恵方巻き

あれを咥えてる間は、プールに潜って息をひそめている時間にちょっと似ている。なにしろ喋っちゃいけないし。無言で指さされた玄関の方角を注視しつつ、口に詰め込む。豆は5個でいいと言ったのに50個手渡されてしまったので、つまみの取り皿にいれてピーナツと混ぜ、ウィスキイで流し込む。程なく完食。テンションが上り切らないがとにかくギター弾く。酔いが廻って早めに切り上げたが、終わりしな、john hurt の spike driver's blues というのをやってみる。面白い

三題ばなし

昨晩も昨晩とて mojo hand 。まずチェット・アトキンスのショウ。何故あれ程ギタリスト達の尊敬を一身に集めるのか知らなかったが、見終われば納得、テクもさることながら、暖かい人柄が伝わってくる。続いてさまざまな証言と歌で綴るウッディ・ガスリーとレッドベリーの生涯。ピート・シーガーやタジ・マハールがかっこよかったが、実の息子アーロ・ガスリーのひたむきな様子は特に印象的。「家路」、欲しいぞ。その途中あたりからBABAギターで土曜に向け指慣らしを始める私。音量小さめ（もともと小さい？ほっとけ！）、テンポ落として another Monday の指確認。最後はブルーズマン所縁の土地を訪ねるドキュメント、すたれさせちゃならん！と奮闘するプロ、アマのミュージシャンたちを描く。ある種の迫力があって、次第に引き込まれるわたし達。昼解散、帰りがけに土曜ライブは各グループ15分おきに3順、4順するからね～、など店主がのたまう。えー、レパが6曲しかないのに！どうすべ？

がなる

晩の食事も終わり、ギター1号を抱えながら茶を啜っていると対面のカミさんが、来年末息子の二十歳のお祝いをやるから、そこで一曲、何かやれ、などと言う。ついでにあたしも一曲歌う、などと言う。何すんですか、と聞くとナガブチゴーの「乾杯」だなどと言う。そりゃ、だめでしょう、と一通り歌い終えてから、スピッツとかのがいいんでないですか、と「ロビンソン」を茶の間で熱唱、ああ、それがいいねえ、などと何度も歌わされる。イントロとか間奏とかめちゃくちゃのピッキングもあって心身ともがくがくになり、オレねえ、今週末ライブなんで練習しなきゃいけないのに、こんな息上がっちゃってどうしてくれんのよう、と抗議するもものかわ、カミさん涼しい顔して、じゃ練習しといてね、などと言い残しテレビ前に行ってしまう。
・・でも、このあと、練習がワリとスムーズにいくんですよお。なんか、バ・ク・ハ・ツ、しないと、ダメなのねオレって。いまさら気がつきました。よーし、バクハツ、バクハツ

雑記

昨晩の夕餉はトマト鍋。熱望してようやく適った。ひととおり具を平らげた後の卵入りゾースイがなんとも言えない。「銀河鉄道の夜」で活版所から家に戻ったジョバンニは病床の母から、姉さんがトマトでなにかこさえてったからお食べ、と言われ、じゃ、僕、食べようと食べたのがこういう風に見えた。あの名画から早や四半世紀が経とうという今日この頃、その恩恵にようやく預ったのであった。

そういえば頼りにしている某占いによれば、今月ラッキーは水がめ座生まれの方。すごくいい運勢らしいが、これに対し最低ダメダメがなんと我が星座、山羊。水がめにいいとこ全部、持ってかれた結果か。クソ真面目な性格が災いの元ってあるけど、そんなのいつものことじゃあ！