河原撫子橋一つふえてをり 渡辺登美子
幼い頃、ずっと見て来た故郷の川なのかもしれない。野山はもちろん、清らかなせせらぎや風にそよぐ河原撫子も昔のまま・・・。懐かしい景色が、眼前に広がっていたことだろう。ところが、ただ一つ変わっていたことは、橋が一つ増えていたことだった。ただそれだけのことではあるが、「橋一つふえてをり」に、変わらぬ風景が強調されて、深い郷愁を覚えた。「滝」8月号〈滝集〉より抄出。(Midori)
幼い頃、ずっと見て来た故郷の川なのかもしれない。野山はもちろん、清らかなせせらぎや風にそよぐ河原撫子も昔のまま・・・。懐かしい景色が、眼前に広がっていたことだろう。ところが、ただ一つ変わっていたことは、橋が一つ増えていたことだった。ただそれだけのことではあるが、「橋一つふえてをり」に、変わらぬ風景が強調されて、深い郷愁を覚えた。「滝」8月号〈滝集〉より抄出。(Midori)