或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

ピカソ(12)[楽園主義]

2006-01-25 06:18:00 | 300 絵画
今日がピカソの最終回。晩年の後編。1952年にジャクリーヌ・ロックと知り合い、1953年にはフランソワーズ・ジローと二人の子供と別離。そして1961年にはジャクリーヌと結婚。正式な結婚としてはオルガに続いて2度目。南仏の楽園で悠々と生活を楽しんだ後、1973年にニース近郊のムージャンで死去。享年91歳。まさに大往生ですね。

1968年には有名な「エロチカシリーズ」と呼ばれる347点の膨大な連作版画を204日間で制作。年老いても凄いバイタリティ。それも男と女のあやしい世界。86歳にもなって。(笑)

この時代の作品を見ていて気づいたのは、亡くなる数年前ぐらいからは人物画、人物像、とにかく人間を被写体とした作品が多くなっていること。なんか最後はとりつかれたように描いてます。彼の中の人間に対する思いが大きくなっていたんでしょうね。

代表作として下の写真の、フランスの国立近代美術館にある「デミジョンのある風景(Nature morte ala dame-jeanne)」(1959年)と、ピカソエステート保有の「アトリエ(L'atelier)」(1960年)。そして私のお気に入りは上の写真のバルセロナのピカソ美術館にある「ピアノ(Le piano)」(1957年)。これは作品の出来映えというよりも、私との“ピアノ”つながり、そして彼の原点であるバルセロナにこの作品がある、ということで、特別に惹かれてしまいました。

振り返れば今回のシリーズは、女性の話や関連した作品をあえて避け、油彩画に集中した形でなんと12回。第1回が4月ですから1年弱。長かったなあ。若い頃の記事が懐かしい。それにしても画風が多彩。女性も多彩。凄すぎます。男としてはホント羨ましい限り。(笑)

またいつか“ピカソと女”シリーズを紹介するつもりなので期待しておいて下さいね。

全絵画写真引用元:「ON-LINE PICASSO PROJECT」(http://csdll.cs.tamu.edu:8080/picasso/)

「デミジョンのある風景」
(1959年)
「アトリエ」
(1960年)