花石蕗の花弁そろはぬものばかり 山下さと子
花弁が一重の花の中でも、野紺菊やマーガッレトなどは、放射線状にぐるりと、一列に花弁をつけているが、石蕗の花は、確かに、「花弁そろはぬものばかり」である。誰もがその事実を視覚では捉えていても、認識のどこかで見過ごしていることである。花弁が揃ってないからこそ石蕗の花。写生の力が、一句を詩に昇華させることのできることを示す作品ではないだろうか。「阿蘇」2月号より抄出。(Midori)
花弁が一重の花の中でも、野紺菊やマーガッレトなどは、放射線状にぐるりと、一列に花弁をつけているが、石蕗の花は、確かに、「花弁そろはぬものばかり」である。誰もがその事実を視覚では捉えていても、認識のどこかで見過ごしていることである。花弁が揃ってないからこそ石蕗の花。写生の力が、一句を詩に昇華させることのできることを示す作品ではないだろうか。「阿蘇」2月号より抄出。(Midori)