2013.2.27(水)晴れ
沖縄の地名を見ていると、万葉仮名のように漢字そのものに意味が無く、よみを漢字で表しているものが多い。その地名の意味を考えるとき漢字の意味に惑わされることは無い。そういう意味で語源や由来を考えるのが簡単かというと実はそうでない。方言や訛をそのまま漢字にあてるので余計難解になってくる。前回の北をニシというから西という漢字を当てているようなものである。
珊瑚礁の島である沖縄には川は少ない。生活用水にしても農業用水にしても往古から苦労してきただろうと思う。
自転車旅行で沖縄に上陸し、中城村を訪ねたとき、大城のチブガー(チブ井泉)とイリヌカー(西井泉)を見つけた。本土でよくある名水のようなものかと思ったが、そうではなく村人にとってはなくてはならない水源であり、とても大切にされていたものである。特にイリヌカーは琉球石灰岩の中に地下水路や貯水池が掘られた本格的なカーである。
チブガーとイリヌガー、チブの意味は解らない。
カー、ガー、ジャーは井泉、つまり泉のことであるが、沖縄中に多くのカーがある。ほとんどが井と表されているが、川と表されているものも多い。
那覇市牧志の東に繁多川(はんたがわ)というところがある。こういう川があるのではなく、ハンタ(崖、茅打バンタで有名)の本に湧く泉(カー)のことであるそうだ。
それでは川のことを何というかというとカーラと言う。地図上には川と書かれているが、カーラというそうだ。川のことを◯◯ガーと呼ぶ例もあるそうで、こうなると解らなくなる。
井泉の水の出口を樋掛にしてあるのを樋川(ヒージャー)という。南城市の垣花樋川(かきのはなヒージャー)は名水百選にも選ばれている。
垣花樋川(ヒージャー)、女の川、男の川、ンマミシガー(馬浴川)併せてシチャンカー(下の川)と呼ばれている。確かに樋があるのは理解できるが、意味するところは川なのか泉なのか。(2007.3.1)
沖縄の観光ガイドには大角座(ウフカクジャー)と言うところが載っている。これはジャーでも水には関係なくて、座の訛であろう。座とはところと言うような意味で、多くのかどのあるところと解せば良いようだ。ここは6本の道が行き交っており、那覇でも渋滞のおこる交差点である。
今帰仁村(なきじんそん)の運天港の北、運天漁港の傍にクンジャーという地名がある。かつて沖の山原船からテンマ船で水汲みに来たという井泉があったという。筆者の宮城氏は汲み井の意味ではないかと書かれている。
つづく
今帰仁村運天港、この北2Km辺りに運天漁港がある。
【作業日誌 2/27】
ウッドデッキ階段作製
名刺入れペン立て作製
【晴徨雨読】156日目(2007.2.27)瀬嵩~コザ
名護に郵便物を取りに行くため県道18号線の山道を越える。トンネルがほぼ完成しているがまだ開通しておらず苦労する。今日ではもちろん開通しているだろう。ここで地図を眺めていて、本部半島の山々が壊されているのを開発のためと言っていたが、どうも石灰石の採取のようであることが解った。改めて訂正する。
帰りは329号線を走り、降りたところが辺野古である。キャンプシュワブや弾薬庫があり、その当時はヘリ基地移設の問題が起きていた。
宜野座村では後の祭りの阪神タイガースキャンプ場を訪ねる。ここの資料館ではすこぶる上等の村史を格安で販売していた。沖縄の歴史や民俗に興味ある方は全巻買われると値打ちがある。
宜野座は古い村である、役場の前にも大きな門中墓(ムンチュバカ)がある。
【今日のじょん】:おかーが蕗味噌に凝って今年も連日こしらえている。ところが山側のところでは育ちが悪く、小さいまま花が咲いてしまう。散歩時に探すのだが、ここが一番、了解をもらって戴いている。