十七音のアンソロジー★。・.:・゜'☆,。.:・゜'★

虚と実のあはひに遊ぶ  Since 2008 by Midori♡ H

蟷螂

2014-11-24 | Weblog
蟷螂の構への前をゆく国家     佐々木博子

「国家」は、抽象的な政治的概念でありながら、ここでは「国家」が具象として存在する。「蟷螂」と「国家」の位置関係が、「蟷螂の構への前を」と、明確に示されているからだ。「蟷螂」という小さな生き物の前を通り過ぎようとする「国家」は、果たしてどんな国家だろうか?国際化や高度情報化による価値観の多様化は、組織としての「国家」の在りようを大きく変えてしまった。「国家」という言葉の重みは変わらないまでも、「国家」が、国民生活からますます遠い存在になりつつあるように思えるのは気のせいだろうか。「蟷螂の構へ」が、リアルに迫ってくる構図に、国家はどこか掴みようのない。「滝」11月号〈滝集〉より抄出。(Midori)