晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

西国三十三所徒歩巡礼二日目-3 ’23.10/13

2023-12-01 | 徒歩巡礼

西国三十三所徒歩巡礼2日目-3
2023.10.13(金)曇、晴れ  越すに越されぬ七廻八峠
 小寺に下りて栗田の街道を脇へ歩く。どのガイドブックにも七廻八峠は通行不能と書いてあったので、最初から念頭に無かった。実はわたしたちは朝、車で成相山に向かう途中で脇の山道の入り口を確認している。津田さんはトンネルの迂回路だと言っていたので国道を避け少しばかり山道を歩くものだと思っていた。
 国道を渡り、作業道に入って行く。 
 実際に歩いてみると、作業道のような道はすぐに行き止まりとなり、わずかな踏み跡が細々と続いている。地図アプリでは誰かが歩いた形跡があるので、一応なんかのルートなのだろう。だんだん国道から離れる感じで不安になってくる。やがて細々と生えていた細い竹がびっしりと生い茂り進退窮まるようになってきた。鉈は用意していないし、笠は藪漕ぎにはやっかいな障害となる。こりゃあ引き返すしかないなと諦めかけたとき、左下に林道が走っているのが見つかる。これなら国道に戻れるだろうと歩いて行くと国道を渡る橋にたどり着いた。ところが傾斜が急で国道には下りられない。ままよとばかりに林道を下っていくと、なんと最初登ってきた場所に辿りついた。キツネにつままれたような感覚で、一時間近く500mほどの山中を彷徨っていたわけだ。国道に戻り奈具の海岸沿いを歩く。海の景色は抜群だが、上り下りひっきりなしに走る車の騒音は随分ストレスだ。展望のよい休憩所で一服しているとドライブに来ただろうペアが近づいてきて、「これ道の駅で買った干物ですが、食べてください。歩いて巡礼されている方は初めて見ました。」所謂接待を受けたわけだが、何とも嬉しくて早速いただく。どんどん歩くと由良の集落が見え始め、汐汲浜の公園に着く。
 汐汲浜公園  由良側の七廻八峠入り口
一休みして右手の旧道に入る。少しして山手に「七曲八峠 山椒太夫首挽松」の看板が現れる。ここで初めて七廻八峠のことに気づく。ひょっとしたらわたしたちが敗退したところは峠の栗田側の道だったのだろうか。
 宮津での寄り道と山道でのロスタイムで由良から先は断念し、由良駅から津田さんは橋立へ、わたしは西舞鶴へと帰ることにする。適当に駅に向かって歩いていたら、電車の音がする。どっちかなと思いきや、橋立方面のようだ。駅にたどり着いたときには、もう乗降は終わり将に出発しようとしている。諦めかけたとき女性の駅長さんが電車を停めてくださり、津田さんは陸橋を走って渡り、車中の人となる。ローカル線ならではの珍事で楽しい気分になる。わたしはと言うと一時間以上の待ち時間があり、駅舎内の茶店でコーヒーを飲みながら文庫本を読んで至福の時間を過ごす。
 後日談だが、敗退した山道は七廻八峠の道ではなく少し西の何でもない道と判明した。津田さんは再度現地に赴き、地元の人に峠のことを聞いてこられ、詳しい地図も入手された。次回こそ七廻八峠と蔵王峠を越えて西舞鶴に至る楽しいコースを歩きたい。また、宮津のカソリック教会、宮津洗者若翰天主堂(みやづせんじゃよはねてんしゅどう)が重要文化財に
指定されたという嬉しいニュースが新聞に載っていた。
  天主堂とその内部 
終わり

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