晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

大栗峠志古田道(2) 11/19

2011-11-19 | 山・峠

2011.11.19(土)雨

 大栗峠まで400mというところにお地蔵さんがあります。少し広くなっていて、たくさんの瓦や礎石が残っているのでかつては地蔵堂などの建物があったようです。「北山の峠」では、「横長の祠に地蔵さまが一体だけ祀られている、10年前には六地蔵あったのに五体はどこにいったのだろう」とあります。盗まれたとしたら心傷むことですが、一体だけ残っているのは盗人の良心ということになるのでしょうか。
 それにしても残っている礎石は広場中央に正方形となっているので、横長の祠のものではないようです。実はこの礎石の上に建物があったら人はともかく、荷車は通れなくなります。建物の下を通れるようにしてあるのかなあなどと話していたのですが、それにしてはせまいように思えます。P1000379 P1000382

一体残った地蔵さまと散乱する瓦。


 お地蔵様の後背には弘化五年申四
月日?とあります。丁度三閉伊一揆について調べていたので、この年号が1848年にあたると判りました。陸奥で大規模な一揆のあった翌年にこの地蔵さまが祀られたのだと思うと何となく感じるものがあります。
 台座には次の文字が書いてあります。
 施主村中
 梅原 ?
 同  ?
 ホドス
 岡本喜助
 世話人
 若?圓心
 上林
 シコタ
 佐掘甚
 ユケ
 川北奥?

 これ等の考察は別項(大栗峠考)で述べたいと思います。P1000380 P1000381
 
解読する井上さんと台座の文字


 地蔵さまを過ぎるとなだらかな尾根道歩きとなり、ぐんぐん稜線が近づいてきます。風が出てきて、右下の谷間に枯れ葉の乱舞が見られます。季節の変わり目という目に見えないものが、現物として見られるのは山歩きならではのことでしょうか。
 落ち葉を踏んで大栗峠に着きました。過去二回この峠を訪ねていますが、常に北側の山稜からきているので、本来の峠越しはこれが初めてなのです。やはり峠は峠道をやっつくやっつくあがってこないとその良さが判りませんし、往時の旅人の心持ちを理解することはできません。そして峠のお地蔵さんは自らの家に帰ってきたような安堵感を憶えさすものなのです。P1000385 P1000386
 
謎の三角道、右が峠道、左が弓削道につづく道
このお地蔵さんはいつもよいお顔ですね。


 風が冷たいので志古田側に少しくだったところで昼食とします。とりとめのない話をしながら休憩を終え、いよいよ志古田道の下りにかかります。わたしにとってはもっとも歩きたかった、というより確かめたかった志古田道なのです。つづく

今日のじょん:背後霊じょん。
 最近妙に食欲があり、朝夕はもちろん今まで食べなかった昼食時までねだりに来る。昼食をとっていると音もなく背後霊のように寄り添ってくるのだ。しゃーないからちこっとやってるのだが、次の体重測定が心配だぞ。P1000419

 

  

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする