鯖雲やバーを揺らせし胸の反 及川源作
鰯雲でなく、鯖雲としたのは、「や」で切ることによって、景に広がりが生じるからだと思われる。どちらにしても、小波のような白い雲は、躍動感を感じさせる。さて、具体的な競技名は書かれてなくとも、高跳びだとわかるのは、「バーを揺らせし胸の反」だけで、誰もが知る映像に結びつくからだ。高跳びをクリアするときの緊張感が伝わる一句である。「滝」12月号〈瀑声集〉より抄出。(Midori)
鰯雲でなく、鯖雲としたのは、「や」で切ることによって、景に広がりが生じるからだと思われる。どちらにしても、小波のような白い雲は、躍動感を感じさせる。さて、具体的な競技名は書かれてなくとも、高跳びだとわかるのは、「バーを揺らせし胸の反」だけで、誰もが知る映像に結びつくからだ。高跳びをクリアするときの緊張感が伝わる一句である。「滝」12月号〈瀑声集〉より抄出。(Midori)