『藤子・F・不二雄大全集』ついに刊行開始!

 昨日、ついに待ちに待っていた『藤子・F・不二雄大全集』第1回配本が発売された。
 もちろん、仕事帰りに予約していた書店に寄って、即日購入した。つまり、仕事が終わるまではおあずけだった訳で、昨日は本当に一日が長かった。誰かがこっそり「時間ナガナガ光線」を使ったのではないかと思うくらいだった。
 それだけに、実物を手にとった時は、「おお。この感げき!」と、しずちゃんの足を得たドラえもんのごとく走り出したい気分になってしまった。


 当然のように、昨日のうちにこの感激をブログに書いておこうと思ったのだが、想定外の事態が発生した。
 PCの電源を入れても、画面が映らないのだ。最初はPC本体の故障かと思ったが、音などで判断する限りでは本体はまともに動作している。モニタの方がいかれたのだった。昨日の朝までは何事もなく動作していただけに、全くの想定外だ。野比家のテレビのように普段から調子が悪かったのなら納得も出来るのだが。
 仕方がないので、今日は急いで大須まで行き、新しいモニタを買ってきた。まあ、前のモニタは5年以上使っており、そろそろもっと大きな画面に変えたいと思っていたので、ちょうどいいタイミングだったのかも知れない。ついでに、増設用のHDDも買ってきてしまった。とうとう1TBだ。昔は、100GBで大容量だと思っていたのに、もうテラの単位まで行ってしまうとは。それでも、動画は容量を食うから、この1TBもいつまで保つ事やら。
 そんなわけで、ようやくまともにPCを使えるようになって、いまこれを書いている。画面がワイドになって、気分がいい。思わぬ出費にはなってしまったが。今更ながら、F全集を一括払いにしなくてよかった。



 さて、記念すべき『藤子・F・不二雄大全集』第1回刊行は、『ドラえもん』『オバケのQ太郎』『パーマン』の、各第1巻。





 まずは、気になるところを中心に一通り目を通してみたが、想像していた以上に気合いの入った出来に満足だ。本編は白黒だが巻頭にカラー口絵の特集があるし、巻末には特別資料室が設けられている。これは事前の情報になかったものだが、F先生の手によるイラストが添えられた雑誌記事などが紹介されており、本編同様にF作品として楽しめるので、良い企画だ。初出情報で、単行本収録時の描き足しの有無が分かるのもありがたい。今後は、描き足しありの話の初出版を求めに図書館に行く事になるだろう。
 また、解説の人選も鴻上尚史、鈴木伸一、三輪勝恵と「わかっている」人を起用していて評価できる。今回の解説では、個人的には三輪さんの書かれたアニメ版『パーマン』の思い出が一番興味深く読めた。
 さらに、何気なくパラパラとページをめくっていたら、月報が出てきて驚いた。これは作品解説の一翼を担っているし、何よりいかにも「全集」という感じがするのがいい。本体とは別に差し込まれているから、なくさないように注意しなければ。


 肝心の作品本編だが、正直なところ、興奮してまだ落ち着いて読める精神状態ではない。それでもある程度は読んだので、思いつくままに感想を書いておこう。
 まず、一番気になっていた『パーマン』のセリフ問題だが、「時速91キロ」「スーパーマン」は復活したものの、「脳細胞破壊銃」は「細胞変換銃」のままと中途半端な決着になり、残念だ。「パーマン誕生」の「おじさんは精神病院から脱走してきたんだね」や、「はじめましてパー子です」の「クルクルパーマン」も復活せず。
 これが非常にデリケートな問題なのは百も承知だが、スーパーマンを復活させたのだからこちらも何とかして欲しかった。「くるわせ屋」でも「クルクルパーマン」と言っているのだが、これは大丈夫なのだろうか。ちょっと心配だ。とりあえず、脳細胞破壊銃を含めた旧設定が読めるてんコミ旧装丁版は今後も手放せない。特に「パーマン全員集合!!」は旧セリフの方がしっくりくる。
 その一方、「砂漠のジン魔神」が初出の形で収録されているのは評価できる。FFランドではカットされた「だましてごめんね」の藤子両先生の絵を、はじめて見る事が出来た。それに、巻末に虫コミックス版の別バージョン第1話導入部を収録してくれたのも嬉しい。


 次に『ドラえもん』。
 こちらも、主にセリフの扱いが気になっていたのだが、ヘリトンボや「古道具競争」の「ちょうちょ、ちょうちょ」が復活していたりと、セリフがてんコミ初期版に近い状態に戻っており、これは巻頭に書かれている「作者の意図ではない要因で改変が行われていたと考えられる場合は、原則として可能な限り本来の姿に戻すように努めました」との方針に寄るものだろう。今後の巻も、旧版セリフの復活に期待したい。
 それにしても、学年切り上がり方式の編集によるとわかってはいるが、『ドラえもん』第1巻の分厚さは凄い。ネット上では「中公愛蔵版みたいだ」と言う声を、結構あちこちで見かけたが、たしかに「カバーと本編の紙質がよくなった中公愛蔵版」という感じだ。





 実際、並べてみるとF全集の方が貫禄があって愛蔵版っぽい。


 そして、『オバケのQ太郎』。
 この作品が前2作と大きく違うのは、「出版された事自体が大ニュース」だと言う事だ。長らく続いていた『オバQ』単行本の入手困難状態がようやく解消されて、本当に嬉しい。Qちゃんに「お帰りなさい」と、声をかけてあげたいくらいだ。
 第1巻は「週刊少年サンデー」連載分が発表順に収録されているが、あらためて初期作品ばかりを読むと、自分の頭にある「オバQ」像といささか違った印象を受ける。これはこれでギャグマンガとして面白いのだが、「昭和30年代の雰囲気」がかなり強く出ており、藤子生活ギャグの夜明け前と言った感じだ。
 初期は、石ノ森氏だけではなくA先生も結構脇役キャラを描いており、その点でも絵として印象が異なって見えるのかもしれない。これは、さらにじっくり読み込みたい作品だ。



 まだまだ、書きたい事はいっぱいあるが、とりあえずここまでにしておこう。
 「藤子不二雄ランド」絶版から10年以上が経ち、ようやく真の意味で「全集」と言えるF先生の全集刊行が始まった。これから毎月、25日に新刊を買ってF世界を味わう事が出来るのだから、本当に楽しみだ。巻頭と巻末に読者への断り書きがあり、確固たる編集方針を持っているとわかるのも頼もしい。スタッフの方々には、今後も丁寧な編集をお願いしたい。期待しております。

 最後に一つ。気付かれた方もいるだろうが、この全集には「通し巻数」が設定されているようだ。背表紙の下部を見ると、『ドラ』が「FZ-001」、『オバQ』が「FZ-027」、『パーマン』が「FZ-043」となっている。『手塚治虫漫画全集』の「MT」番号と同じ性質のものだろう。と、なると『パーマン』は全8巻予定だから、第2期以降を含めて少なくとも50巻以上は出ると考えてよさそうだ。
 とにかく、当分は初回の3冊を隅から隅までじっくりと読み尽くしたい。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 12 )
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コメント
 
 
 
日テレドラ最終回の原作も読めますね(笑) (KAGE)
2009-07-25 19:50:08
まだ買えてない気合の少ない藤子ファンです^^;

予約を自宅からも職場からも少し遠い本屋でしてしまった為、発売日に買えてないとゆう情けない状態ですが。
まあ予約してるんで大丈夫かとは思ってますけど。

しかし、色々な方の感想を読むと本当に豪華で気合が入った決定版全集といった感じの様ですね。
私も買うのが一層楽しみになりました。

ただ、そこまでこだわってくれたのに『パーマン』の例の脳細胞破壊銃は復活しなかったのは残念ですね。
私は80年代の新作はこの点の変更が嫌で読んでなかったので、尚更残念です。
公式ページを見ると「スーパー星への道」と「バード星への道」を別々に掲載する様ですし、肝心のこの設定だけ直らなかったのは返す返すも残念ですね。


関係ありませんが、私は『ドラえもん』第8巻が当時の小学生時代を追体験出来る巻らしく、それが一番楽しみです。

早く買ってこないと(汗)
 
 
 
素晴らしい全集です (おおはた)
2009-07-27 01:22:49
 いやあ、本当に気合いの入った全集で、期待していた4ヶ月がムダな時間にならなくて、本当に嬉しいです。
 しかし、『パーマン』の件だけは、残念です。リメイクアニメに合わせて描かれた新作は、最初から動物に変身の設定なので全く気にならないのですが、旧作は「パーにする」を知っており、なおかつ「パー」設定の単行本を持っているだけに、改変版には違和感が強いのです。それでも、スーパーマンの自己紹介とパーマンの説明の部分は、バードマンからスーパーマンに戻って無理なく読めるようになったので、これは評価できます。

 『ドラえもん』ではアニメ旧ドラ最終話の原作が特別扱いではなく「あたりまえ」に収録されているのがいいですね。これは、学年繰り上がり方式のおかげでしょう。
 どの作品も、発表順完全収録になりそうなので、新鮮な気持ちで読めそうで楽しみです。
 
 
 
パー。 (もらいもん)
2009-07-27 10:39:47
 ドラえもんでは頻繁に「パー」という言葉が使われているのに、パーマンでは規制が厳しいというのが不思議ですね。
 
 
 
「パーマン」の底本 (おおはた)
2009-08-05 01:57:38
 たしかに、『ドラえもん』と読み比べると、『パーマン』だけ、「パー」の扱いが違うように思えてしまいますね。
 どうやら、『パーマン』は1995年増刷時のてんコミ改版を底本にして、そこから超人や時速119キロを旧設定に戻したようです。なので、特に問題ないセリフでも、読み慣れたバージョンと異なる部分が多く、結構違和感があります。今回は、1995年版をF先生による決定版とみなしたからこうなったのでしょうけど、ドラのセリフは結構古い物に戻っているのですから、パーマンもせめててんコミ旧版を底本にして欲しかったところです。
 
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