす。
山崎雅邦会長(72)は「名水復活の取り組みを通じて環境意識を高め、連帯感を強めたい」と話している。
(「名水百選再生へ住民が結束」中国新聞 2011年7月23日)
「で、今年の7月23日にも清掃活動に取り組まれたそうじゃ」
「名水を復活させようと活動をしよってんじゃね。湧き水というからには、ここにだけに出よるわけじゃないんじゃろ?」
「わしが知っとるのは、今出川湧水(いまでがわわきみず)くらいかの」
「今出川湧水って?」
「この湧水も出合清水と同じく水分峡から流れてきとって、神聖な水として神様にお供えしたり、生活用水として使われとったそうなんよ」
「へぇ」
「とはいうても、ここから水をくみよるところは、わしゃ見たことがないんじゃがの。出合清水から東南に300メートルくらい行ったところにあるんじゃ」
今出川湧水の祠
住所/安芸郡府中町石井城1丁目9番街区
↓名水百選については、こちら↓
環境省選定 名水百選
↓出合清水・今出川湧水については、こちら↓
ふちゅういろいろ収蔵館 メニュー画面
↓マツダ工業技術短期大学校については、こちら↓
mazda短大ホームページ
↓広島市の水道についての関連記事は、こちら↓
広島市水道資料館 広島市東区牛田新町
被爆直後も給水 広島市水道局
「今日は、安芸郡府中町にある出合清水について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」
「ほうじゃのう」
「広島市の水は太田川(おおたがわ)から引いてきよるんじゃけど、その太田川は環境省が選んだ名水百選(昭和60年選定)に選ばれとるんじゃね」
「おぉ、よう調べたのう。広島県からはもう1ヵ所選ばれとるんじゃが、どこかわかるかの?」
「安芸郡府中町にある出合清水(であいしみず)いうて書いてあったんじゃけど、お父さん、知っとる?」
「知っとるもなにも、わしが小学4年の時、学校から地域のことを調べてきなさいと言われたときに、友達と一緒に調べに行ったのがここなんじゃ」
「どのへんにあるんかね?」
「広電バス(青バス)で、広島県庁発、広島駅経由の温品(ぬくしな)4丁目行きのバスに乗って、本町(ほんまち)4丁目のバス停で下りるんよ」
「うん」
「スパークというスーパーの手前の細い路地を入って、この看板を目印に、だいたい400メートルくらい行ったところにあるんじゃ」
出会清水の案内看板
出会清水に通じる細い路地
「ええ加減な説明じゃねぇ…」
「そうはいうても、道しるべになるもんはこれくらいしかないんじゃ」
「車で行けそうにない場所にあるんじゃね」
「このあたりの道は、わしが府中町に引っ越してきた40年前からほとんど変わっとらんよのう」
出会清水
住所/安芸郡府中町石井城1丁目2番街区
水天宮(すいてんぐう)が祀られている
「ここが出会清水じゃ」
「思うとったより、小さいね」
出合清水
芸藩通志(げいはんつうし)に古歌として
あきの国 出合の清水 鷺の森 阿弥陀がみねにいつくしま山
と詠まれている。
この出合清水は、海抜6メートルに当たり、背後に近郷最高の海抜662メートルの呉娑々宇(ごさそう)山を源に水分(みくまり)峡(出合清水の北東約1.5キロメートル)の奥から地下を通って涌きでているといわれている。
「出合清水」は、東川の泉とも呼ばれ、使用にあたっての定めができており、湧水のある岩の下は飲み水に、次ぎの囲いは米や野菜の洗い水に、最後の囲いは一般の洗濯用に使用されている。
昭和60年に、環境庁の全国名水百選に選定された。
府中町教育委員会
(案内板より)
1の囲い
「この岩の下から水が湧き出とって、飲み水に使うんじゃ」
2の囲い(中央)と3の囲い(奥)
「1の囲いは飲料水に、2の囲いで米や野菜を洗うて、3の囲いは洗濯に使う…。うまい具合に水を利用しとってんじゃね」
「ということなんじゃがの…。ここは水量が減って水質が悪うなっとるけぇ、水が飲めんようになっとるんじゃ」
「ほいじゃ、今はどうしよってん?」
広島県府中町石井城の住民が、環境省の名水百選に選ばれながら水質が悪化した地元の湧き水「出合清水(であいしみず)」の再生に乗り出す。
23日に一帯を清掃し、活動をスタート。
生活排水が流れ込んでいる場所がないかなど水質の改善策を探る調査にも取り組む。
清水は住宅地の一角にあり、町北部の水分(みくまり)峡から地下を流れて湧き出ている。
1985年、名水百選に選定された。
だが、周辺の宅地化や道路建設などの影響で水量が減り、88年以降はほぼ毎年大腸菌などを検出。
93年、町教委が「この水は飲めません」の看板を設置した。
昨年、地元のマツダ工業技術短期大学校の学生が地域研究の一環で水場の周辺を清掃。
その活動への協力をきっかけに石井城上町内会の有志10人が2月、守る会を結成した。
23日は午前10時から、ポンプで水をくみ出して水場の底の汚れを落とす。
山崎雅邦会長(72)は「名水復活の取り組みを通じて環境意識を高め、連帯感を強めたい」と話している。
(「名水百選再生へ住民が結束」中国新聞 2011年7月23日)
「で、今年の7月23日にも清掃活動に取り組まれたそうじゃ」
「名水を復活させようと活動をしよってんじゃね。湧き水というからには、ここにだけに出よるわけじゃないんじゃろ?」
「わしが知っとるのは、今出川湧水(いまでがわわきみず)くらいかの」
「今出川湧水って?」
「この湧水も出合清水と同じく水分峡から流れてきとって、神聖な水として神様にお供えしたり、生活用水として使われとったそうなんよ」
「へぇ」
「とはいうても、ここから水をくみよるところは、わしゃ見たことがないんじゃがの。出合清水から東南に300メートルくらい行ったところにあるんじゃ」
今出川湧水の祠
住所/安芸郡府中町石井城1丁目9番街区
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環境省選定 名水百選
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「今日は、安芸郡府中町にある出合清水について話をさせてもらいました」
「ほいじゃあ、またの」