(承前)
3月14日のシリーズの続きです。前回の更新から間隔が開いて、申し訳ありません。
山下圭介さんは香川県生まれ。奈良県の教員大学に進んで美術を学び、現在は北海道教育大岩見沢校で彫刻を教えています。
3月に北翔大学札幌円山キャンパスで開かれた「Work In Progress 12」展では、アトリエを再現したような展示をしていました。
胆振管内白老町で開催中の個展では、昨年の「 . . . 本文を読む
本郷新記念札幌彫刻美術館で冬の恒例として毎年1月に開かれている「さっぽろ雪像彫刻展」の参加美術家・工芸家ら5人による作品が、ことしもさっぽろ雪まつりの大通会場に登場しました。
昨年と同じ6丁目会場です。
以前も書きましたが、さっぽろ雪まつり全体では、国際雪像コンクールを除けば、商業主義的な雪像やテレビ由来のキャラクターなどが多くを占めており、純粋に見て美しい物は意外と少ないのが実情です。こ . . . 本文を読む
北海道を代表する石の彫刻家、渡辺行夫さん(小樽在住)が、昨年の500m美術館での個展「資源カメラ」の第2弾を開いています。
先に石の彫刻家といいましたが、この10年ほどは、イタドリを材料にしています。
昨年、右肩を痛め「イタドリにしていて助かった。石なら持ち上げられない」と言います。もちろん、この事態を想定して素材を変えたのではありません。
道民の多くは知っていると思いますが、イタドリ . . . 本文を読む
2010年から毎年、さっぽろ雪まつりより少し早めの時季に開かれている雪像彫刻展。
筆者が札幌にいなかった新型コロナ禍の年にも欠かさず開かれているようです。
今年の最大の特徴は、参加者が増えて、いつもの本館の前だけではなく、記念館の前にも2基つくられたことでしょう。
観客も多く、さっぽろ雪まつりとは一味違う雪像の催しとして市民に定着した感があります。
その一方で、とても1月下旬とは思えな . . . 本文を読む
(承前)
帯広・真鍋庭園の中に
「オープンギャラリー 森の木」
という一角があり、2018年の半谷学さんを皮切りに3カ月ずつ屋外展示をしています。
今秋は、山本果林展―「つくも」たちの住処が開かれています。
山本さんは1992年神奈川県鎌倉市生まれ、2013年にイタリアに渡り活動しています。
「つくも」は、古いモノや道具に宿る付喪神のことでしょうか。
これらの作品も夜になるとざわ . . . 本文を読む
東京から帯広を経て十勝の豊頃町に移ったのちも精力的な活動を続けている白濱雅也さん。
今春には1年間の期限つきながら突然礼文島に転居して周囲を驚かせました。
個人的には絵画やポップな立体造形のイメージが強い白濱さんが木彫だけの個展を開くのは意外な感じがしました。
ただし、札幌国際芸術祭(SIAF2017)の関連プロジェクトではクマのお面のような木彫を発表していますし、本郷新記念札幌彫刻美術 . . . 本文を読む
本来ならば「2024年9月1日に訪れたギャラリーは9カ所」の記事中に書くべき話題ですが、規模の大きいインスタレーションだったので、とりあえず別項目を立てました。
公式サイト(
https://meinichi2024.my.canva.site/ )からコピペします。
植物の「命」に向き合い続ける
植物作家 松井 香菜子。
子どもという「命」と共に学び合い、
芸術家でもありながら教 . . . 本文を読む
(承前)
エミール・クストリッツァ監督のカンヌ映画祭グランプリ作みたいな題名を記事につけてしまいましたが、いま(2024年7月)JR札幌駅構内に行くと、「出張中です」の表示が本当にあります。
2014年に設置され、木彫家・藤戸竹喜の知名度を一気に高めた「ウレシバモシリ北海道イランカラㇷ゚テ」(ㇷ゚は小さいプ)の像が、胆振管内白老町の国立アイヌ民族博物館で始まった「藤戸竹喜の世界展」の、 . . . 本文を読む
(承前)
1947年生まれで、鉄による大型野外彫刻が道内各地にあることで知られる札幌拠点の彫刻家、國松明日香さんの個展が、胆振管内白老町にことしオープンした brew gallery で開かれています。
94年以降の彫刻作品17点と、ガッシュなどによる平面の小品10点が展示されています。
國松明日香さんは東京藝大を卒業、同大美術研究科彫刻専門課程を修了。20代の頃には版画にも取り組み、第 . . . 本文を読む
針金によるモビールでインスタレーションをつくる札幌のJobin.(じょびん)さん。
昨年は10回以上の個展・グループ展をこなす精力的な活動ぶりでしたが、今年も、札幌市西区の音楽ホールのこけら落としや、銀座での個展など忙しいようです。
今回は喫茶「一粒の麦」による企画展で、同店など「御幸通り」に店を構える4店舗にJobin. さんの作品が展示されているそうです。
Jobin. さんの . . . 本文を読む
2010年からほぼ毎年個展を開き、新作の木彫を発表している北村哲朗さん。
登別市在住ですが、伊達市大滝の作業場で創作を続けています。
今回も、さまざまな樹種による大作や小品が並びました。
イタヤカエデの一本の木による「風のトルソ」。
まず、今どきこんな巨木があることにおどろきましたが、北村さんに話があったときは「このままだと薪になっちゃうよ」と言われたそうです。
木の中の空洞な . . . 本文を読む
プロフィルに
「かわいいモノしか作りません。」
と、一言だけしか書いていない札幌の木工作家キシモトユキオさんですが、決してラブリーな動物の置物などをこしらえているのではなくて、茶廊法邑にコンセプチュアルな立体を並べたり、ギャラリー犬養の中庭に巨大な鳥かご状の立体を据え付けたり、かなりいろいろな作品を作っているという印象が筆者にはあります。
ただ、今回はわかりやすい小品が中心かも。
「薄明光 . . . 本文を読む
さっぽろ雪まつりでは、大通公園2丁目会場が札幌国際芸術祭SIAF2024に割り当てられたことが話題になっていますが、芸術祭とは関係なく、6丁目会場に美術家・工芸家5人による雪像がつくられています。
市民小雪像や大雪像とは異なる、造形にすみずみまで意を用いた作品になっているので、アートクラスタはぜひ足を運んでください。
6丁目の、野外ステージのすぐ前側に、ひとまとまりになって並んでいます。
. . . 本文を読む
針金や綿などを用いてモビールをつくるjobin.(じょびん)さん、毎年年末恒例の、ト・オン・カフェでの個展。
それにしても、数え間違っていたらごめんなさいですが、今年は個展8回を含む計12回という、ものすごい展示をこなしており
「今年いそがしかったで賞」
を差し上げたいくらいの活動ぶりでした(もうひとりの授与者は楓月まなみさんです)。
2023年12月12日(火 . . . 本文を読む
登別在住で、伊達市大滝の作業場へ通って制作を続けている北村哲朗さんは、いま間違いなく、道内で最も精力的に活動する彫刻家です。
この14年間、ほぼ毎年個展を開き、新作を発表している人はいません。
そもそも画家にくらべて彫刻家は人数が少ない上、搬入搬出に手間がかかります。その制作ぶりには、頭が下がります。
北村さんの木彫は、表面をつややかに仕上げることはなく、削り跡が残ります。着彩もしませ . . . 本文を読む