タンクローリー大きく曲がる春の宵 渡部美和子
春は、駘蕩とした生の躍動を覚えるものだが、「タンクローリー大きく曲がる」という一つの具象に、なぜかそれが感じられた。きっと他の貨物自動車であれば、得ることのできなかった感覚だったに違いない。「大きく曲がる」ということは、それだけ車体が長いということだが、タンクの中には春の起爆剤が、たっぷりと積まれていそうだ。「滝」4月号〈滝集〉より抄出。(Midori)
春は、駘蕩とした生の躍動を覚えるものだが、「タンクローリー大きく曲がる」という一つの具象に、なぜかそれが感じられた。きっと他の貨物自動車であれば、得ることのできなかった感覚だったに違いない。「大きく曲がる」ということは、それだけ車体が長いということだが、タンクの中には春の起爆剤が、たっぷりと積まれていそうだ。「滝」4月号〈滝集〉より抄出。(Midori)