はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

久々の藤子新刊ラッシュ

2006-09-03 23:55:27 | 藤子不二雄
 もうすぐ日付が変わってしまうが、本日は9月3日、ドラえもんの誕生日。一昨日にはテレビアニメの特番もあったし、漫画のキャラクターとしては、世間でもかなり誕生日が認知されているのではないだろうか。ともかく、あらためて、おめでとうと言っておきたい。

 さて、そのドラえもんの誕生日に合わせるかのように、8月下旬から9月上旬にかけては、久々に藤子単行本の刊行ラッシュとなった。藤子ファンにとっては、嬉しい悲鳴だ。今回は、昨日までに購入した本を、紹介しておく。



・てんとう虫コミックススペシャル「ドラえもん カラー作品集」第6巻(小学館)

 半年前「もっと!ドラえもん」第5号で予告されて以来、刊行が待ち遠しかった待望の第6巻。

 今回は、「もっと!ドラえもん」に再録された10作品を含む20話を収録している。個人的には「植物ペン」「げんきえさ」と、カラーコミックスの巻頭に収録されていた作品が、再録された事が嬉しい。他にも「ウルトラスーパー電池」「コース決定機」「空気てぶくろ」など、カラコミ以来埋もれていた作品が多く掘り起こされた。特に「空気てぶくろ」は、カラコミではトレス版だったので、ようやくオリジナルの絵を見る事が出来た。

 なお、この「カラー作品集」では、これまで基本的にサブタイトルは初出のままだったのだが、今回は「たからさがしカウンター」「木のはでお買い物」「ラジコンでやっつけろ」の3本が例外となった。
 「たからさがしカウンター」の初出タイトルは「たからさがしにいこう!」だったが、「ぼく、ドラえもん」付録の未収録作品集に同題の別作品(FFランドでは「宝さがし」だったが、なぜか「宝さがしに行こう」に変更)がある。「ラジコンでやっつけろ」の初出タイトルは「ラジコンのもと」。これは、カラー作品集第3巻に同題の作品がある。「木のはでお買い物」の初出タイトルは「タイムふろしき」。やはり、てんコミ2巻に同題の作品がある。なお、本作のアニメ版サブタイトルは「この葉で買い物」であり、これを意識したのか、ほぼ同じタイトルとなっており興味深い。ともかく、3本とも他の作品とタイトルが重なってしまうため改題されたわけで、「ドラえもん」のように作品数が多いと、似たようなタイトルや道具が登場してしまうのだろう。
 ちなみに、個人的には初出を尊重したサブタイトルの付け方には疑問を持っていた。単行本初収録作品はともかく、カラコミやFFランドに既に入っている作品まで初出の題に戻してしまっては、無用な混乱を招くだけだったと思う。今さら言っても仕方がないが、丁寧な編集だっただけに、この点だけは気になっていた。

 さて、第6巻の解説によると「カラー作品集」は、ひとまずこれで完結するとの事。てんコミ未収録のカラー作品が読める貴重なシリーズだっただけに残念だ。それにしても、1999年に第1巻が出てから足かけ7年、ここまで息の長いシリーズになるとは思っていなかった。今後も、何らかの形で未収録のカラー作品が掘り起こされる事を期待したい。



・ぴっかぴかコミックススペシャル「怪物くん 怪物ランドへの招待」(小学館)

 映画原作まんがの総集編として、1981年にカラーコミックスで刊行されたものの復刻版。本書と言い「ドラえもん カラー作品集」と言い、カラコミ好きには嬉しい展開だ。

 内容は、カラコミ版とほぼ同じ。ただ、巻頭の「作者のことば」は微妙に変わっており、登場人物紹介はレイアウトが異なる。また、カラコミ版で巻末に掲載されていた「映画 怪物ランドへの招待 フィルムストーリー」は、今回カットされている。
 ところで、本作は映画原作ではあるが、映画のために描き下ろされた作品ではなく、原作の短編「おやじが出たぞ!!」(FFランド版4巻)と「お正月は怪物ランドで」(同19巻)を続けて収録しただけ。実際の映画は、上記の原作2本を元に、話を大幅に再構成して1本の作品として作られている。そのため、映画を観た事が無くて、今回初めて原作を読んだ人は、あっけない中途半端な終わり方だと思ったのではないだろうか。映画は、怪物くんとヒロシの友情、怪物大王との親子愛が原作以上に丁寧に描かれており、また舞台となる怪物ランドの描写も迫力があって見応え十分なので、映画も、ぜひご覧いただきたい。そう言えば、先月テレ朝チャンネルで「怪物くん」映画2作が放送されたのは、ぴかコミと連動した企画だったのだろうか。

 さて、「怪物ランドへの招待」が復刻されたのだから、次は「デーモンの剣」を出して欲しいところだが、カラコミ版で同時収録だった「忍者ハットリくん ニンニン忍法絵日記」が、既にぴかコミ「ハットリくん」4巻に収録されているので、「デーモンの剣」単独での復刻は難しいかも知れない。



・「ミス・ドラキュラ」第3巻(ブッキング)

 近所の本屋では全く見あたらないので、今回も名古屋駅地下街の某書店で購入。気が付けば、毎回この店で買っている。確実に置いてある店があるだけマシか。
 1回4ページの短編なので、内容的に特筆する部分はないが、どの話も安定して面白い。あらためて、ブッキングには感謝したいところだ。

 また、復刻の効果で奇想天外社版全4巻の古書価格が、明らかに以前より安くなっている。某店では、以前は4冊セットで15,000円だったのに、現在は5,000円になっている。内容的に今回の復刻版と変わらないようなので、当面は旧版を買うつもりはないが、昔の本も手に入れやすくなった事は、ありがたい。



 とりあえず、今回はここまでだが、15日にはコロコロ文庫で「みきおとミキオ」の発売も控えている。単行本未収録作品が収録されるようなので、こちらも楽しみだ。未収録は4話なので、できれば全話収録して欲しいところだ。
 それにしても、正直なところ、今更コロコロ文庫で「ドラえもん」以外の新刊が出るとは思わなかった。それが、アニメ化もされていない「みきおとミキオ」なのだから、なおさら驚きだ。