或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

北都物語

2007-05-06 07:45:34 | 010 書籍
LPレコードを探しているとラックの奥に古いEPレコード群を発見。その中で特に懐かしかったのが、真木悠子が歌った「めぐりあい」(1975年)[YouTube]。まず知らないだろうなあ。当時放映されたTVドラマ「北都物語」の主題歌。主演が二谷英明で相手役のヒロイン絵梨子が金沢碧。作曲は坂田晃一。センチな音楽を創らせたら天下一品で、日本版フランシス・レイとでも言っておきましょう。

調べると、ビリーバンバンの「さよならをするために」、西田敏行の「もしもピアノが弾けたなら」、そしてなんとあの杉田かおるの「鳥の詩」も彼の曲。それと連続テレビ小説「おしん」の音楽も彼が担当していた。音楽的に言うと、これでもかというサブドミモーションが得意でしたね。

それで判ったのが、原作が渡辺淳一の同名小説だったということ。早速ブックオフで文庫本を買って読みました。というのも主題曲だけ聞いてドラマは見ていなかったから。小説の舞台は札幌。商社の支店長として赴任してきた初老の主人公が、スナックでアルバイトをしている女子大生にのめりこんでいくというストーリー。さすがに古さを感じさせるけど、男と女に時代はないから十分に通用する。

読み終えて改めて思ったのは、曲と小説がマッチしていること。不倫だけど純愛というシチュエーションにせつないメロディーと詞がピッタリ。聴いていると自分が主人公になったような気持ちになるから不思議。札幌の思い出は、ラーメン横丁と雪祭りぐらいで色気がないからよけいに。雪祭りなんて、憶えているのは大雪の中を買ったばかりのビデオレコーダーで撮りまくったことぐらい。

ところで、渡辺淳一の話だけど、最近よくTVに出ていますね。正直な話やめて欲しい。なんか作品の雰囲気と全然違って、その辺によくいる田舎の頑固オヤジって感じだから。ニヒルで色気が香る作品のイメージを壊さないで欲しいなあ。

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