男郎花

公達のやうに一本男郎花　　　　　荒牧成子

「男郎花」に対する比喩、「公達のやうに一本」という古典的な措辞の力は大きい。まるで源氏物語の貴公子、光源氏が立っているかのようだ。近くにはたくさんの女郎花も咲いているのだろう。王朝浪漫のような一句に、男郎花の凛々しい立ち姿が見えるようだ。「阿蘇」１２月号より抄出。(Midori)