JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

性(さが)

2005年11月06日 | p-r

一晩に2度の投稿というのは、私としてはきわめて珍しいことですが(まして疲れているのに)一昨日、飲み屋で出た話題をどうしても書いておきたくなり、キーボードをたたき始めました。

ここ何日間か、必ずニュースに取り上げられているのが「毒をもった少女」の事件です。
一昨日、飲み屋のママがこの少女の話題を持ち出すと、
私の隣で飲んでいらした初老の男性が
「俺は彼女の動機が、なんとなくわかるようなきがするよ」と話し始めました。

「彼女は、科学者気取りだったんだな、たとえばさ、原爆を作ったのは科学者だろ、原爆を作ってみると机上の計算だけじゃつまらない、使ってみたくなるんだよ。科学者だけじゃないよ、お兄ちゃん(私のこと)だって、小さいときプラモデル作ったろ?舟のプラモなんか作ると風呂でも何でもいいから浮かべてみたくなんなかったか?」
「たしかに」
「なっ、人間はあさましくて、欲深いから、手にした物や知識を使ってみたくなる、これが性(さが)なんだよ。彼女も知識をふくらませればふくらませるほどに、実際を体験したい欲求に駆られたんだな、でも良かったといえばそうとも言えんだぞ、母親に使わないで他人に無差別で使ったらもっと大変だったろう。」

うーん、彼の言っていることは、間違ってはいないかも知れません。だけど、どーもひっかかる、頭のね、隅の方にね、どうもしっくりこないんだなぁ。
性(さが)で片付けられるなら、殺人だって性犯罪だって、人間の性が起こすものでしょう?
人間は欲の塊かも知れないけど、欲求を抑える何かを持っているのもまた人間でしょ?

とにもかくにも、「毒をもった少女」が問いかけた問題は、この社会を作ってきた私達大人に理解できないほどの難題であること、それでも捨て置けない問題であること、それだけは間違いがないと思うのですが.......

バド・パウエルは、21才の時、最初の精神病の発作を起こしました。いらい入退院を繰り返した彼でしたが、鬼気迫る彼のピアノは、誰もまねの出来ない精神を秘めたものでした。

THE BUD POWELL TRIO
1947年1月10日(1-8),1953年8月14日録音(9-16)
BUD POWELL(p)
1-8 : CURLY RUSSELL(b) MAX ROACH(ds)
9-16 : GEORGE DUVIVIER(b) ART TAYLOR(ds)
1.I'LL REMEMBER APRIL
2.INDIANA
3.SOMEBODY LOVES ME
4.I SHOULD CARE
5.BUD'S BUBBLE
6.OFF MINOR
7.NICE WORK IF YOU CAN GET IT
8.EVERYTHING HAPPENS TO ME
9.EMBRACEABLE YOU
10.BURT COVERS BUD
11.MY HEART STOOD STILL
12.YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
13.BAGS' GROOVE
14.MY DEVOTION
15.STELLA BY STARLIGHT
16.WOODY'N YOU

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
トラバありがとうございます! (ウフフマン)
2005-11-06 23:33:35
例の女子高校生の件、何かすっきりしませんよね。やはり彼女の現実は彼女しか知りようがありませんし、僕らの現実とは乖離しているようであります。唯言えることは、ブログもでしょうが、孤独な、また自閉的な人であっても、自己表現はしたくなるんじゃないですかね。その表現が余りに、芸がないというか、他人(母親も含めて、自分以外の人)に迷惑なものであるということでしょうか。バド・パウエルの狂気は藝術・音楽でバランスをとり、狂気の世界から戻ります。そのまま、あの世界に入り、もどれなくなる人も多いですし、最後は、狂気の世界に行き来している間に嵌る人は戻れません。藝術は一般に狂気の世界に入り、戻って来るときに凄いものが生まれるのかもしれないですね。
返信する
ウフフマンさん (バブ)
2005-11-07 21:35:27
とてもいやな事件です。

彼女と私の娘はさほど年が違いません。

娘に「どういう心境なのかね、この子」と訊いてみようかとも思いましたが、なんとなく勇気がありませんでした。



今、親が子供達に向き合う姿勢は、とても難しくなっています。そんなことがこんな事件につながる一つの要因だとしたら、私もおおいに反省すべきでしょう。
返信する

コメントを投稿