「ヤッターマン」新作への不安

 三が日があけてから昨日までずっと仕事だったので、今週は疲れた。今日は、ようやく休日。この三連休でしっかり体を休めなければ。


 さて、前回のエントリで触れた「昨年からの「宿題」」第1弾として、放映開始が二日後に迫った「ヤッターマン」新作について、思うところを書いておく。

 まず、新作に対しては基本的に「期待せずに観る」姿勢で視聴するつもりだ。思えば、「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」の時は、「17年ぶりのタイムボカンシリーズ新作」としてあまりに期待しすぎており、それだけに本編が残念な出来で非常にがっかりさせられた。
 今回の「ヤッターマン」も、笹川ひろし総監督をはじめとするメインスタッフ(キャラクターデザインの天野喜孝を除く)及び悪玉側のメインキャスト(三悪&滝口順平)が旧シリーズから継続して参加している点は「怪盗きらめきマン」とほぼ同じなのだから、「今の時代ならではの「ヤッターマン」」を期待するのは難しそうだと思っている。

 ただ、「怪盗きらめきマン」と違う点として、脚本家が小山高生&ぶらざあのっぽの面々から、高橋ナツコと武上純希に変わっているので、面白くなるかどうかは別として、少なくとも旧作のコピーとは違う新たなテイストの話が観られそうだ。それは、第2話「ナニワのたこ焼王決定だコロン!」、第3話「バカデミー賞を獲るのだコロン!」と言うサブタイトルからも伺える。
 また、「怪盗きらめきマン」が「タイムボカンシリーズ第8弾」としての完全新作だったのに対して、今回の「ヤッターマン」は「タイムボカンシリーズ」の冠を外したリメイク作品であり、基本設定は出来上がっている分、安定した作りが出来そうだ。


 しかし、スタッフはともかくとして、現時点で私が最大の不安要素と感じているのは、ヤッターマン1号の声優と主題歌だ。
 大山ドラ末期のセワシ役を聴く限りでは、現在の太田淑子に少年役はつらそうなので、善玉側のキャスト一新は仕方がないと思うが、あえて男性声優を選ぶところが理解できない。三悪&ドクロベエは旧作と同じ面々が演じるだけに、ヤッターマン1号の違和感が特に強調されそうだ。実際、番宣映像で聴いた声にはかなり無理を感じてしまった。
 ただ、ヤッターマン2号とオモッチャマは、結構合っていると思う。オモッチャマはたかはし智秋だと聞いて驚いたのだが、番宣を観ると善玉側では一番旧作に声のイメージは近く感じる。ナレーターに山寺宏一も非常に妥当な人選だろう。選ばれるなら、この人か堀内賢雄(「平成タイムボカン」でナレーターを担当)のどちらかだと思っていた。今回はナレーターとヤッターワンを兼任するようだが、これは「タイムボカン王道復古」からの流れだろうか。

 そして、主題歌。EDについては、このmihimaruGTのコメントを読んだ時点で諦めた。そもそも「主題歌」と呼べる歌では無さそうだ。「自分は「ヤッターマン」を全然知りません」と言っているのと同じで、わざわざこんなコメントを出す事自体、理解に苦しむ。それにしても、どんなEDアニメになるのか気になってしまう。まさか、「恋愛をテーマに書いた歌詞」の歌に合わせて三悪がバカをやるとも思えないが。
 OPに関しては、カバーではあるが「ヤッターマンの歌」なので多少は期待できるが、新年早々オリジナル歌手・山本正之のサイトに、主題歌決定の経緯について暴露とも言えるコメントが掲載され、それを読んでガックリきてしまった(現在、コメントは削除済み。1/12の時点ではGoogleキャッシュで読む事が出来る)。
 山本サイドの言い分を全面的に鵜呑みにすべきではないとは思うが、コメントを読む限りでは少なくとも諏訪プロデューサーと山本氏の間でしっかりした意志疎通は出来ていなかったようだ。その事実自体も残念だし、こんな事をわざわざ放映開始直前にバラしてしまう山本氏の行動にもがっかりだ。何十年か後に思い出話として語るならともかく、今言うべき事ではないと思う。
 いずれにせよ、読売テレビ月曜19時枠ではOP・EDはあくまでタイアップの場としか扱われていないことが、あらためてよくわかった。旧作の「ヤッターマン」を含めたタイムボカンシリーズでは、主題歌は言うに及ばず数々の挿入歌も効果的に本編で使われており、歌が全てではないにせよ、決しておろそかに出来る要素ではない。その「歌」が期待できないとあっては、作品全体としても期待する事は難しい。


 以上、新年早々思っていたよりも長くなってしまった。
 念のために書いておくが、私は別に新作「ヤッターマン」に対してネガティブキャンペーンを行うつもりはない。上では期待しないと書いたが、実際に観てみて面白ければ、もちろん大いに応援したい。「タイムボカンシリーズ」の冠こそ外れたものの、久々のシリーズ新作である事には変わりなく、シリーズのファンとしてはやはり面白い作品になって欲しい。
 とりあえず、中京テレビでは本日深夜に放送開始前特番が放映されるので、そちらを観て放映開始に備えておこう。
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )
« 昨年からの「... 「やっとかめ... »
 
コメント
 
 
 
Unknown (gm)
2008-01-13 22:31:54
「結界師」のOP・EDも、宇浦冴香を売り出すためのものになっている感じでした。EDなんて短いサイクルでコロコロ変わっていましたからね。
OPが(タイアップとは言え)一応アニメの内容に沿った歌詞になっていたのが唯一の救いでしたが…。
 
 
 
ぬるいなあ・・・ (火焔太鼓)
2008-01-14 20:25:33
前のヤッターマン見てなくて思い入れがないんですが、今回のリメイク見てこんなぬるいアニメだったんかいなと思いました。
ドロンジョの第一声を聞いて、「小原さん、地声老けたな」と感じましたね。随所で出す高音は「ああ、やっぱりのび太やった人だな」と思いましたけど。もうああいう女性の役厳しいんじゃないでしょうか。ドロンジョも変えるべきだったと思いますよ。
あと、ガンちゃんってあんな無責任な若者だったんですか?
ハスキーな男の声であることも相俟って感情移入しにくいです。アイちゃんも含めて今風の若者言葉もちょっと気になりました・・・。
ヤッターワンも兼任している山寺氏はさすがだと思います。というかリメイクよりも山寺氏を主役にした新しいヒーロー物を作ったほうが良かったと思うのですが・・・。
おおはたさんの言うとおり長い目で見ないとどうしようもないのですかね・・・。
 
 
 
すでに第1話が放映されましたが (おおはた)
2008-01-19 22:38:33
◆gmさん:
>「結界師」のOP・EDも、宇浦冴香を売り出すためのものになっている感じでした。EDなんて短いサイクルでコロコロ変わっていましたからね。

 「結界師」は、ほとんど観ていなかったのですが、やはりそうでしたか。その前の「ブラック・ジャック」&「ブラック・ジャック21」の時は、初代主題歌「月光花」は歌詞に「生きる意味」と盛り込んでいて、曲調も含めて「ブラック・ジャック」の曲として悪くないなと思ったのですが、大塚愛のEDでずっこけました。これがあったせいで、今回の「ヤッターマン」EDを聴いた時も、作品の余韻を無視した下手なタイアップは変わっていないと思ってしまいました。
 実際、あの枠でタイアップして、歌手・レコード会社側には旨味がある物なのか、疑問です。作品に合わないタイアップは、作品・歌手の共倒れになるのではないかと他人事ながら心配してしまいます。


◆火焔太鼓さん:

>ドロンジョの第一声を聞いて、「小原さん、地声老けたな」と感じましたね。随所で出す高音は「ああ、やっぱりのび太やった人だな」と思いましたけど。

 私は、小原さんの声はまだいけると感じました。気のせいか、「怪盗きらめきマン」の時より若さが戻っているような印象すら受けてしまいました。「きらめきマン」の時は「ドラえもん」と並行だったせいもあってか、今回の「ヤッターマン」よりものび太っぽさが強かったように感じました。

>あと、ガンちゃんってあんな無責任な若者だったんですか?

 旧作との比較に関しては、「百聞は一見に如かず」で、旧作を観ていただくのが一番早いと思います。今なら、GyaOとキッズステーションで観る事が出来ますね。
 ただ、「ヤッターマン」に限らずタイムボカンシリーズの作品としての勢いは、放映された時代と共にあってこそ一番輝くものだと思っています。私は大好きな作品ですが、それでも本放送世代からは微妙にずれている(本放送で観たのは「オタスケマン」から)ので、再放送で初めて観た時は多少の古くささを感じました。
 あと、この作品の最大の売りは「偉大なるマンネリ」ですから、最初の何回かを観てノリが合わないようなら、好きになるのは難しいのではないかと思います。
 
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。