6月9日、作家、村上春樹がスペインのカタルーニャ国際賞を受賞した。その時の受賞スピーチの全文が、今日11日の熊日新聞の紙面いっぱいに掲載されている。「僕はこれまで世界のいろんな都市でサイン会を開きましたが、女性読者にキスを求められたのはこのバルセロナだけです」ではじまる彼のスピーチのほとんどは、東日本大震災と福島の原発事故に関することだった。福島の事故は「日本人自らの手で過ちを犯した」という哀しい指摘。無常「mujo」という日本人の精神性。春になれば桜を、夏には蛍を、秋になれば紅葉を、移ろいゆくものを愛する民族性・・・。そして最後に、「我々は夢を見ることを恐れてはいけない」「効率という名の経済成長を優先させてはいけない」「非現実的な夢想家でなければならない」という日本へのエールに、胸が熱くなる思いがした。
3月11日の震災から、今日、ちょうど3か月が経過した。(Midori)
ここからは風に乗り換へ春の野に
遠野火の乱ある如く立ちにけり
野火熾ん言の葉たかく舞ひあがり
はばたけば翼とならむ春の風 平川みどり
*「阿蘇」6月号に掲載
3月11日の震災から、今日、ちょうど3か月が経過した。(Midori)
ここからは風に乗り換へ春の野に
遠野火の乱ある如く立ちにけり
野火熾ん言の葉たかく舞ひあがり
はばたけば翼とならむ春の風 平川みどり
*「阿蘇」6月号に掲載
はばたけば翼とならむ春の風 みどりさん
どのお句も良いんですがこのお句がとても好きです♪
被災地へのエールとも受け止めましたが・・?
みんな素晴らしく、私の好きな句ばかりです。
日本人って本当にいいな♪と改めて思いました。
また、きっと原発の底から立ち上がってくれるのでしょうね!
あ~あ、また、春樹の本を借りてきました。
みどりさんの四句、私には決して詠めない優しい光を放つ句です。季語を自分のものに出来ているからなのだと思います。春の精のふあふあしたワンピースが風に揺らいでいるのが見えるようです。
大好きな村上春樹が、保証してくれて、
ますます非現実的な夢想家になりそうです。
ニンフがふりまく幸せのパウダーがきらきらと・・・
あ~また妄想が・・・(笑)
3か月前の写真、そして今、随分復興が進んでいました。
「大きな自然の力の前では人は無力です。
そのような儚さの認識は日本文化の基本的な
イデアのひとつ」という春樹の言葉に思わず
泪が溢れました。
あはあはとした4句、震災の不安の日々を思い出します。
国際的な授賞式の舞台で、世界に向けて今あのようなスピーチをされた村上氏に心より敬意を表します。と共に、前文を掲載した熊日新聞にも…。
政治家や経済人には口に出来ない、よって、文化に携わる者しか発信出来ない、いや発信しなければならないという使命感に後押しされた強い決意のようなものを感じました。
きっと村上氏の作品と共に後世に残るスピーチとなることでしょうね。
一番好きな句は
野火熾ん言の葉たかく舞ひあがり
野焼の臨場感が伝わってくる。
実は、私もこの句が一番気に入っています。
阿蘇の野焼きの吟行会で、無理かな~と、
思いながらの出句でしたが、中正先生はじめ、
同人の方にも採っていただき、とても嬉しくおもいました。
征一さんのイチオシ、超うれしいです