JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

物語は物語

2008年12月14日 | p-r

寒い、寒い、昨夜は「これでほんとに明日寒くなるの?」てな感じだったのに、今度ばかりは天気予報が当たったようで、足下からゾクゾク来るような寒さです。さすがの私も趣味部屋のストーブを着けずにはいられませんでした。

時は元禄15年、小雪の降りしきる師走は14日未明、寅の刻、突然響きわたる山鹿流の陣太鼓。
 「おのおのがた、討ち入りでござる!」

今日14日は、赤穂浪士討ち入りの日でありますねぇ
この時期になると毎年何処かのTVで、必ず一,二本、ドラマや映画が放映される『忠臣蔵』今年も何処かの局でやるのでありましょうか?

そしてもう一つ、毎年出てくるのが「『忠臣蔵』のここがおかしい、ここが間違っている」って話です。今年も一つ発見しました。

 「おのおのがた お出合いそうらえ 浅野殿 刃傷でござるぞぉ
 殿中でござる、殿中でござるぞ浅野どのぉ!!」

 「おはなしの下され 梶川殿
 五万三千石 所領も捨て 家来も捨てての刃傷でござる
 武士の情けをご存じあれば その手をはなして今一太刀 
 討たせて下され 梶川どのぉ~~~~」

江戸城松の廊下で刃傷に及んだ浅野内匠頭は取り押さえられ、すぐに幕府の命で、芝愛宕下(現東京都港区)にあった旧一関藩の藩主・田村家に預けられて、その後切腹となるわけですが

 風さそう花よりもなお我はまた春の名残をいかにとやせん

これが切腹前に浅野内匠頭が残したという、有名な辞世の句でありますよね。
この辞世の句が、asahi.comの記事によりますと眉唾物ではないかというのであります。

岩手県にある一関市博物館が保管している田村家文書には、松の廊下事件後から切腹までの約6時間が詳細に記されているのだそうで、
それによれば「浅野内匠頭は、事件当日の午後4時すぎ、一関藩邸内の座敷まで駕籠(かご)で連れてこられた。座敷の周囲を板で囲って釘(くぎ)打ちし、室内には便器を設置。一汁五菜の料理を出すと、浅野は湯漬けを2杯食べた。わずか1時間後の午後5時ごろ、幕府から切腹の命が下った。午後6時すぎ、藩邸内の庭に畳を15畳と毛氈(もうせん)を2枚敷き、周囲をびょうぶと段幕で囲って座敷同様にしつらえた場所で、浅野は切腹。遺体は浅野家の家臣2人が引き取りに来たという。文書はその光景を「なかなか目もあてられぬ様子どもにござ候(そうろう)」としている。」
つまり、辞世の句など詠む間もなかったし、誰も聞いちゃいない。さらには、切腹前に訪ねてきた家臣と「主従今生の暇乞」を交わしたなんてぇことは絶対にあり得ないというのであります。

『忠臣蔵』をそのまま史実だと信じている人はほとんどいないでしょうが、それでもこの手の記事が毎年のようにこの時期に出てくるというのは、小さいときから『忠臣蔵』を永遠の美談としてすり込まれ、興味を持たされてきた日本人がいかに多いかという証でもありますし、私もまたその一人なのでしょう。

「おいおい、知ってる、元禄15年の旧暦12月14日午前4時頃は雪どころか、『昼もあざむく月明かり』ってほどの良い天気だったらしいよ。」
「チャンチャンバラバラどころか、方や帷子装備の完全武装体が、寝間着一つで逃げまどう吉良家臣達のクビを、ホクリホクリと打ち落としていったってな様子だったらしいよ。」
「吉良内匠頭って、大石内蔵助の前に引きずり出されたときにはもう死んでたんだってねぇ、そりぁ「吉良殿か?」と訊かれても、「切腹めされよ」って言われても、答えらんねぇはな。」

『忠臣蔵』は物語、しょせん物語は物語なんだから、それでいいじゃん」
まぁ、あたしなんざぁ、そう思うんですがね。
それにしても、国会で刃傷(刀や鉄砲を使ってもらっちゃ困りますから、あくまでも論争でですよ。)事件でも誰かが起こして失脚でもしたら、国民は『討ち入り』をする覚悟がありますかねぇ・・・・もちろん私も含んで。

では、赤穂浪士討ち入りの日の『料理当番、本日の一品』です。

まずは「鶏手羽と大根、大豆の煮物」を作ってみました。
裏側に包丁を入れた手羽は、少量の醤油で下味をつけフライパンで焼き目を付けます。大豆(水煮したものをサッと湯通しして使いました。)を砂糖、ミリン、酒を入れただしで炊いて、そこに大根、手羽、醤油、タカノツメをガバッと入れて、さらに炊きあげました。

私のつまみは「マグロの切り落としのユッケ」。
味付けは、醤油、砂糖、コチュジャン、ごま油、酒、ゴマです。
今夜のお酒も美味しかったですよ。(自画自賛....笑)

さて、今日の一枚は、昨日のマイルスに引き続きビック中のビックジャズメン、チャーリー・パーカーです。

このアルバムは「バードがラテンに挑戦!」みたいな、いわゆる企画もの的一枚のせいか、ヴァーブに残るパーカーのアルバムの中では、比較的マイナーな一枚?
正直、パーカーについて詳しいとは言えない私は、そんな捉え方をしているアルバムです。

でも、でもですねぇ、やはり名手たるものラテンだろうがなんだろうが関係なく良いものは良いのでありまして。例えとして適当かどうかは分かりませんけど、ほら、私の大好きなブラウニーが、無理無理やらされた感のある「WITH STRINGS」でも「それでもブラウニーは良い」と思わせるものがあるみたいに、「パーカーはラテンをやっても、やっぱいいね」みたいな。(この例えは、熱狂的パーカー・ファンには怒られそうですね)

ともかく、今日みたいな寒い日に、この「BEGIN THE BEGUINE」でも聴いて、なんとなく暖かな気分になるのも良いかなぁ・・・なんてね。

FIESTA / CHARLIE PARKER
1951~52年録音
CHARLIE PARKER(as) WALTER BISHOP(p) TEDDY KOTICK(b) ROY HAYNES(ds) JOSE MANGUEL(bongo) RALPH MIRANDA(conga)[1~6,12]
CHARLIE PARKER(as) BENNY HARRIS(tp) WALTER BISHOP(p) TEDDY KOTICK(b) MAX ROACH(ds) JOSE MANGUEL(bongo) RALPH MIRANDA(conga)[7~11]

1.UN POQUITO DE TU AMOUR
2.TICO TICO
3.FIESTA
4.WHY DO I LOVE YOU
5.WHY DO I LOVE YOU (Alternate Take)
6.WHY DO I LOVE YOU (Alternate Take)
7.MAMA INEZ
8.LA CUCURACHA
9.ESTRELLITA
10.BEGIN THE BEGUINE
11.LA PALOMA
12.MY LITTLE SUEDE SHOES



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