平和1丁目 ~牧師室より~

福岡市南区平和にあるキリスト教の平尾バプテスト教会の週報に載せている牧師の雑感

2008年2月17日 課題の共有作業を

2008年04月26日 18時47分18秒 | Weblog
    課題の共有作業を

 プロフェッショナルと呼ばれた職業は、もともと三つであった。医師、弁護士、聖職者。それらの人々だけが、その職業集団に加わるときに誓約(プロフェス)をしたからだそうだ。
 それは、これらの職業が極めて高い専門性を持っていると考えられていたからだという。外部からそれらの仕事の質を云々されることがなかったために、自らを律するための「誓約」が必要であった。
 しかし、近年、医療の世界では「インフォームド・コンセント」(正しく情報を与えられた上での同意)がなされるようになった。患者は、これまでのように医師の言われるままに治療を受ける存在ではなくなった。医師のやっていること、やろうとしていることを知る権利があると考えられるようになった。
 平尾教会でも、牧師の考えていることを計画総会において、「新年度の展望」という形で知らせ、課題を共有していただいている。総会において、同意が得られなければ先へは進まないことになっている。牧師が、勝手に何でもやっている、やろうとすることは、特に、民主的な教会運営を心がけているバプテストにはなじまない。
 今年もまた、その時期となり、私は、現在の平尾教会の課題やそれに対して何が必要なのかを改めて考えている。しかし、できれば、すべての教会員が、この時期平尾教会の課題を考え、これからの歩みはどうあるべきかを考えてくださるなら、総会はもっと豊かになり、共有するという作業に理解と深みが増し加わる。


平良師

2008年2月10日 イエス様のありがたさ

2008年04月21日 00時40分11秒 | Weblog
    イエス様のありがたさ

 イエス様のありがたさは、私たちが弱っているときにこそ伝わる。彼は、この世の見方では敗北者だが、信仰に与る私たちには、唯一の勝利者である。
 私たちは、最後の最後まで自分を捨てきれない。自分に固執し、自己実現に走り、自己保身に傾く。利己主義と非難されるまでには至らなくとも、遠くないところにいる。冨や名誉も捨てきれない。しかし、キリストはそれらのものに少しも執着されなかった。
 私たちは、この世において、いわゆる敗北者になるときもあれば、勝利者になるときもある。寒い冬の夜に、公園や駅周辺に野宿する人々の姿は、さながら敗北者の姿のように見える。
 かつては、会社の社長だった人がいたり、エリートサラリーマンがいたり、中には若いときから、ホームレスになった人もいる。ホームレスの本質は、家や職を喪失したというよりは、家庭、家族を喪失した人々であるということだ。致し方なく自ら家族を捨てた人もいるようだが、彼らの願いは、真に温かい家庭、家族を取り戻すことだという。
 ホームレスの人々や病気の人々のつらさ、その他に厳しい状況にある人々のことは、いくらイメージを膨らませても、やはり、その立場になってみないとわからない。
 そうした方々に共感し、優しい素直な心を少しでも示すことができたらいい。社会から放り出され、家族、家庭までも喪失した人々が、イエス様と出会って、失ったものを回復していく姿が聖書には数多く描かれている。


平良師

2008年2月3日 気になる経済から

2008年04月14日 00時59分21秒 | Weblog
    気になる経済から

 私は、経済のことはほとんどわからないが、不条理に思うことはある。それは、若い人々が、ファーストフード店や紳士服店で店長になって身を粉にして働いているが、残業しても、管理職というので残業手当もつかず、仕事の割に一般の店員たちよりも低い給与であるという実情。
 ところが、最近、こうした管理職にあった人々が起こした二つの裁判で、残業手当と慰謝料を払うようにとの判決がくだった。この裁判に力を得た人々は少なくないだろう。
 それから、ガソリン税の問題である。ガソリ税の暫定税率の期限が、もうすぐ切れるというので、その継続をめぐって与野党で激しい対立が起こっている。そのような税金があったことすら知らなかった。ガソリンの値段が高騰しているだけに、少しでも安い方がいいに決まっているが、問題は簡単ではなさそうだ。
 それから、米国のサブプライムローンの問題で、日本の大手のいくつかの銀行が、何百億もの損失を被ったということだ。また、昔は地道にこつこつと働いておれば、幸せな生活ができると考えられていたが、ワーキングプアという言葉で表される貧困層も多くなっている。
 だからだろうか、株で一攫千金を狙う若者たちが増えている。犯罪の増加もさることながら、この国は、とても住みにくくなってきた。私たちは、この世の社会でしっかりと生きながら、同時に、神の国の価値観で生きている。神様の御言葉で生きつつ、社会の矛盾にも目を閉じてはならね。


平良師

2008年1月27日 破れる寸前の科学

2008年04月06日 00時01分36秒 | Weblog
     破れる寸前の科学

 遺伝子の組み換えが可能となり、その技術は食物となって私たちの日常に入ってきている。ところが、組み換えどころか、遺伝子を合成できるようになったという。人工の新しい生命体が、次々と誕生する日も近いのだろうか。人間が、神様の創造の秩序に反した行為を始めて、どれくらいになるのだろう。
 ついに、新しい未知の生命体の誕生というところまでやってきた。まだ、いくつかの細菌を合成させるという段階だそうだが、当然、強力な化学兵器にもなると懸念されている。
 また、オンラインゲームで、ある16歳の高校生が、他人のIDを盗み出して、そのゲームに参戦し、三千万以上のお金を詐欺していたそうだ。インターネットの仮想の世界で、子どもから大人まで一生懸命にゲームに夢中になっている社会である。敵を倒して、どんどん強くなっていくプロセスを楽しんでいるという。
 そのために、いろいろな武器を買って強力になっていくのだそうだが、時間のない人々は、手軽にその武器を買おうとする。そして、仮想マネーでその売買をするが、そのときに、仲介する会社があって、これは実在しており、その会社が、ゲーム上の仮想マネーを実際のお金に換えてあげるのだそうだ。
 それで、この少年は、三日間に三千万円以上を稼いで、その一部を図書券に換えたり、交遊費に使っていたらしい。科学は、悪用するととんでもない悪魔に変身する。神を畏れぬ者は、科学に携わって欲しくないと思う。


平良師