晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 いま子供たちの足の裏が危ない 8/12

2021-08-12 | 雨読

2021.8.12(木)雨
 新聞の半面広告でよく見かける足の筋トレマシーンの広告に登場する先生の本で他に「足力」という本を書いておられるのだが府内の図書館に無く、古書でも高価なので本書を読むことにする。対象が子供でも大人でも言わんとすることは同じだろう。
 「いま子供たちの足の裏が危ない」阿久根英昭著 主婦の友社 府立図書館借本

 足裏を鍛えて土踏まずの形成をはかることが、健康によいという趣旨で極常識的な話であるが、実はこれらのことが世の人びとも、小さなお子さんを持つ親御さんも解っていないと言うことかもしれない。
 足裏を鍛えるには裸足で過ごすことが唯一無二の方法なんだが、一般にはなかなか難しい。ところが子供であると幼稚園や保育園では可能である。その方法と効果が詳しく書かれている。
 足裏を鍛える効果を目次で追ってみると
.運動能力が向上する
.平衡能力が向上する
.骨折、ねんざを予防する
.成人病を予防する
.姿勢がよくなり性格も明るくなった
.こころが健全になる
.脳の働きが向上する
.血液の流れがよくなる
.自律神経の調整をする
.子供の自主性が養われる
.ぜんそく、腎臓病が治った
.集中力が高まり、情緒安定、勉強にも効果
とまあ、いいことずくめなんだが、詳しい観察記録や研究者のデータなどで示され納得がいく。
子供たちについては遊び方や暮らし方で実行できるもので、その方法が具体的に書かれている。特にヘルスローラーを使った体操が写真入りで紹介してあり、実践している幼稚園の報告がある。大変効果的な物と思うが、ネットで調べても同様の商品が見つからない。自作も出来そうだが、ちょっと面倒そう。
 こういう使い方をする、青竹踏みの丸いようなもの。
 足に関する本によく登場するのが陸上短距離やラグビーの選手は扁平足でアーチの低下が多いという話題だ。本書にも登場し、扁平足は走るときの一歩一歩の衝撃が強烈なため、足裏の土踏まずのアーチがくずれたことことと、足底筋の発達によって足が変形してしまったせいであろう、と書かれている。扁平足、アーチのくずれを問題にしながら、一流選手のそれらを認めるという矛盾に疑問を感じていたのだが、先日NHKスペシャルの放送でウサイン・ボルトの足を分析したものがあった。見た目には見事な扁平足だったのだが、それは足底の筋肉の強烈な発達で、内部の骨は見事なアーチを形成しているのだ。実は予告編で見たもので、実際の放送はその部分を見過ごしたのだが、いずれアイカーブスで確認したい。
これで納得したわけだが、これまでの先生方は選手のレントゲン写真を撮られなかったのだろうか。足プリントだけで判断されたのだろうか、という疑問がわいてくる。足プリントだけで判断する愚は「人の足」水野祥太郎著で80年以上前に提唱されているところである。
 素足、裸足で過ごす。草履下駄履きのすすめ。傾斜、凸凹のところを歩く。青竹踏みなど先生の薦められている健康法がわたしの寿命延(じょんのび)ウオーキングと同様であることが嬉しい。
 足裏を鍛えることが脳の働きを高める、自律神経の働きを調整する、知能指数があがる、集中力が養われ情緒も安定するというような身体のみならず精神的な心の問題にも効果があることが言われているが、先生の宣伝推奨されるEMS(筋電気刺激)の器具で得られるものかどうか甚だ疑問である。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨読 80歳、歩いて日本縦断 8/6

2021-08-06 | 雨読

2021.8.6(金)曇り

 長い間ブログを休み、ご心配をかけた。決して健康を害していたわけではなく、考えるところがあってのことでお許し願いたい。少しずつ再開したいと思うのでまたおつきあい願いたい。
 「80歳、歩いて日本縦断」 石川文洋著 新日本出版社 2021.2.25初版 綾部市図書館借本

 京都新聞の書評でこの本を見つけ、すぐに読みたいと思ったが、2、500円の定価はちょっとつらい。市の図書館にリクエストしたら、在庫はなかったが買っていただいた様だ。70歳になって今後の人生の目標を考えたとき、80歳になったら日本一周の歩き旅に出ようという思いがあった。そんな時に本書を見つけたわけだから、何が何でも読んでみたかった。北海道の宗谷岬から沖縄の那覇まで2018年7月9日から2019年6月8日までの11ヶ月の歩き旅の記録だ。石川文洋氏は報道カメラマンで、ベトナム戦争をはじめとする戦場カメラマンとしても著名である。ところが65歳の時に日本縦断歩き旅をなされておられ、四国八十八ヶ所遍路などもなされている。いずれも岩波新書などで発行されているのでいずれ読んでみたい。
 さて80歳の歩き旅とは如何なるものかと読み進めたが、有名人でもあり多くのサポートがあることに気づいた。車で迎えに来てもらったり、宿を取ってもらったり、うらやましい反面がっかりしたりしたが、氏が2006年に心筋梗塞を患い、身体障害者手帳をもっておられることを知り、納得するとともに敬意を持つに至った。
 北海道から沖縄まで2006~2007年のわたしの自転車旅と重なる地域がいくつかありとても懐かしく感慨深いものがある。名所旧跡やミュージアムなども同様で、焼津の歴史民俗資料館の第五福龍丸や小倉の松本清張記念館など写真もあって嬉しい。氏の歩き旅が素晴らしいのは反戦と弱い者の立場に立つというポリシーに貫かれていることだ。従って訪問先も各地の米軍基地や地震や津波、水害の被災地が多く、その都度自らの主張を述べておられる。観光地を巡り、美味しいものを食べるだけの旅行記でなくて値打ちがある。そういえばわたしの自転車旅のあと大災害が起きたようだ。わたしの時は、東北の海岸沿いも熊本の街並みも倉敷の周辺も実に穏やかだった。辺野古の海だって、きれいな珊瑚礁が見えていた。(辺野古は天災ではないが、、、)(2007.2.26参照)唯一災害の痕といえば2004年の新潟中越地震の傷跡を小千谷周辺でみつけたぐらいである。(2006.8.26参照)わたしが通過したとき、山古志村からの道路が完全に開通したと聞いた。
 天災とは言っても苦しむのはその地の被災者であって、氏はカメラとペンで被災者の声を表現しておられる。歩き旅に無縁の人も是非読んで頂きたい一冊だ。
  

【今日の”のびちゃん”】NO. 56
 オープンしていた福井県の海水浴場がコロナ対策のためクローズとなってしまった。写真は6月25日の和田浜で、オープンに向けて清掃など準備をしておられた頃で、コロナもこんなにひどくなるとは思ってなかった。


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする