北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

07年10月のおもな展覧会

2007年10月31日 23時59分52秒 | 主な記事へのリンク
 10月のおもな展覧会の記事へのリンクです。
 このエントリは随時更新します。

 ■■は、更新時に開催中の展覧会、■はすでに終了した展覧会です。

 ごじぶんのblogに展覧会の記事を書いた方は、ここにトラックバックを送ってくださってかまいません(もちろん、個々の展覧会をとりあげた記事のほうがトラバ先としてふさわしいですが、個々のエントリが遅れる場合が多いので)。

現代美術
■■渋谷俊彦個展
■■SCAN DO SCAN
■■絵画の場合2007
チQ「ギンギラギン」
阿地的空間処理法(試行)

絵画
■■佐藤潤子個展
■■大林雅小品展
■■自我の形象展 6
野本醇個展
藤山由香絵画展「風の音」
開館30周年記念 ジョルジュ・ルオーと三岸好太郎
大島龍展
高橋英生油彩画展
伏木田光夫油絵個展
藤野千鶴子展
益村信子個展 PART17 THE DANCING GALAXY 4
白江正夫展
第31回北海道抽象派作家協会秋季展

彫刻・立体
酒井浩慶展
洞爺村国際彫刻ビエンナーレ
■伊藤隆弘彫刻展
本郷新賞受賞記念 前田哲明彫刻展

版画
■■大本靖展
中谷有逸展
宝賀寿子・木版画「わが街」展

工芸・クラフト
もみじ窯 香西信行作陶展
藤田恵美子展
おおたき北海道陶芸展
毛利史長・河合利昭二人展「参土不一致」
尾形香三夫陶芸展

写真
北海学園大学写真部写真展
第6回NPM展「MY HEARTFUL NATURE 北海道」第1部
サワダケンタロー写真展「必然風景」


第24回読売書法展
第53回札幌墨象会展
恵風会書展

複数ジャンル
出会+再会07展
■大倉集古館の名宝 日本美術の光華
■学生美術全道展
Octob 1
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●絵画の場合、CAIは11月1日まで!

2007年10月31日 23時35分38秒 | 展覧会などの予告
 きょう、林亨個展がギャラリーミヤシタ(中央区南5西20)で始まり、4会場がそろった「絵画の場合」展ですが、そのうちのCAI(現代芸術研究所、中央区北1西28)は、あす11月1日で終了となります。
 まだの方はぜひ! 13-19時です。

□絵画の場合 http://www5b.biglobe.ne.jp/~artnorth/kaiganobaai07.htm


 ところで、ぜんぜん関係ない話なのですが、きょう地下鉄東西線コンコースに
「Sapporo Design Week」
の小冊子が置いてあったのでもらってきたら、あす1日からすごい量の催しが予定されているんですね。
 ぜんぜん知りませんでした。
 時間的余裕があれば、アップしたいと思います。

札幌デザインウイークの公式サイト(だと思う) http://www.hokkaidodesign.com/
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ブログ2周年

2007年10月31日 23時34分41秒 | アートに関するインターネット・ブログなど
 気がついたら、このブログをはじめて2年がたっていました。

 サイト「北海道美術ネット」の「別館」として開始したのが2005年10月21日。

 ここまでつづいてこられたのも、いろいろな作品を見せてくださった画家、美術家などのみなさま、アクセスして読んでいただいたみなさまのおかげです。
 あらためてお礼を申し上げます。

 当初はふたけた、1年前でも200iPぐらいだったアクセス数は、最近は400iP前後を行ったり来たりしています。
 最高記録は、ことし1月9日の1076iP。
 夕張市美術館の話題がヤフーニュースに取り上げられたらしいのが、理由のようです。

 以下、次のとおり。
06年6月5日 975 ip
06年6月3日 859 iP
06年6月6日 562 ip
06年6月4日 492 iP

07年5月30日 464 iP
07年10月29日 451 iP
07年8月21日 同上
07年10月30日 450 iP
06年8月14日 445 ip


06年10月22日の「1周年」エントリ


 ところで、お気づきの方もおられるとは思いますが、冒頭の画像とよく似たアングルの写真を、昨年のおなじ時季に撮っています。
 やはり、今年のほうが、色づきが良いようですね。

06年11月4日のエントリ
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■佐藤潤子個展 (11月4日まで)

2007年10月31日 23時33分06秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 佐藤潤子さん(札幌。道展会員)の絵は抽象画だ。だけど、筆者には、すごくわかりやすい絵だと思える。
 波が激しく打ち寄せる海岸に立ったとき、人は多かれ少なかれ感動する。その感動を、絵にしているのではないかという気がするのだ。
 つまり、海とか、波しぶきそのものを描くのではなくて、
「海から受けた気持ち」
とか
「波の感動」
を描いているのだ-というふうに見ると、とてもわかりやすいといえるのではないか。

 100号以上の大作が16点という、すごいパワー。
 だが、うち道展出品作2点をのぞけば、のこりはすべてこの春から取りかかったと言うから驚くしかない。

 自宅のアトリエはわずか6畳しかない。
 おなじ南区の高齢者施設で絵を教えており、そこの部屋が使えたおかげで、じゅうぶんに制作できたという。


      

 佐藤さんが近年発表している絵は縦に白いロープが巻かれていることが少なくない。
「じぶんと世界をつなぐものなんです」
というような意味のことをおっしゃっていた。
 一方で、「真波-うねり」の連作のように、F100号キャンバス2枚の間の壁に、ロープをはりつけた縦に細長い支持体を、掛けたものもある。
 「真波-うねり」は、流氷の海の航空写真みたいにも見える。
 「重鎮の先生からは『これは具象ではないか』といわれて…」
と佐藤さんは頭をかいていたが、筆者には、具象とか抽象とかそんなことはどうでもいいんじゃないかと思えてくる。

 「真波-うねり I」は、絵の具が乾かないうちに、前述の施設の屋上に出してわざと雨に当てたという作品。
 雨のおかげですこしやわらかい感じになったという。
 リキテックスと油絵の具を混用した絵ならではの実験といえるかもしれない。


      

 絵の具をぶちまけたような作品が多い中で、上の画像の「想い I」は、めずらしく、形態のようなものが見える1点。
 香月泰男のシベリアシリーズで、井戸の底から空を見上げた絵に感動した佐藤さんが
「じぶんも魚になって海の底から空を見たらどんな感じだろうと思って書きました。おこがましいかもしれませんが」。

           

 左側にあるロープは、「真波-うねり」の2枚のキャンバスに挟まれて置かれているのと同じく、日本海の港町で実際に使われていたもの。機械による製造が主流になったいまはほとんど手に入らないそうだ。
 灰色に、漁業者の汗がしみこんでいるように思えた。
 右側の、カラフルな絵は「夕」「陽」「夜」の三部作。
 まず、これに線を引いて気分を出してから、ほかの大作にとりかかったという佐藤さん。
「ははあ、ピアノの練習での『ハノン』みたいなもんですね」
と言うと、きょとんとされてしまった。

 会場全体が、海のうねりに覆われているような、清新な感銘を受けた。


 出品作はつぎのとおり。
「つなぐ I」「つなぐ II」
「夕」「陽」「夜」(以上F100)
「想い I」「想い II」「想い III」(以上F130)
「海風」(P100)
「海へ…’07-II」「海へ…’07-I」「海へ…’07-III」「海風…’06」「海へ…’05」(以上F120)
「真波-うねり-I」「真波-うねり-II」「真波-うねり-III」「真波-うねり-VI」「藻」(以上F100)
「波間」(M40)
「うず潮-I」(P50)
「うず」「初日」(以上F6)


07年10月30日(火)-11月4日(日)10:00-18:00
スカイホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階 地図B)

04年の個展
03年の個展
01年の個展
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晩秋   (これで打ち止めか)

2007年10月31日 23時31分52秒 | つれづれ写真録
 








 ゆく春を近江の人と惜しみける

という芭蕉の句がある。

 梅雨のない北海道人にはわからない感覚だが、西日本には、たしかに春が終わりに近づいて空気の湿り気が増し、長雨の季節が近づいているときの実感というのがあるのだろうか。
 春や夏の終わりはあまりはっきりしない札幌だけれど、冬は、雪が大きな区切りになっているので、とても季節感が豊かだ。

 とりわけ今年は、紅葉の移ろいが絶妙で、ほんとうにわくわくしている。
 まず赤系の葉が色づき、先週後半からはシラカバなど黄色の系統が加わった。同じころ、ドウダンツツジも色づきはじめ、今週に入って輝きを増している。赤系の桜などはこの日曜日あたりから葉を落とし始めている。イチョウは木によりまちまち。のんきなポプラやプラタナスはまだ青々としている。
 2、3日ちがうと、木々の様相はがらりと変わっている。葉が落ちていくのはものさびしいが、これほど季節の微妙な変化が手に取るように分かる年もめずらしいと思う。

 まだ、もうすこし、秋から冬への移り変わりを見ていたい。
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あすは勝たなきゃまずいでしょう

2007年10月31日 23時30分36秒 | つれづれ日録
 
 札幌のマチを歩いている人なら知っている、北1西3の手芸用品店「ます美屋」の店頭にすわっているマネキンです。

 南3西3の中山ミシン店の前でミシンを踏んでいる女性のマネキンや、駅前通の宝石店「玉屋」の男の子、女の子も、ユニフォームを着ているという情報あり。

 筆者が職場で
「いやー、やっぱりあのビルが生えてくるシーンはかっこいいよな。あの使徒の造形的な美しさといったら」
などとひとりごちていても、目の前に坐っていた熱狂的な「野球おやじ」氏は(本来はアニメ好きにもかかわらず)まったく相手にしてくれず
「ヤナイさん! あらゆるゲンかつぎをしてください! これをすれば勝つ、というのがあるでしょう。野球の神様は見ています!」
と訴えていました。

 いや、ほんとにヤバイ。
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11月のスケジュール更新しました

2007年10月31日 01時13分21秒 | アートに関するインターネット・ブログなど
 札幌とその近郊の美術館・ギャラリーのスケジュールを毎月掲載している「北海道美術ブログ」を、10月29日から31日未明にかけて更新しました。
 ケータイのiモードでもご覧いただけます。
 日々の美術鑑賞にどうぞご活用ください。

 筆者が、ギャラリーをまわってあつめたDMやフライヤーと、直接筆者のところに来た案内状、メールなどが、もとの資料になっています。
 太字で表されている展覧会は、筆者のところに直接情報がとどいたものです。

 新聞や雑誌からの転載はしていません。ネットにしか出ていない情報も、原則としてコピーしていません。
 したがって、すべての展覧会を網羅しているわけではないことは、ご理解ください。

 あたらしい情報が入り次第、随時更新します。

http://bijutsu.exblog.jp/

 もし誤りがあれば、ご指摘いただければ幸いです。また、おまえのところでなんて紹介するな、という方もコメントかメールをください。

(誤記による責はおいかねます)
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07年10月29・30日(1) 音楽処に入ってみた

2007年10月30日 23時21分26秒 | つれづれ日録
 
 29日は休日。
 どうしたものか、体がだるくて、終日寝ていた。




 30日は仕事。

 バスをおりて、狸小路の2丁目を歩いていたら、「音楽処(どころ)」の看板がわたしを呼んでいるような気がしたので、はじめて入ってみた。

 感動その1。
 北海道のインディーズのベストテンの棚がある!

 その昔、自主制作盤を出すというのはたいへんなことだったし、作っても流通の場がごく限られていた。
 こういうマチのCDショップで、そこらへんのにーちゃんねーちゃんが作っているアルバムが、ふつうに売られるようになったのだ。
 これ自体は、すごく良いことだと思う。

 感動その2。
 SOPHIA(ソフィア)のでかい看板が店内に立っていた。
 いやー、松岡君たち、義理堅いなあ。

 事情をご存じない方のためにちょっと書いておく。
 ソフィアというのは90年代から人気のあるロックバンドだが、無名のころにはマルサ2(現パルコ別館)の上にあった大型CD店「玉光堂 PALS 21」にお世話になったとして、同店を大事にしており、閉店する日にはわざわざ駆けつけたほど。音楽処は、同店の店長だった人が独立して始めたお店なのだ。

 なんだか気分が良くなって、ソフィアの新譜ではなく、安かったエンヤの輸入盤、道内インディーズ・ベストテンの6位に入っていたレゾンデトール(これはジャケ買い)、ソウルフラワーユニオンの「シャローム・サローム」と、3枚も買ってしまった。

 この3年ほどで音楽とすっかり遠ざかってしまった感じがする。
 もっとも大きな要因は、自宅のCD置き場が満杯になってしまい、もはや空きがないことであろう(いや、トシをとってしまったことか)。

 次いで、ラルズプラザの8階でひらかれている「絵画バザール」をのぞく。

 先日の道新に大きく出ていた、神田日勝の未発表作もあったが、すでに売約済みの札がはられていた。
 木田金次郎の、見たことのない絵もあった。2602年作、とあったので、かなり早い時期と思われる。また、坂本直行のわりと大きな風景画の油彩もあった。坂本直行は、出ているものは多いが、大半は色紙とか淡彩なので、これは上作だと思う。いずれも売約済みだった。

 とにかくいろんな絵があり、しかも安いので、好きな人は見てみるのも一興かも。
 11月6日まで。

 外に出てみると、100円ショップ「キャン・ドゥ」の撤退したあとに、BOOK OFFが開店準備していた。
 電車通りの西6丁目にある店が移転してくるようだ。

 南1西2のドトールコーヒーがあった場所(らんたんビル1階)にはいつのまにかリーガルシューズが入店しているし、札幌のマチは変化が早い。 

(長くなったので別項に
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07年10月29・30日(2)

2007年10月30日 23時21分05秒 | つれづれ日録
承前

 30日のギャラリーまわりは
→アートスペース201
→さいとうギャラリー
→スカイホール(佐藤潤子展
→大同ギャラリー
→富士フイルムフォトサロン
→ギャラリーたぴお(自我の形象展 6
→札幌時計台ギャラリーA室
で時間切れ。

 さいとうギャラリーは、全道展の大ベテラン八木保次さん・伸子さん夫妻が教える「ぐるーぷマルディ展」と「みちの会展」の教室展ふたつ。
 保次さんは、ますます爆発的でしかも哀感ただよう抽象画「秋の終わり」を、
 伸子さんは、かわいらしい小品「リヨン駅(パリ)」を、
 もうひとりの講師、中田やよひさんは、大作「Impression 春」と小品「ロンドン人形」を、
それぞれ出品している。
 八木伸子さんがいらして、「一枚の絵」のお話など聞く。

 スカイホールに行くと、わざわざ室蘭からいらした画家のKさんにばったり会う。
 また、会場にいた、札幌の道展会友のNさんには、ダルビッシュ投手のサイン入りBB人形の写真を見せてもらった。
 日本シリーズ第1戦を、前から3列目で見て、試合後にダルビッシュ投手が投げ込んでくれたのをゲットしたらしい。すごいな。

 佐藤潤子展については別項。なかなか迫力ある絵画展であった。

 時計台ギャラリーの小野司絵画展もすごい迫力。
 木の枝の集積を描いているようなのだが、1本1本がぐにゃっと曲がっているので、チューブのようにも見える。
 「大地の記憶」と題された1点なんぞは、それぞれに悪意の感じられる顔が描かれてあり、なんだか夢に出そうだ。
 キャンバスではなく、紙に描いて壁にじか貼りした作品も多い。

□小野司さんのサイト http://homepage1.nifty.com/onotsu/tsukasa-index.htm
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晩秋に近づく

2007年10月30日 23時20分40秒 | つれづれ写真録

 ほんとうにしつこくてすいませんが、まだ在庫があるので…。

          

 南区澄川6の11。


          

 北区北25西7。


          

 北区北25西5。サンプラザの裏がうつくしい並木道になっている。


          

 中央区北3東5、サッポロファクトリー・レンガ館。
 つぎも同様。

          


 中央区大通公園の12丁目。

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■第24回読売書法展 (10月28日で終了)

2007年10月29日 21時11分22秒 | 展覧会の紹介-書
 読売新聞のサイトによると
今年は全国から漢字、かな、篆刻(てんこく)、調和体の4部門に計2万9506点の出品があり、道内からは入賞・入選に計297人が選ばれました。入賞(読売奨励賞、特選、秀逸)、入選作品(北海道関連分)、読売書法会役員から選ばれた読売大賞と準大賞、同会役員の新作計396点を展示します。

ということらしい。
 毎日書道展を脱退した書家たちにより結成されてまだ四半世紀というのに、応募点数からいえば、毎日展に匹敵するような大規模な書展になったということだ。
 

 引用部分からもわかるように、近代詩文のことを「調和体」と呼び、墨象や前衛部門は存在しない。
 札幌展の会場では、部門別ではなく、取り混ぜて展示がされていた。
 引用部分には「役員」という語があったが、読売書法会のサイトを見ると

最高顧問、顧問、常任総務、参事、董事、常任理事、賛助会員、参与、理事、幹事、評議員

となっている。しかも、幹事は4000人、評議員は2000人という。
 読めない役職もある(笑)。
 こんなにたくさん役職をつくって、会の人もちゃんとわかっているのだろうかと、心配になる。
 札幌会場をふくめ、全国を巡回しているのは、上から三つ、「常任総務」までの作品である。
 計21人(故人ふくむ)だが、女性がひとりもいないというのも、いまどきすごい。

 昨年、筆者は、毎日展を見ずに、読売書法展の会場に足を運んだのだが、ことしは毎日展も見ている。
 よって、おのずから、感想も変わってくる。
 これは、個人的な感想だから、賛成できない人も多いだろうけど、毎日展にくらべると読売書法展は、全体的に、一言で言って
「ぬるい」
と思う。
「微温的」
といってもよい。
 毎日展のほうは
「現代的な書とは、どういうものか」
を考えながら、ああでもない、こうでもないと、いろんなことをやっている人たちの作品がならんでいた。しかし、読売書法展のほうは、そういう苦闘とか試行錯誤とか模索への力といったものが、ほとんど感じられない。
 早い話、墨色に工夫を凝らした漢字の大字作品とか、字の配置とか全体の余白に意を用いた作品というのは、まったくと言っていいほど見あたらなかった。
 いいかえると、作品にバリエーションが乏しいということだ。
 しかも、道内からは、漢字の大字の応募がほとんどなく、かなと調和体(それも紙を横長にしたもの)ばかりが出品されているので、よけいに会場が単調に感じられる。
 まあ、感覚は人それぞれであり、毎日展や道展のぎらぎらした熱気より、こっちのほうがお習字らしくて落ち着いていて良い、という人もあるだろう。
 読売展の美質は、読める作品が多い(ただし、もちろんかなはのぞく)ことだろう。調和体の書も、芭蕉など、多くの人が知っている古典や、新字新かなの口語文を選んでいることが多いので、すんなり読めるのはうれしい。

 幹部役員の作品では、ことしも桑田三舟がおもしろい。
 小野小町、清少納言、紫式部の、百人一首から三人の歌をとりあげて「女歌」と題して書いた作品は、かな書としての伝統を保ちながら現代人にも読みやすく、清新さと緊張感がある。一方、もう1点、柿本人麻呂の「月」は、相当に難解な運筆であり、2点あわせて、かな書の個性的な展開が見えてくる。
 新井光風の「居処幽」は、篆刻作品を拡大してそのまま書にしたような作品。結構は安定していながら荒削りな魅力がある。
 それにしても、ことしも草野心平の詩を書いている人がいるが、あいかわらず原詩にあった句点を勝手に省き、行がえも改作している。どこで行を替えるか、ということについて、詩人が文字通り心血を注いでいることを、この書家はまったくわかっておられないようである。あの行末の句点だって、草野心平がでたらめに打っているものではないのだ。

 情けない気持ちになって会場を見渡せば、一般出品では、正字と新字がおなじ行に混在していたり、新旧のかなづかいがごちゃ混ぜになっている作品も散見された。
 書の研鑽と同時に、日本語力もみがいてもらいたいと思うのであった。

 バリエーションの乏しいなかで、かな書の夕下季子は剛直でパワフルな筆致が目を引き、斧岳葉は、散らし方に意欲を見せている。
 西枝千春の行書は、マジックインキで書いたような、独特の潤滑と運筆がおもしろい。

 最後に、阿部和男の調和体を引く。
幸福が訪れたら
それを楽しめ

不幸が訪れたら
それに耐えよ

耕作者が作物の
収穫期を待つように

時が至るのを
待つべきである

 上村勝彦著「始まりはインドから」筑摩書房
 インドの古典「マハーバーラタ」より


 この人は、たぶん、道内のかな書家を代表する一人である阿部和加子のご主人であり、本職は小児科医であるはずだが、書風は奥様とあまりにていない。
 ほかの調和体書家からもほとんど独立した作風だと思う。
 というか、うまいかヘタかと言われれば、どちらかというとヘタだと思うし、出版社名などを入れるのはおかしい(でも、これはこれでいい)と思うのだが、それにしても、全体からにじみ出るしみじみとした味わいは、すばらしい。
 お師匠さんの言われたとおりに書く凡百の書き手が、とうてい達し得ない境地であり、個性である。

 会場で、いま東京・高島屋でひらかれている村上三島展のチラシをいただいた。
 筆者にとって、この巨匠の作品のない読売書法展は、初めてである。その欠落感は、やはり大きい。
 ところで、会場のSpicaは08年春で閉鎖されるのだが、来年からはまた札幌市民ギャラリーにもどるのだろうか?


07年10月25日(水)-28日(日)10:00-17:00(最終日-15:00)
札幌メディアパーク・スピカ(中央区北1西8)

□読売書法会 http://event.yomiuri.co.jp/shohokai/

第23回展
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■野本醇個展 (10月27日で終了)

2007年10月29日 21時10分46秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 うまいことばが見つからないのだが「精神的深みのある抽象画家の系譜」というのが、北海道ゆかりの画家に、たしかにあるのではないか。
 野本さんの絵を見て思い出すのは、難波田龍起さん、小谷博貞さん…といった画家たちである。
 つまり、純粋に色やフォルムを追究しているだけではなく、画面の奥に、人間の生と死について深く問う姿勢が息づいているのだと思う。

 野本さんの作品は、暗い空間に、茶系の大小の円が数個浮かび、中央部に白っぽい縦長の形が描かれているものが多い。
 開けかけたとびらの向こう側から光が漏れてきているような構図である。
 それは、闇の中の希望にも見える。
 円は、キャンバスに小さな穴があいているので、直接コンパスのようなものを当てて描いているらしい。
 深みのある色調にもかかわらず、塗りは薄く、近づいてみると、キャンバスの布目がわかるくらいだ。

 ところで、今回の個展で、野本さんの具象画を初めて見た。
 「とりと館」「海ととり」など、小鳥が描かれた、落ち着いた筆致の作品である。
 薄塗りや、茶や黒を基調としたタッチは、大作の抽象画と共通している。簡素なフォルムは、小川原脩さんの絵を連想させた。

 野本さんは伊達市在住。主体展と全道展の会員。


 出品作はつぎのとおり。
花とレモン
笛を吹く女神
夏の想い出
とりと館
海ととり
街ととり
小さな静物たち
窓あかり
光のなかの静物
北窓の卓上
冬の月
白いつぼ
優しい季節
季節の扉
優しい陽光
残照
冬の残照
季節のとびら'06
月あかり
不安な天体
港の情景


07年10月22日(月)-27日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

□だて市役所デジタルギャラリー http://www.funkawan.net/gry2.html(野本さんの作品画像あり)
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07年10月28日は5カ所

2007年10月28日 23時24分38秒 | つれづれ日録
 
 ことしの紅葉はみごとな色づきで、興奮ぎみにシャッターを押す日々だ。あたたかい晴れの日がつづいたおかげだろう。
 南区の或る斜面と空き地に、タンポポがたくさん咲いていた。
 枯れ葉のなかにタンポポが開花しているのはおもしろい。

 しかし、よく考えてみれば、キク科の植物は秋も半ば過ぎに花を咲かせるものが多い。

 さて、昼から出かけて、まずスピカで読売書法展を見る。
 先日立ち寄った書展の会場に、招待券が置いてあったのだ。

 次いで、札幌宮の森美術館で、先日始まったSCAN DO SCAN展ギャラリートーク。
 これについては別項で。

 東西線で西11丁目へ。
 ADPギャラリー
→札幌市資料館
→ギャラリー創

 ADPギャラリーは、旧北海タイムスのビルの裏通りにある「アラゼンビル」の3階にあるギャラリーで、以前は小樽商大写真部の展覧会などをひらいていたところである。けっして新設ではない。
 「G.A.A.L&北野原葉子展」がきょうまでひらかれていた。
 G.A.A.Lというのは、造形作家の伊賀信さんのユニット。展示作品は、7月にギャラリー創でひらいた展覧会のときとまったくおなじだった。
 北野原さんという方は後志の羊蹄山麓にお住まいの方らしい。精緻なタッチで、ススキ原などの自然を描写していた。

 札幌市資料館では、水彩のグループ展ふたつを見た。
「サークル防風林展」は、森木偉雄さんから佐藤信明さんに講師が引き継がれていた。
 久野省司さん「運河のある街」など、じょうずだと思った。
 以前、札幌時計台ギャラリーで、川端康成の緻密な鉛筆デッサンを展示していた田中芳明さんもここのサークルの一員らしく、こんどは土門拳の写真をもとに、イサム・ノグチの肖像を模写している。相当な腕だ。これを水彩に生かしたら、どんなふうになるのだろう。

 「一期一絵」展は、透明感あふれる肖像や風景の水彩で知られる函館の国井しゅうめいさんに習った人たちのグループ展だが、めずらしく、国井さんの作品はない。
 佐藤孝さん「水あそび」、今井広志さん「親子で水遊び」など、濁りのない明るい画調は、国井さんゆずりだろう。
 村松鞠子さんは「『秋』が来て」など3点を出品。水彩ならではのにじみをいかし、さまざまな色を散らしながらも破綻なく画面をまとめている。聞けば、使っている色は数色だという。配置がうまいのか、もっとたくさんの色を使っているように見える。
 山本實さん「冬の暗い日」も気に入った。暗いといっても、国井さんの門下生だから明度は低くない。海辺に建つ単調なコンクリートの建物を根気よく丹念に、曇天の光の調子を考えた上で描き分けているのには感服してしまう。

 ギャラリー創では、吉田一雄展(29日まで)。
 旭川の画家で、今回は大小約40点の抽象画を展示。オールオーヴァーに模様がひろがる、明るいかろやかな作品だ。

 筆者は吉田さんの作品をずっと、モノクロームだと思っていた。
 それは、吉田さんの個展案内はがきがモノクロで印刷されていたがためのカンチガイであった。

 お聞きすると、ことしで78歳になるとのことで、驚嘆。
 とてもお若い。(ご本人も、画風も)
 29歳で道展会員になったが、その後は公募展をいっさいやめて、個展中心に活動しているとのこと。札幌ではまいとし「パークギャラリー」を会場にしていたが、閉鎖されてしまったので、パークにいちばん近いこのギャラリーに移ってきたようだ。いろいろ興味深いお話をうかがった。
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柔らかタッチ 水彩3点寄贈*苫小牧市博物館へ画家・木村さん*「身近な風景に美」

2007年10月28日 21時52分11秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞の10月16日夕刊苫小牧版から。

 苫小牧市春日町在住の水彩画家、木村好(よしみ)さん(72)が十六日、苫小牧市博物館に、自作の三点を寄付した。いずれも透明水彩を使って柔らかなタッチで仕上げた風景画だ。

 三点は、苫小牧市内の小さな滝を描いた「新緑の渓流」(20号)、安平町早来の晩秋風景をモチーフにした「離農の館」(同)、イタリア旅行でのスケッチをもとに制作した「ベネチア風景」(40号)。いずれもこの数年で描き上げた。

 長く小学校で教壇に立つ傍ら、風景画を中心に透明水彩で作品を描いてきた。

「身近な何げない風景に、はっとする美しさがある」と木村さん。今も苫小牧高専や子ども絵画クラブで絵を教える。初心者にも風景画を勧めるという。「静物画や人物画はデッサンの狂いが気になりやすいが、風景画は大胆に描けるから」と話す。博物館では企画展のテーマに応じて活用していく方針だ。
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夜の紅葉

2007年10月28日 19時24分29秒 | つれづれ写真録
 




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