はなバルーンblog

藤子不二雄や、好きな漫画・アニメの話がメイン(ネタバレもあるので要注意)

元祖「ヤッターマン」廉価版DVD-BOX発売

2008-08-01 23:58:34 | タイムボカンシリーズ
 先週、「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」DVD-BOX1が発売された。
 以前にも「タイムボカンシリーズ DVDコレクション」の中の一作として3BOXでDVD化されていたが、今回は新作アニメ&実写映画公開にあわせての再販で、2BOXにまとめ直して値段も下がった。前BOXを揃えると定価税別で35,000×3=105,000円だったが、今回は28,000×2=56,000円なので、ほぼ半額だ。
 以前のBOXは既に品切れになっており、買い逃していた私にとってはありがたい。


 今回は廉価版なので、以前のBOXとの違いが気になっていたが、ようやくBOXが手元に届いたので、さっそく中身をチェックしてみた。

 まず、今回「ヤッターマン」単独の再販なので、以前の「タイムボカンシリーズ DVDコレクション」からBOXデザインが変更されて統一感が無くなるのではないかと心配していたが、基本的には前BOXのデザインを踏襲しており、安心した。これなら、「タイムパトロール隊 オタスケマン」「ヤットデタマン」のBOXと並べてもあまり違和感はない。




左・ヤットデタマン、右・ヤッターマン(再販)



 また、中身はディスク9枚組なので、1枚ずつトールケースに入った無駄に大きいBOXが届いたらイヤだなあと思っていたのだが、この点も全く問題ない。大きいどころか「ヤットデタマン」DVD-BOX1(ディスク4枚組、24話収録)よりわずかに小さいくらいだ。
 BOX内にケースが2つ収められており、1巻目にはDisc1~5、2巻目にDisc6~9が入っている。その気になれば、ここまでコンパクトになる物なのか。当然ながら、ケースのジャケットも2種類しかないので、描き下ろしだった旧BOXのジャケットイラストの残りが埋もれてしまうのは残念。一応、メニュー画面で小さい絵を見る事は出来るのだが。




BOXの開口面側。ディスクケースが全然違う



 気になる本編ディスクは、どうやら前BOXと全く同じ内容のようだ。
 前回の「ヤッターマン」DVD-BOXそのものは観た事がなかったが、今回のBOXの方を見てみたところ、メニュー画面のスタイルは私の持っている「タイムパトロール隊 オタスケマン」「ヤットデタマン」と全く同じ形式で、前述のように、各巻に対応するジャケットイラストがメニュー画面に表示される点も、同様だ。
 収録話数も全く同じなので、収録映像の変更はないのだろう。


 前BOXと同じ内容であるとわかって安心したが、同時に一つだけ残念な事があった。それは、OP映像が全て「ヤッターマンの歌」初代版に統一されたままと言う点だ。

 「ヤッターマンの歌」のOP映像は2種類存在しており、2代目の映像は本編でヤッターキングが登場してから、OP主題歌が「ヤッターキング」に変更されるまで、第47話~第57話のごく短期間だけ使われたレアバージョン。映像中のヤッターワン登場場面がヤッターキングに差し替えられたほか、いくつかの場面が変更されている。
 この2代目OP、1980年代の再放送までは確かに流れており、私も何度か目にした。しかし、1990年代以降は再放送で見かける事もなく、幻のOPと化していた。「タツノコプロ インサイダーズ」やサントラCD解説書の放映データによると、現在は「本放映当時のフィルムが部分的にしか現存しない」そうで、いつのまにか行方不明になってしまったようだ。

 そのため、DVDでは第47話以降も初代OPを使っており、今回の廉価版でも、それは同様だ。まあ、歌の方は「ヤッターマンの歌」に違いないのだから、「ヤッターキング」の映像を付けるよりは妥当な措置だろう。ただ、主力メカの交代と主題歌変更の微妙な時期のずれによって生まれた「移行期OP」と言うべき映像を、当時のままで観られないのは残念だ。
 ただし、この2代目OPのノンクレジット版は現存しており、旧BOXでは最終巻に映像特典として収録されたので、おそらく今回も9月発売のDVD-BOX2で観る事は出来るだろう。
 今回のBOX発売までにクレジット入り2代目OPが発見されて、該当話数が正規のOPに差し替えられれば一番よかったのだが、さすがに無理だったか。


 肝心のアニメ本編は、久しぶりにヤッターワン大破が観たかったので、第45話「雪女の秘密だコロン」、第46話「アイアムテルは勇者だコロン」を続けて観た。第45話のメカ戦は、何度観ても衝撃的だ。個人的には「逆転イッパツマン」の第30話「シリーズ初!悪が勝つ」よりも、こちらのほうが衝撃度が大きい。
 シリアス路線だった「イッパツマン」の主人公の死(に見える場面)よりも、完全ギャグ路線の「ヤッターマン」で主役ロボの最期(にしか見えない。「お世話になりました」とか言っているし)の方が、よりギャップが大きいため、そう感じてしまうのだろう。この第45話だけオモッチャマのタイトルコールが無いのも、その後の展開を暗示しており、ちょっと不気味さを感じる。

 それにしても、あらためて旧作を観てみると、やはり面白い。
 ギャグとしては、爆笑させられるようなネタばかりが仕込まれている訳ではないが、三悪やヤッターマンのやりとり、会話の一つ一つのテンポがよくて、観ていると楽しくなってくる。メカ戦のネタも回を追うごとにひねりが加えられてきており、「どうせドロンボーが負けるんだろう」とわかっていても、いや、わかっているからこそ「今回はどうやって負けるのか」と、期待してしまう。
 もう、子供の頃から何度と無く繰り返し観ているのに、今観てもこれだけ楽しめるのだから、恐ろしい作品だ。もっとも、何度も観ているからこそ作品のノリが体に染みついてしまっており、今でも楽しく観られるのかも知れないが。


 放映2年目に入ると、スタッフ・声優陣も悪ノリしてきて、更に面白かった。今から、BOX2で2年目のエピソードを観るのが楽しみだ。「ヤッターキング」のOP映像も最近観ていなかったので、こちらも早く観たい。
 旧作をあらためて観た事で、放映中の新作「ヤッターマン」は、完全に頭から消えてしまった。あれはあれで、ぜひ今の子供たちの心に残る作品になるように作っていただきたいものだが、個人的には旧作BOXが手元にあれば、一生繰り返し観て楽しめると思う。
 BOX2が出れば、タイムボカンシリーズ7作のうち4作までがDVD-BOXで揃えられる事になる(ただし「タイムボカン」はLD-BOX)。こうなれば、残り3作も何とかして入手したいものだ。

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4 コメント

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幻のOPに関して (fujiko-kei)
2008-08-02 20:48:23
『ヤッターマン』の移行期版OPに関してですが、確か未来都市?のようなところでヤッターマンとドロンボーが戦うやつですよね?
それでしたら、'03年頃に『ヤッターマン』が兵庫県のサンテレビで放送された際に、確かにこのOPが使われていたのを記憶しています。
10回位使用され、「1週間くらいで(月~金の放送でした)ヤッターキングに変わっちゃったなぁ…。」というのを覚えていますので、少なくとも数回分~は現存していると思います。
当時シリーズ全体が、傷だらけで少し変色もあるフィルムで放送されましたので、もしかすると本放送フィルムが使われていたのかもしれません。
クレジットに関しては記憶にありませんが、録画したのが残っているはずなの確認してみます。別に違和感はなかったので、確かクレジットも表示されていたような…。
傷だらけだとしても、本放送用フィルムを収録するのは無理なんでしょうかね?

尚、サンテレビでは現在『みなしごハッチ(旧)』が再放送されていますが月曜で終了し、火曜から『タイムボカン』が放送されるようですので楽しみです。
返信する
21世紀に放送されていたとは… (おおはた)
2008-08-03 22:55:05
>『ヤッターマン』の移行期版OPに関してですが、確か未来都市?のようなところでヤッターマンとドロンボーが戦うやつですよね?

 まさに、それです。未来都市の場面は「仮面に隠した正義の心」以降の部分で出てきますね。
 また、ラストカットは、星空(宇宙?)を背景に立つヤッターマン二人になっているはずです。

>それでしたら、'03年頃に『ヤッターマン』が兵庫県のサンテレビで放送された際に、確かにこのOPが使われていたのを記憶しています。

 まさか、今世紀になってからこのOPを地上波で流した局があったとは、驚きです。
 今年のキッズステーション再放送はDVDと同一素材と思われる内容で、「ヤッターマンの歌」OPは初代映像に統一されていました。


>当時シリーズ全体が、傷だらけで少し変色もあるフィルムで放送されましたので、もしかすると本放送フィルムが使われていたのかもしれません。

 DVD-BOXはデジタルリマスタリングを謳っていましたので、あからさまな傷や変色があるのであれば、DVDソースとは関係のない、昔からのフィルムが回ってきた可能性は高いですね。やはり、あるところにはある、と言う事ですか。

>傷だらけだとしても、本放送用フィルムを収録するのは無理なんでしょうかね?

 別会社の別作品ですが、「悟空の大冒険」DVD-BOXでは、最後に「明治製菓」提供表示のある本放送版OPは退色が著しいため映像特典としてのみ収録されており、各話のOPは提供表示が「悟空の大冒険」のタイトルロゴに差し替えられた再放送版が付けられています。あまりに状態が悪いと、商品としては問題があると判断されるでしょう。
 「ヤッターマン」移行期OPもサンテレビ再放送版でクレジットがちゃんと出ているのなら、映像特典扱いでもいいので、今からでも収録して欲しいですね。「リスト制作委員会」の放映リストでさえ、「ヤッターマン」スタッフについては所々不明部分があるくらいですから。


>クレジットに関しては記憶にありませんが、録画したのが残っているはずなの確認してみます。

 「監督」のクレジットがどうなっているか、確認して頂けませんでしょうか。「総監督 笹川ひろし」に変わっているか、それとも「チーフディレクター 笹川ひろし、原征太郎」のままなのでしょうか。
 時期的に原征太郎氏は「とびだせ!マシーン飛竜」に移っているので、47話から笹川監督一人になっているのだろうと思われますが、何しろ確認手段がありません。DVDではクレジットも含めて初代映像のままなので、見ていて気になっています。


>サンテレビでは現在『みなしごハッチ(旧)』が再放送されていますが月曜で終了し、火曜から『タイムボカン』が放送されるようですので楽しみです。

 思いっきりタツノコアワーですね。
 サンテレビでは、私が関西の実家にいた2000年代初頭にも一度「タイムボカン」をやっていたのを覚えています。最近、東海地方では再放送枠が少ないので、独立U局とは言え地上波で古い作品の再放送があるのは羨ましいです。
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見つけました。 (fujiko-kei)
2008-08-05 15:45:47
『ヤッターマン』の2代目クレジット付きOPですが、録画テープを発見いたしました。5倍速で録画していましたので画質は酷いですが…。

47話~57話の中で当方に録画が残っていたのは、第47話『家あり子の冒険だコロン』だけでした(しかも途中からドラSPが上書きされている…)。そのため、サンテレビ放映時にクレジット付きが11回、すべて揃っていたかどうかは不明です。
ちなみに1話前の第46話には、ちゃんと旧OPが使用されています。

フィルムの状態に関してですが、細かい傷・退色はありましたが、当時再放送された中ではマシな方で、DVDにも十分収録できるレベルかと思います(他の回は、画面に縦筋が出まくったり、赤味がかっていたりと、一昔前の再放送…といった感じです)。

>「監督」のクレジットがどうなっているか
おおはたさんの気にされていた総監督の表記ですが『総監督 笹川ひろし』となっていました。さすが、予想通りですね。
詳しくはキャプチャ画像をアップしましたので、こちらでご覧下さい。
http://i-get.jp/upload500/src/up16537.jpg
http://i-get.jp/upload500/src/up16538.jpg
「勝利のポーズだ」以降の部分は、映像が初代OPと殆ど変わらないため、省略しています。

ってかこれがDVDに未収録とは…。逆に驚きです。


話は変わりますが、先日亡くなられた赤塚不二夫先生の葬儀委員長は、安孫子先生が勤められるそうです。
安孫子先生からのコメントは今のところまだ出ていないと思いますが、かなり参っておられるとのことです。
返信する
ありがとうございます (おおはた)
2008-08-09 00:28:36
>『ヤッターマン』の2代目クレジット付きOPですが、録画テープを発見いたしました。

 キャプチャまでしていただき、ありがとうございます。
 私にとっては、クレジットの入った映像は、1989年頃に名古屋テレビで行われた再放送以来、久々に見ました。


>ちなみに1話前の第46話には、ちゃんと旧OPが使用されています。

 やはり、そうですよね。
 46話の予告では映像でもナレーションでもヤッターキングの登場については全く触れられていませんから、ヤッターキングは46話本編で初お披露目だったのでしょう。それならば、46話は初代OPであるべきです。もっとも、放送以前に既に雑誌等に紹介されていた可能性はありますが。
 その後、2代目OPを経て、ブル・ドジラ・パンダ・コパンダ登場に合わせて完全な新作OP「ヤッターキング」が登場するのですから、きちんと本編内容に合わせてOPが変更されている事がわかります。


>フィルムの状態に関してですが、細かい傷・退色はありましたが、当時再放送された中ではマシな方で、DVDにも十分収録できるレベルかと思います

 そうですか。それならば、ますます勿体ないですね。
 ヤッターキングはともかくとして、ペリカンとアンコウが出ているOPは2代目だけですから、DVDで特典としてしか見られないのは彼らが可哀想です。

>ってかこれがDVDに未収録とは…。逆に驚きです。

 私も、何かの間違いじゃないかと思ってDVDを見直したのですが、やはり47話から54話までは初代OPのままでした。
 私の知る限りでは、「ヤッターマン」のOP・EDは1992年にテレビ東京系「アニメランド」枠で再放送を行った時からおかしくなりました。1話からの放送なのに、いきなりOPが「ヤッターキング」(歌・アニメ共に)、EDが「ドロンボーのシラーケッ」(歌のみ差し替え、アニメは初代のまま)に差し替えられていたのです。
 この時は、さすがにおかしいと指摘があったのか、10話くらいで初代OP・EDが付くようになりましたが、地方によってはこの後にも全話のOPが「ヤッターキング」、ED「シラーケッ」で統一された素材で放送している局もあると聞きます。
 具体的に本放送素材がどうなったのかは知る由もありませんが、これ以前には普通に再放送されていましたので、この1992年前後に何かあったのだと思います。
 ともかく、サンテレビ再放送用のフィルムが今どこにあるのか、気になります。


>話は変わりますが、先日亡くなられた赤塚不二夫先生の葬儀委員長は、安孫子先生が勤められるそうです。

 テレビのニュースでA先生のお姿を拝見しました。想像よりはお元気そうで少し安心しましたが、それでもやはり表情からはA先生の悲しみが伝わってきて、画面を見ているだけでも非常に悲しくなってしまいました。
 どうか、A先生にはこれからもお元気でいて頂きたいと思います。
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