はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

2009年は長すぎた一年だった

2009-12-31 22:52:19 | 日記・雑文
 2009年も、あとわずかで終わろうとしている。
 振り返ってみると、今年は本当に色々な事があった。いや、私としては色々「ありすぎた」と言いたい気分だ。嬉しい事、悲しい事、つらい事…思い返すと、なんという激動の一年だったのだろうと、溜息が出てしまう。

 とは言っても、この中で「つらい事」は、ごくプライベートな問題だったのでこのブログでは触れていない。わざわざ人様に知らせるような事ではないと思ったからだ。その気持ちは今も変わらないので、この件についてはここまでとさせていただくが、嫌な意味で一年が「長かった」と感じる原因だったとだけ書いておく。
 もちろん、嬉しい事や楽しい事もたくさんあったのだが、今年一年に限るとそちらの印象は薄くなってしまう。


 その「嬉しい事」の筆頭は、何と言っても『藤子・F・不二雄大全集』の刊行開始だ。3月に発表されてから7月に刊行が始まるまでの4ヶ月半、こちらは「つらい事」とは逆に、いい意味で時間を長く感じて7月24日をまだかまだかと待ち望んだものだった。
 このブログでもいくつか触れているように、この全集にも注文を付けたくなる部分はあるが、そのような問題点があってもなお「決定版」と言える充実した内容となっており、毎月25日が楽しみで仕方がない。以前、『藤子不二雄ランド』の復刻がA作品のみになった時点で、F先生の全集は半ば諦めていただけに、現状はまさに夢のようだ。
 さらに、A先生に関しては、私も参加させていただいた『藤子不二雄Aファンはここにいる Book1 座談会編』が発売された事が一番大きかった。A先生の作品についての自分の発言が活字となって全国の書店に並んだのだから、これもまた夢のごとく嬉しい。なお、このシリーズは12月に続けて第2弾の『Book1 Aマンガ論序説編』も出ており、こちらは稲垣高広さん単独の著著となっている。

 また、今年は手塚治虫作品の復刻も充実していた。『新寶島』『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』と、手塚作品の中でもこれほどビッグタイトルの初出版復刻が一年のうちに実現するとは、生誕80年記念とはいえ豪華すぎるラインナップだ。もっとも『鉄腕アトム』は一部セリフの変更があるので厳密な意味での初出版完全復刻とは言えないが、それでもわざわざ本誌と付録に分けて連載当時の状態を再現した事は素晴らしい。
 『漫画少年版 ジャングル大帝』は数日前刊行されたばかりだが、50年以上前の雑誌からの復刻とは思えない鮮明な印刷で初期手塚作品らしい緻密な絵が再現されている。『新寶島』復刻もよかったが、復刻の技術としてはこちらのほうが更にがんばっているのではないだろうか。年の瀬の素晴らしい贈り物だ。

 こんな具合にたくさん本が出たものだから、今年は例年に比べて新刊本に使った金額がかなり高くなった。高価な絶版単行本や雑誌を買わなくても名作に気軽に触れられるようになったのだから、これは喜ぶべき事だ。


 次に、今年のアニメについても触れておこう。
 今年もテレビアニメでは色々な作品があったが、この一年で完結した作品の中では『大正野球娘。』が一番面白かった。あまりに気に入ったので、テレビアニメでのBD初購入作品となったくらいだ。池端隆史監督作品らしく、魅力的なキャラクターと画面の隅々までこまかく行き届いた演出で作られており、今も繰り返し観て楽しんでいる。この作品について、ブログでこれまで触れる事が出来なかったのは残念だ。最終回後にまとめ感想くらいは書いておきたかったのだが、時期的にその余裕がなかった。
 逆に、期待はずれだった作品となると、これはもう『涼宮ハルヒの憂鬱』(新作)を挙げるしかない。「笹の葉ラプソディ」まで、いや「エンドレスエイト」の2回目までは楽しく観ていたのだが、その後はすっかり白けてしまった。「エンドレスエイト」8回は京アニの無駄遣いとしか思えない。来年公開の映画『涼宮ハルヒの消失』で、ぜひとも巻き返してくれる事を期待している。

 アニメと言えば、『ゲゲゲの鬼太郎』の不可解な放映終了は、いまだに納得が行かない。「オトナアニメ」Vol.12によれば昨年11月になって急に決まったそうだが、一体どんな「大人の事情」があったのか、ぜひとも知りたいものだ。テレビシリーズも劇場版も面白くて、「100.5話」に位置づけられる劇場版の次の展開を楽しみにしていただけに、終了が決まった時のショックは大きかった。
 『鬼太郎』のようなメジャータイトルですらこのような仕打ちを受けるのだから、フジテレビの全日帯アニメは本当に厳しい状況のようだ。10年前なら枠移動して関東ローカルで放映が続いてもおかしくはなかった。その一方で、テレビ東京はゴールデンタイムで『ヒカルの碁』を再放送するくらいに枠が余っており、局によって状況が違いすぎる。だからと言って今さら『鬼太郎』がテレ東に移るわけにはいかないのだろう。世の中はままならないものだ。



 このように振り返ると、この一年も悪い事ばかりではなかったと思えてきた。いくつか参加したアニメイベントも、それぞれ楽しかった。やはり、人が生きていく上で心から楽しめる娯楽は必要だし、そのような作品に今年も出会えたのは、よかった事だと思う。
 その一方で、その「娯楽」の一つである藤子不二雄作品を通じて知り合った、あるばたいんさんとの別れは、特に悲しい出来事だった。今後は「藤子アニメだいすき!」を残していく事に微力ながら協力していくつもりだ。それは、あるさんの生きた足跡を残す事でもあるのだから。

 ともかく、この「激動の一年」は大晦日をもってリセットして、2010年は気持ちを切り替えて、新たな飛躍の年となるようにしたい。
 これで、今年の当ブログの更新はおしまい。アクセスして下さった皆様、ありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。