平和1丁目 ~牧師室より~

福岡市南区平和にあるキリスト教の平尾バプテスト教会の週報に載せている牧師の雑感

2004年3月28日 桜

2006年12月14日 21時55分47秒 | Weblog
       桜

 桜がほころび始めた。他の国へ行ったことがないから、日本の桜がどれほど美しいかは知らない。桜の季節、日本は、他の国には見られないような美しさの中にあるという。否、きっと四季折々に、日本は美しいのだろう。
 その豊かさを満喫できるのは、何という恵みであることか。戦争を体験するということもなく、とても幸せな時代に私たちの世代は生きてきた。戦後まもなくできた日本国憲法が、この国の平和を守ってきた。
 日本国憲法の前文には、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とあり、それに基づいて、憲法9条の戦争放棄、軍備及び交戦権の否認となっていると理解している。
 しかし、時代の流れは、いつしか、それらの精神をなし崩しにしてきた。待ったを言わねばならない国は、どこの国よりも早く、米国のイラク攻撃に賛成した。そして、気がつけば、日の丸をつけた軍服姿の日本人が、武器を手にして、焦土と化したイラクの国に立っていた。
 10年前、いったい誰がこのような情景を予想しただろうか。「平和を実現する人々は、幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」。私たちは、神の子と呼ばれたい。
 私の父は、特攻隊の生き残りで、酒を飲むと決まって「同期の桜」を歌っていた。父は、戦後、散っていった桜を悲しんでいた。そして、平和を願っていた。なのに、酔うと天皇陛下バンザイと言った。平和を作る思想も実践も簡単ではない。


平良 師

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