降誕祭のひとこま
我が家にやってくるサンタは、いつも遅れ気味だった。それで、25日の朝には、決まって扉に手紙が貼ってあり、今から思えば、貼ってあるというのが不自然だったのだが、そこには、なぜ遅れたのかの理由が書いてあった。「吹雪でトナカイがバテてしまって・・」とか、「平良家のこどもたちにあげるはずだったプレゼントだったけれど、途中にかわいそうな子どもたちがいて・・」。
それから、このようなこともあった。サンタさんは来た?と妻が聞いて、こどもたちががっかりしたように2日たったのに来ていない、と答える。私が、まさか二階の屋根裏部屋ということはないようね、と言うと、こどもたちはあわてて二階の屋根裏部屋に行って、あったア~と見つけたのだった。
また、頼んでいたプレゼントが来ない場合には、その理由も書いてあった。「サンタは、これでこどもたちが不幸になるとわかっている物は、あげられないのです。それをするのは、サンタではなくサタンです。」ところが、次男は、しつこく3年にわたりゲームを頼んだ。さすがのサンタも、根負けをして、それを届けた。
しかし、そこにもサンタの手紙があり「このゲームは30分以上すると自然と破裂することになっています」と書いてあったものだから、次男は、最初のうち、今何時と時計を気にしながらハラハラドキドキでゲームをしたのだった。降誕祭にはいろいろなドラマが生まれ、温かなものにすべて凝縮されていくようだ。
平良師