すすき野の指揮者は風や海昏るる 鈴木みさほ
風がない日は、勝手気ままな方向に穂を垂れている芒であるが、風が吹けば一斉に同じ向きに靡く。まさに風の指揮者は、芒野をどのようにも美しく造形することができる。ややメルヘン調の上五中七ではあるが、下五に置かれた「海昏るる」によって、明暗と高低差が際立つ格調高い一句となっている。滝」1月号〈滝集〉より抄出。(Midori)
風がない日は、勝手気ままな方向に穂を垂れている芒であるが、風が吹けば一斉に同じ向きに靡く。まさに風の指揮者は、芒野をどのようにも美しく造形することができる。ややメルヘン調の上五中七ではあるが、下五に置かれた「海昏るる」によって、明暗と高低差が際立つ格調高い一句となっている。滝」1月号〈滝集〉より抄出。(Midori)