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■森本めぐみ展 (2012年6月6~24日、札幌)

2012年06月24日 15時08分12秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 道教大大学院を修了後、美術作家の活動を続けている森本めぐみさん。
 絵画ではアクリルアワード最優秀賞を獲得、現代美術のフィールドでも多彩な活動を展開してきました。

 今回は、昨年に続いて2度目の、temporary space(テンポラリースペース)での滞在制作。
 仕事を終えての制作はなかなか大変で、毎日は来られなかったようですが、ぶじ終了し、当初予定していた会期のあと、さらに1週間、展示用の会期を設けました。

 冒頭の画像が、くだんの作品「舟がくる」です。

 個人的には、最初に見たとき、軽いショックをおぼえました。

 アクリルアワード最優秀作などの画面で、地上いっぱいに広がっていた、赤いドーナツ型の花。
 自分にとっては、それが、森本ワールドの天国、というか、ユートピアのような存在として、とらえられていたのです。

 その夢のような世界に、白い人物が多数侵入して火を放っています。荷物を背負って立ち去ろうとする者もいます(見に来た人が「夜逃げ」と言っていたそうですが)。
 炎上する花々の左右からは、絵の具の跡もなまなましい白い噴流が空へと勢いよくたちのぼって、画面の静穏な雰囲気を暴力的に断ち切っています。



 この画面の世界は、いったい何なのだろう。

 かんたんに答えを出してしまってはいけないと思います。すぐにことばに置き換えられるような世界観の絵画であれば、描かれる必要は、ない。
 だけれども、筆者の目には、理想世界の終焉のようにも見えてしまうのです。


 入り口附近のニッチには、作業服が掛けられ、床にアボガドの乾いた種子がころがっています。

 また、左の壁には、修了以来描きためたドローイングが30点ほど無造作に貼られています。



 おっと、これは、ゴンザレス=トレスとTHE BEGINNING展 (あるいは、森本めぐみは旅をする)で書いた作品のドローイングですね。



 THE BEGINNINGのときよりも、それに先立ち行なった、岩見沢での修了制作展のときのほうがうまくいった-と、森本さんご本人は話しておられました。

 
2012年6月6日(火)~24日(日)11am~7pm、月曜休み
temporary space(札幌市北区北16西5)

□とがったいわ http://mercyard.exblog.jp/

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・地下鉄南北線「北18条」から450メートル、徒歩5分
・中央バス「北18西4」から400メートル、徒歩5分(都市間高速バス「高速おたる号」北大経由でも通ります)


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