JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

厳粛な綱渡り

2005年07月26日 | p-r

2件、ブックマークをかってに追加させて頂きました。
「成り行きアラカルト日記」は、多彩な知識とすばらしい視点で、毎日の出来事を語られるウフフマンさんのブログ。
「雨の日にはJAZZを聴きながら」は、ここのタイトルによくにていますが、42才のお医者さんcrissmorganさんが開いている、ここより数段高尚かつ内容深いブログです。

さて、「雨の日にはJAZZを聴きながら」の「ジャズ・メッセンジャーズ考察(1)」という記事へのコメントでちょっと書かせて頂いたのですが、
大江健三郎の「厳粛な綱渡り」というエッセイ集に、彼とジャズとのかかわりが書かれたエッセイが載っています。

その中で、パリに滞在中、バド・パウエルを聴きに行ったお話しで
「バド・パウエルがピアノの前に座ったとき、それはまさに老いたるセイウチだった。[中略]バド・パウエルが数曲、演奏するあいだに、クラブじゅうのだれもが、最初の緊張感をうしない。退屈し、弛緩してしまったようだ。ぼくもまた、冷淡な気分になって、バド・パウエルを聴いていた。ところが、最後の一曲で、バド・パウエルはまったく非連続的に、唐突に、蘇ったのである。かれは、すでにバド・パウエル伝説となったもおぼしい。凄まじいばかりのスピードと明快さで、ピアノから音楽をほとばしらせた。ああ、これがバド・パウエルだとぼくは納得し....」と言う一節があります。

以前に書いた映画「ラウンド・ミッドナイト」の映像が浮かんできます。
ヨーロッパの雑誌で最悪のジャズ・メンの1人に取り上げられたバド・パウエル、
ある日、かつての彼自身を思い出させる演奏を行うかと思えば、
その翌日は、彼の死体を眺めているような気にさえなってしまう。

バド・パウエル、私にとってとても大切なピアニストです。
死体と化したセイウチを、この目で見ずにいるのは、幸せなことかも知れません。

BUD POWELL IN PARIS
1959年12月12日,60年3月12日,7月15日,10月14日録音
BUD POWELL(p) GILBERT ROVERE(b) CARL DONNELL "KANSAS" FIELDS(ds)
1.HOW HIGH THE MOON
2.DEAR OLD STOCKHOLM
3.BODY AND SOUL
4.JOR-DU
5.REETS AND I
6.SATIN DOLL
7.PARISIAN THOROUGHFARE
8.I CAN'T GET STARTED
9.LITTLE BENNY
10.INDIANA
11.B-FLAT BLUES

crissmorganさんに刺激されたかな?
ちょっと、私、真面目に語っちゃって、どうしたの?(ハハハハハ....)

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2 コメント

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これでしたか (バブ)
2005-07-28 21:40:21
学生の頃、このアルバムを聞き込んだんですね。



バド・パウエルは、私にとって本当に大切なピアニストなんです。

以前にも書きましたが、

亡くなった大親友といっしょに、彼の部屋でバド・パウエルとマル・ウォルドロンをしょっちゅう聴いていたのを思い出します。

彼の墓前にバド・パウエルのアルバムと酒をあげ、しばらく、いっしょに飲んできたりしたこともあったんですよ。
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この一枚 (けい)
2005-07-27 22:03:33
わたしが学生のころ聞いたアルバム。これ、これです!

友人が録音してくれたテープを何度も聴いていたこと 思い出します。

そういえば 最近あのころ聞いていたバッド・パウエルもビル・エバンスも 聞いていないなぁ。なんだかあの頃のほうが素直に聞けたかも・・・
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