晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

ダリ版画展に行く

2016-08-30 | 文化に触れよう

2016.8.30(火)晴れ

 7月26日のダリ展(京都市美術館)に続いて文化博物館のダリ版画展に行く。四条から三条までの東洞院通りは30数年前中京郵便局に通った懐かしい道である。しかし懐かしさよりよそよそしさを感じるのは何なのだろう。外与さんとか御射山公園とか区役所(改装工事中のようだが)とか六角の自転車屋さんとか昔のままで残っているのだけど、その他は妙におしゃれでよそよそしい建物に変わってしまった。中京郵便局は改築したてのところで仕事していたので、新しいイメージが残っているのだが、さすがに40年近く経っていれば、外装だけでなく内装までレトロな感じが漂ってきた。

六角の自転車屋さん、中京郵便局、文化博物館
 さて肝心のダリ版画展だがダンテの「神曲」挿絵の版画100点の他に120点あまりの版画やブロンズ作品など実に充実した展示である。
ダリの作品のモチーフに引き出しや螺旋があり、ニュートンやアインシュタインなどの理化学的な分野にも傾倒していることが判る。有名な柔らかい時計などは明らかに相対性理論の影響だろう。しかし最も多く使われているだろうあのY字形のつっかえ棒だけは一体何を意味するのかわからなかった。いろんな物を支えているだけでなく人体の手足や頭部などを支えてもいる。

 実はあれは松葉杖だったのだ。少年期に物置の隅に見つけた松葉杖に惹かれたというふうに書かれていた。何と妙なものに惹かれたものだ。それが死と再生の象徴とも書かれている。なんで松葉杖が死と再生の象徴なのかわたしには分からない。しかしそれは性的不能を表すというのは理解できる。性的不能な男性器を支えているのだ。ダリが性的不能であったかどうかは知らない。だけど性欲はありながら不能であるというパラドックスをあの奇妙な形のつっかえ棒が表しているとすればそれはよく理解できるのである。
 「毛皮を着たヴィーナス」はもちろんであるが、他の作品にも性的倒錯の匂いを感じるのはわたしだけだろうか。

 

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楽しい腰痛(65) 8/29

2016-08-29 | 健康

2016.8.29(月)雨
 それ以前の腰痛なら全快に要する期間は約一週間で今回と同様なんだが、内容がまるで違う。今回は30分歩を毎日続けていること、当初2日の数時間の安静を除いてはすべて日常どおりの生活をしていること。過激な運動や作業はひかえているが、水泳や自転車なども怖がらずにやっていること。そしてなにより違うのは精神状態で、従前は「この痛みはいつまで続くのだろう、どうすれば治るのだろう」と不安だらけ。今回は「必ず治る、早く治ることを目標に楽しんでいる」という気持でいた。特にどういうわけか腰痛の時はストレスの溜まる問題が発生するのだが、歩く際の笑顔と深呼吸でストレスが解消できるのである。
 これは認知療法が的確になされ、効果が出てきているということだ。性格は変わらない、だけど考え方と行動は変えることができる。これがじょんのびメソッドにおける認知行動療法である。腰痛は繰り返される、でも腰痛なんて怖くない。つぎは三日で治してやろうとか希望がわいてくる、早く次の腰痛が来ないかなあと心待ちするようになる。これぞ「楽しい腰痛」の神髄である。
 日誌には書いてないのだけど、この間3回ほど風呂上がりにせんねん灸をした。それが治療効果があるとは思わないのだけど、気持ちいいことは確かだ。それが治ってしまうと肩に灸をしてることに気付く。この春座骨神経痛が無くなったときもそうだ、肩こりが起こるのである。
 肩の痛みに神経が行ってなかったということだろうか。このことを含めて今回の腰痛については、発症は筋肉の拘縮と思われるが、長引かなかった事については、脳の作用、精神的な作用というものがあると思われる。

【今日のじょん】今度はサリーちゃんが来じょん、こちらはお別れではないですぞ。それでも推定13才とか言われてたので年増には違いないのだけど、じょんは年増が好きなのよね。

 

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楽しい腰痛(64) 8/28

2016-08-28 | 健康

2016.8.28(日)曇り 腰痛再発始末記 楽しい腰痛(63)は2016.8.17

 8月17日朝、じょんのびメソッド実施後初めての腰痛が再発した。
辛度③の腰痛で、従来なら1週間程度で回復するものである。じょんのびメソッドを続けている効果の有無が問われる場面だ。目標を3日で全快としたのだが、さて結果はどうなっただろう?
17日 30分歩の後夕方まで安静 痛み同様、テーピング代わりに湿布を使用。
18日 ラジオ体操、30分歩、温泉入浴、肩のインナーマッスル
    痛み同様、降車時痛みあり、これだけ体操(腰そらし)時痛みあり。
19日 新たなストレス2件発生、これだけ体操、降車時痛みあり
    30分歩、水泳1,500m(34分)サウナ入浴
    肩インナーマッスル、目標日全快ならず
20日 これだけ体操時痛み無くなるも立ち上がり時、降車時痛みあり
    ストレス大になるので笑顔を作って歩く、30分歩。笑顔を作ると精神的に楽になる。 
21日 降車時、立ち上がり時左腰痛みあり。
    ラジオ体操、30分歩
22日 立ち上がり時痛みあるも降車時は無い。希望わく。30分歩
23日 降車時、立ち上がり時痛みなし、全快(七日目)
    ラジオ体操、BIKE25Km、温泉入浴、肩インナーマッスル
 結局全快まで一週間を要したのだけれど、じょんのびメソッドの効果は有りや無しや?効果ありである。昨年この程度の腰痛が起こって半年以上続くこととなった。それが一週間で全快したのだから画期的と言えるのだが、それ以前の腰痛と比べてもまるで違っている。
 つづく
【今日のじょん】先日モモちゃんが最後のお別れと言いつつ来じょんした。最後がもう三回続いているが、、。まあ18才だからやむを得ないところだが、艶といい毛並みといい、あと数年は生きるんじゃないの?

おむつが痛々しくなくて、かわいい。

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大津絵を描く 8/26

2016-08-26 | 文化に触れよう

2016.8.26(金)曇り、雨

 鬼の交流博物館で「大津絵と鬼」という特別展と「大津絵で鬼を描こう!」という体験教室が開催された。和知のそば屋さんで初めて見たときからその魅力にあこがれていたし、それが自分で描けるとなるとこれほど嬉しい催しはない。すぐに電話で予約して、實寛さんと出かける。最初に高橋松山先生などの大津絵をたっぷりと見る。この魅力はいったい何なのだろう?大津絵と言えば鬼の絵が有名なのだが、元々は鬼の絵は無かったそうだ。最も親しまれているのは鬼の寒念仏なんだが、鬼と僧装という相反する題材の中に皮肉や風刺といったわたしの大好きなモチーフがある。あのユーモラスな鬼の表情の中に人間の悲しさとかやるせなさを感じてしまう。そう鬼は元々人間なんだよね。あの鬼は人間でもあり、僧でもあるんじゃないか。

先生の見本
 とにかく緊張の体験が始まる、先生の見本に従って自分の紙に書いていく。その紙が和紙であって失敗は許されない。まねながら色をつけていき、後から輪郭を描く。大津絵は元々街道筋で旅人のお土産に即興で描いていたものだから、複雑な工程はない。旅人が待っている間にさっさっさと書き上げるものなのだ。初めての体験だからそうはいかない、見本を見ながらじっくりと描いていくから生きた線が出ない。逆に慣れれば良い線が出そうだ。

こういうふうになるわけ
 二時間ほどで書き上げた鬼の寒念仏はまづまづ、他の人のも見るがみんな個性が出ていて楽しい。数年前大津の本屋さんで幾点かの大津絵が売りに出ていた。何十年か修行を積んだ人が描かれたものと言うことで、値段も数千円で購入しようかと思ったのだが、どうも気に入らない。きれいに描かれているのだが、力強さというか個性がない、大津絵は決まった題材の絵なので脱個性という傾向もあるのかもしれないが、購入するには至らなかった。今日のみんなの絵を見ていたら、同じ絵を描いているのだが、本当に個性が現れて魅力的だ。

じっかんさんと小川さんの鬼
 落款と文を入れて店に飾っておこう。そしてもう少し自分なりに勉強してみようという気になった。

 

 

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続・やばいぜPC  8/22

2016-08-22 | 日記・エッセイ・コラム

2016.8.22(月)曇り

 昨日記事を書き終えて、気持ちよくネットしていたらまたしてもフリーズしてしまった。周辺機器のHDが壊れてPC本体がどうにかなるわけないもんね。それによく見るとHDとPCは接続されていなかったのだ。がっかりした反面HDを接続すると正常に機能した。8年分のデータが無事であったことはうれしいのだが、PCは振り出しに戻ったわけだ。全く塞翁が馬状態なんだがやはりPCは修理見積もりをして、高ければ買い換えることとした。そんなわけで晴徨雨読も途切れ途切れになるかもしれないがご理解いただきたい。

【今日のじょん】
先日シャンプーの時サン君に会いに行く。
 
凜々しくなった感があるが恐がりなんだって。

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やばいぜPC 8/21

2016-08-21 | 日記・エッセイ・コラム

2016.8.21(日)晴れ

 ブログ投稿が不規則になっているのはPCが超具合悪いためだ。5月に致命的なダメージを宣告されて、完全リカバリー、3年分のデータを失った。設定やらなんやらやりなおして少しの間は稼働したが、やがて不調に襲われる。とにかく一時間も使用したらフリーズしてどうしようもない。強制終了して再度立ち上げると、自動修復となりPC診断やスキャンを一時間ほど繰り返し、結局修復不能となり、またしても強制終了。立ち上げるとなんとか起動するがやがてフリーズ、この繰り返しである。たまりかねてショップに相談すると、保証期間が3年とのこと。3年を過ぎたあたりからヘンになってきたのだ。修理見積もりは2,700円と言うことだったが、ディスクなどに異常があれば数万円の修理代がかかるそうだ。せめて5年使っていればスンナリ買い換えるのだが、3年ではつらい。
 PCといえば初回がエプソン、次が電気屋の自作PC、メビウス、レッツノート、そして現機種バァリュースターなんだが、メビウスだけは1年も使わない最悪機種だったなあ。レッツノートが最高価格商品だったが一年間の自転車旅行をともにするなど8年ほど使用、現在もワープロ代わりに使っているのだがこれは納得の機種だった。このレッツノートに五年間保証を入っていたのだが一度も使わず、今回3年保証が切れた時点でトラブルという悲惨な状況となった。
 保証と言えばパナソニックのデジカメに5年保証をつけたのだが、実に現在3度目の修理に取りかかっている。4年と10ヶ月目である。前回レンズごとそっくり取り替え、今回も同様の処置のようだ。これだけ故障する機種もつらいが、5年保証をこれだけ使ったのも珍しい。
 問題は修理期間だ、1ヶ月はかかりそうでやむなく新機種を買ってしまった。5年保証もこの秋で終わるからと買い換えたのだが、そうなると次は故障しないかもしれない。
 さてPCなんだが、諦めて修理に出すことを決め、バックアップのために接続している古いハードディスクのスイッチを入れる。ところがパイロットランプが瞬間点滅して動かない。勘弁してくれよ、カメラ、PC、HDまで故障かよ~HDには8年分のデータが入ってんだよ。
 なんか奈落の底に突き落とされたような気がしたのだが、そのHDをPCから外したとたんにPCがサクサク動き出したのだ。そんな事ってあるんだろうか。もしそうなんだったら、塞翁が馬でラッキーなこととなる。とりあえずそんなことでこうしてブログ書いてるのだが、、、。

【今日のじょん】楽しかったオリンピックもいよいよ終わりに近づいた。

じょんじょん決勝、じょん決勝と楽しませていただいた。

 

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楽しい腰痛(63) 8/17

2016-08-17 | 健康

2016.8.17(水)曇り

 ついに待ちに待った本格的な腰痛が起こった。朝8:30、じょんの足が調子悪く歩かないので夜来の雨で膨れあがったイシクラゲを火箸で集めていた最中である。ズキンと左腰に痛みが走る。
 じょんのびメソッドをしていても腰痛は再発すると言うことを言い続けていたのだが、果たしてその通りになって喜ぶべきか悲しむべきか。じょんのびメソッドの真骨頂は、この再発した腰痛をいかに短時間に処理するかと言うことである。逆にずるずると慢性化するようであれば、じょんのびメソッドは崩壊、振り出しに戻るわけである。
 この再発した腰痛の原因の分析と現状の記録をすることとする。
 直接的な原因は中腰の継続的な動作をしたことである。またその際に動かないじょんにイライラしたことも影響ありか。
 間接的には母の葬儀、その後のこと、パソコンの不調、草刈りなど周辺の整備の遅れなどストレスが相当たまっていたことが考えられる。
 痛みの程度だが、従来は自分の経験した痛みのMaxを10として数値で表していたのだが、これでは他の人には理解ができない。万人が理解できるように地震の震度に習って腰痛辛度(しんどいもかけてなかなかしゃれた表現だと思う)
辛度0 痛みゼロ、正常な状態
辛度1 腰に違和感を感じるもので、痛みというほどでない。今後辛度0になるか、2以上になるかの分かれ目というところ。
辛度3 腰に痛みが走るが、日常生活に支障を来すほどでもない。思いものを持ったり、腰を使う運動は無理。運転や座り仕事はつらい。
辛度5 ぎっくり腰の範疇で何とか歩けるが痛みは激しい。日常生活、仕事は困難。1,2日は安静が必要。
              快方に向かうときは一週間程度で治るが、慢性化する場合もある。
辛度7 ぎっくり腰の強烈なもので、その場で歩くことも立つこともできない。這って床につくのが精一杯で、1,2日安静、一週間静養、完全回復まで一ヶ月を要する。

 その中間やそれ以上というのもあるだろうが、これは急性の腰痛と考えるべきだろう。慢性の場合は痛みの他しびれや麻痺が出てくるし、それらの度合いも個人的に格差があるので数値化するのは難しいと思う。
 さて今回の痛み、辛度3であり、痛みは左腰から臀部上部でしびれはなし。本来なら一週間程度で治癒するものだが、目標を三日間とする。治療方法は連日30分歩をすること、それ以外は初日安静とするがそれ以降は日常的に生活すると言うものである。

 

 

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都を生み出した活断層 8/14

2016-08-14 | 文化に触れよう

2016.8.14(日)晴れ

 総長のカレーで有名な元京都大学総長、現京都造形芸術大学学長の尾池和夫氏の講演を聴きに行く。府立図書館が連続講座として開催している講座の一環で参加費等は無料だが先着80名の限定なのでなんとも不安。というわけで10時半には府立図書館に行って受付場所など確認に行く。12時に整理券配布ということなので、11時半頃に覗いてみるが誰も並んでいない。図書館地下で本でも見ながら時間をつぶし、45分頃に受付に行ってみると長蛇の列ができている。80人には間に合うかと思い並んでいると、「やあ」と言う声がして桜井さんのご主人が少し前に並んでおられた。近所にお住まいとはいえ、なかなかの文化人だと感心する。貴重な整理券を入手し、また地下一階で本を読んで時間をつぶす。講演は1時半からで、問い合わせがあまりに多いので入場を110名にしたそうだ。とにかく満員の盛況である。

府立図書館では無料の連続講座が行われている。
 尾池先生と言えば言わずと知れた地震学のオーソリティで、地震に関する研究や著書で有名である。もちろん一般向けの講演なので実に様々なことを聞かせていただいたが、印象としては柔軟でユニークな発想をされているということだ。タイトルの「都を生み出した活断層」というのも、活断層があってこそ肥沃な土壌の堆積が有りそこに湧き出す清水や、街道ができ人々が住み始めるという活断層が文化を生み出すという発想なのである。わたし自身も訳あって「日本の活断層」という高価な本を購入し活断層の研究を始めているのだが、活断層のあるところには河川があり、道が発達し、人々の生活があるのである。あのシルクロードも活断層の上にあると先生はおっしゃっていた。今年4月に起こった熊本地震についても、3年前に日奈久断層の動く確率16%と予測されていたそうである。熊本は地震の起きない地域だという思いが国民の間にあったそうだが、先生は決してそうではないと考えておられた。そしてこれからの地震は西日本が多くなり、2038年南海トラフ大地震が起こるぞと警鐘を鳴らしておられる。
 原発問題や温暖化問題、エネルギー問題などについてもユニークだが説得力のある説を持っておられる。特に温暖化問題についてはわたしも同じ思いで、大変うれしい。内容についてはこれまでに述べてきたことなのでここでは書かないこととする。
 先生は俳句が趣味で著書も出しておられる。実は松尾芭蕉や与謝蕪村なども地震には遭ってるはずなのだが、地震についての俳句はほとんど無いといわれている。先生は職業柄地震や原発事故の俳句を詠んでおられいくつか紹介いただいた。福島原発の現場ではカメラや筆記具など記録するものが持ち込めないので俳句でその様子を残したと言われた。なるほどより鮮明に後生に残るかもしれない。あだ名はナマズだそうだがその絵とサインの入った短冊をお土産にいただいた。
 広辞苑 ただめくりをる 夜長かな

講座が終わったらすごい夕立となり、予定していたダリ版画展に行けなくなった。 

 
 

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雨読 愛知の地名 8/13(土)

2016-08-13 | 文化に触れよう

2016.8.13(土)晴れ 
 引地地名を追って6年余り、全国の中で引地が最も多いのは愛知県だと思われる。しかもそのすべてが豊田市に集中している。何かヒントが得られないか購入して読んでみたのがこの本である。結果から言うと本書からはそのヒントは得られなかった。引地という地名について一言も載っていなかった。実はわたしは目星を付けているのだが、中根氏には興味が無いかまるで見当が付かない地名なのだろう。
 「愛知の地名」海進・災害地名から金属地名まで 中根洋治著 風媒社 2012年4月 第1刷発行 古書

 著者の中根氏は土木関係の技術者で県の道路・橋梁・河川事業に携わるとある。地名に関する本の中で理系の著者によって書かれたものは特に尊重している。最も現場に近く、現場を直視して書かれているからだ。文献や資料から判断されるものより臨場感がある。中根氏は岡崎市の生まれで、現在も住まわれているという、岡崎市は豊田市の隣である。
 災害地名、川地名、道地名、金属地名という風に12章にわたって書かれているのだが、海進と地名、巨石信仰地名、縄文時代からの地名などユニークな分野の地名が登場してくる。
 豊田市周辺には独特な地名がある。足助(あすけ)、酒呑(さちのみ)、猿投(さなげ)、蔵連(ぞれ)、矢作(やはぎ)など。こういった地名のいわれはどうか、どういった意味なのか興味は尽きない。
 著者の職業と経験を活かして災害地名や地形地名について書かれている部分もあるのだが、他の文献や辞書によるものも多く、残念な部分もある。まえがきの中に「地名のいわれの中で、色々な説のある場合、筆者がこれだと思う内容を一つに絞らせて頂きました」とある。このことは地名というものの特徴からいって得策ではないと感じるのである。

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1世紀を生ききる 8/9

2016-08-09 | 日記・エッセイ・コラム

2016.8.9(火)晴れ

 「一世紀を生きる」(2015.7.2)という百才を迎えたわたしの母の記事を書いた。その母が8月6日に永眠した。昨日火葬にふして小さな骨のかけらとなってしまった。百才の時は元気な様子だったが、その後骨折したりして弱っていたようだ。生前2回見舞いに行ったのだが、早く楽にさせてあげたいというのが実感だった。

10年前に百才を目指して書いてあげた書、施設での100才の記念写真、総理大臣から贈られたという銀杯
 大正4年(1915年)の生まれと言えば、人生の1/3は戦争の影を落とし、封建的な地方の農家で重労働と貧困に耐えた半生だった。父が亡くなってからもわたしが大学を出るまで一人で支えてくれた。京都に出て70才まで働いていたと思うが、その頃の母が一番輝いていたというのは姉の言である。
 母は論理的に物事を考えるタイプで実に聡明な努力家であった。80才頃でも新聞は隅から隅まで全部読んで、世界中のことを知っていた。発明家の娘で、工夫するということが得意だった。わたしが中学の頃だろうか、養鶏をするというので、物置を改造して鶏小屋を作った。百羽近くを飼育する大きなものである。材料はあり合わせの板といくらでもある竹である。金網だけは購入したと思うが、道具も資材も乏しい中でよく頑張った。糞がたまれば引き出し状になった床を取り出せるようになっており、粗末ではあるが実に合理的な鶏舎だった。水道もそうである、以前は風呂も台所も井戸からバケツでくみ上げていた。山から本格的にパイプを引く家やモーターで井戸水をくみ上げる家もあったが、我が家はそんな余裕はなかった。母は家の裏の斜面に水がしみ出てることに着目し、大きな穴を掘って水をため、そこからホースで水を引くことにした。購入したのはホースと蛇口だけである。「北の国から」の中に山から水道を引くシーンがある。そのときの家族の喜びようが痛いほどわかった。
 苦労を重ねて1世紀を生き抜いてきた母にわたしはいったい何をしてあげただろうかと一人になれば悔しい涙が出てしまう。
あの世ではゆっくりしなよ、何度も呼びかけた 合掌



 

 

 

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雨読 地震考古学 8/6

2016-08-06 | 雨読

2016.8.6(土)晴れ 猛暑
 考古遺跡から発見される地割れ、地滑り、液状化跡などの地震の痕跡はその地震の発生年代を確定できる。さらに地震の記録を史料に求めれば同一地帯の地震の間隔が予想できる。こういったことが地震の予知に活かされるのがこの学問の目的であろう。地震学と考古学という違った分野の学問を結合し新たな学問とされたのが著者の寒川旭氏である。
 地震考古学 寒川 旭著 中公新書1992年発行 古書

地震考古学と地震の日本史は寒川旭氏の姉妹本
 発掘される古墳が微妙に食い違っていたり、掘り進めた遺跡の土壁に見事に現れる液状化跡のラインや噴砂跡などこれほど面白い現象はない。遺跡の柱跡や生活痕なども想像をかきたてるものだが、地震跡はそれ以上に生々しいものを感じる。そしてそれらが地層のどの部分にあるかで年代が予想できるのだ。文献だけでは心許なかった歴史上の地震が次々と科学的に明らかにされていく。
 何度も大地震を繰り返している、東南海地震も各地の遺跡に残された液状化跡の砂脈からその時期が確定されている。同じ液状化層から時代をまたいで何度も液状化が起こっているのは興味深い。
 古墳の変形や切断も地震の仕業である。古墳の造成年代から地震の起きた年代が予測できる。古文書と地震跡(地割れや山崩れなど)との関係も文書に書かれた記事の実証という関係となる。
 文書が数多く残る秀吉の時代の大地震も遺跡に残る砂脈などからその地震の解析が行われている。
 わたしが最も面白いと感じたのは「古屋敷の謎」という記事で、塩原街道沿いの関谷宿に関するものである。もともと古屋敷に宿があったという言い伝えがあり、生活に適していない関谷になぜ移転したかということである。その裏に関谷活断層系の大地震、日光地震が関係しているのである。地震割という地名と断層崖がその謎を解くのだが、古屋敷とは移転後に付けられた地名だと思われるのだが、古(ふる)とは古いという意味ではなく震(ふる)の意味ではないかとも思うのだが、どうだろうか。屋敷とは建物ではなくその場所を表す言葉である。
 ともかく、地方の小さな歴史に地震の痕跡が主人公として現れるのは痛快である。

【今日のじょん】川合のワンコ
 6月に紹介したことぶきちゃん、ずいぶん成長して子犬らしさが消えてきた。最初うれしそうに寄ってきたのだが、カメラを構えると恥ずかしがって隠れてしまった。

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治験者求む 8/5

2016-08-04 | 健康

2016.8.5(金)晴れ

 30余年も苦しんで、ここにきてようやく治してみようと言う気になった腰痛。多くの人が腰痛に悩んでいても、何とかしようとは思わないのだ。今わたしは腰痛に悩む人々に教えてあげたい、自分で治す方法があるのですよと。「僕はこの方法で治しました、やってみませんか?」と幾人かの人に声をかけましたが、なんとも無反応。繰り返す腰痛を抱えていても、今現実に痛くなければ何とかしようという気にもならないのだろうか。怪しげなおじさんの言うことなんぞ聞いたらえらい目に遭うぞと思っているのだろうか。今痛くなくても、やがて再発を繰り返し、ついには慢性の腰痛症になるのは見えている、そのリスクを考えれば今何らかの手を打つのが最良の選択だと思うのだが、、。 わたしは医者でもなければ理学療養師でも鍼灸師でもない、でも一緒に考え、一緒に悩み、アドバイスすることができる。じょんのびメソッドを教えることもできるが、人によってはこういう医者にかかりなさいとアドバイスすることもあろう。
 年に数回腰痛を繰り返す人、慢性腰痛になってしまった人、医療機関にかかっても一向に改善しない人、じょんのびにお越しくだされ。
【今日のじょん】川合のワンコ

名前は知らないんだけど片山さんちのコーギー、最初はワンワン吠えていたけど最近はスンとも言わずに尻尾振っている。賢いワンコだぜ。

 

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楽しい腰痛(62) 8/4

2016-08-04 | 健康

2016.8.4(木)晴れ

 じょんのびメソッド応用編 腰痛は繰り返される(2)
日記から
7月30日(土)
 起床時痛み残る、0.5
 筋ポンプ、セロトニン、筋肉緩めを意識して30分歩く。途中痛みがあったり、なかったり。終わっても0.5.
7月31日(日)
 本日も意識して30分歩く、ほぼ痛みは感じなくなった。これで出なかったら三日間で解消と言うこと。

 8月1日か3日まで水道検針のためMTBに乗る。実は2月、4月の検針時自転車に乗るのもつらいほど痛みがあった。湿布と鎮痛剤を利用していたくらいだ。今回も腰痛病み上がりだから心配していたのだが、果たして何事もなく終了した。つまり今回の腰痛は三日間で解消したことになる。このことは大きな自信になった、腰痛が繰り返されても数日で治せるという自信である。
 わたしにとって本当にうれしいのは、わたしの考えたとおり予想したとおりの結果になったことである。「楽しい腰痛」とタイトル付けた思惑通りに事が運んだことである。
 わたしの思惑とは、筋肉の拘縮が腰痛の原因である限り腰痛は必ず再発すると言うことと再発の可能性を下げることができること、再発しても自分の力で治すことができるということである。これこそがじょんのびメソッドの真骨頂であるし、腰痛を楽しめる原点である。

【今日のじょん】川合のワン
川合のワンに出合うこと6回目、賢いワンは慣れてきて尻尾振って寄ってくるし、馬鹿なワンはいつまでも吠えている。せーいっちゃんとこのトラは賢くて、「暑いから日陰にはいっときな」と言うとハイとばかりに日陰に入るのだ。

これはバイバイと言ってるところ。

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