オリーブの一粒の実-平和は成長する-
今年の春には、多くの花をつけた玄関前のオリーブの木に一粒の実がなっている。たった一粒。あれほど多くの花が咲き、今年はどれだけの実をつけるのだろうと楽しみにしていたのに、成ったのはたった一粒である。
花が咲かないことには実をつけることはないのだが、花がたくさん咲いたからといって、その分、実がなるかというと、そうでもないことがわかる。それにしても、たった一粒とは厳しい。否、一粒なったというのが実にすばらしいではないか、そう考えよう。
今日は、参議院選挙の投票日なのだが、実に、平和に対するこの国の危機的な姿を当教会のオリーブのたった一粒の実は象徴しているという見方もできるが、しかし、それよりも、平和の実が一粒でもついて、成長しつつある。そのように、これからの日本に小さな希望の光が灯った、そういう選挙結果になるだろうと、思うことにしたい。大洪水がしだいにおさまってきたあとノアが二度目に鳩を放ったときに、鳩は、オリーブの若枝をくわえて戻ってきた。それは、神様が人間に平安と祝福とをもう一度送られたしるしだった。
「わたしは生い茂るオリーブの木。神の家にとどまります。世々限りなく、神の慈しみに依り頼みます」(詩編52:10)。これからの日本がどのようになろうと、私たちが依り頼むお方は、ただ、神のみである。詩編52編11節後半「御名に望みをおきます。あなたの慈しみに生きる人に対して恵み深いあなたの御名に」。
平良 師