北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

越後妻有・松代の街道沿いに 06夏休み(29)

2006年09月30日 00時45分57秒 | 06夏 越後妻有など
 松代商店街、通称「松之山街道」の続き。古い家と街並みがすきな筆者は、もう大喜びである。冒頭の画像はお茶屋さん。渋いなあ。
 つぎは肉屋さん。
       

 自動車交通が国道に回ってしまったこともあるし、たたんでしまった店も散見され、「活気あふれる」とまではいかない。それでも「さびれてしまった」というほどではなく、いい感じで店と家がたちならんでいる。
 それらの店先や空き店舗を利用するかたちで、作品が発表されている。
            

 つぎの画像は、スペインのホルヘ・バルビの「緑の道 白い道」。
 松代地区の、夏通れる道路と、冬に通れる道路とを、図案化した作品だ。
       
 これを見ると、いまでも冬になると除雪されていない道路がけっこうあることに気づく。
 妻有地区の「集落」とは、雪の季節でも徒歩で行き来できる範囲のことだと、地元で聞いた。それは、よくわかるような気がする。
 人々は、雪に押しつぶされそうになりながらも、雪と共存しながら何百年という時を紡いできたのだ。

            
 これは、オノレ・ドゥオー(ベルギー)「法廷」。
 作品もさることながら、バックの家がいい感じだ。
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北海道は現代アートが盛ん、といわれるようになれば…

2006年09月29日 07時04分40秒 | つれづれ日録
 9月23日のつづき。

 CAI(現代芸術研究所)ではじまった渋谷俊彦さんの個展のオープニング。
 現代美術家の端聡さんと、岡部昌生さんのベネチアビエンナーレ出場の話になった。
「なにがすごいって、北海道に住んでるままっていうのがすごいよね」
と端さん。
 なんだかんだ言って、日本の現代美術は、ほとんど関東と関西に住んでいる人によって、関東と関西で発表される作品で、シーンがつくられているといってよい。北海道に現代美術があることを知らない人も多いんじゃないか。
 岡部さんは、東京に転居することなく、世界の切符を手に入れたのだ。
 端さんは
「これで、北海道の現代アートに目が向いてくれればいいんだよね」
とも言っていた。
 川俣正さんは三笠出身だし、國安孝昌さんはたしか十勝の出身。そして、端さんとか、艾沢詳子さんとか、ほかにもいろんな作家が活動中であることに、注目が集まれば、おもしろいんじゃないかと思う。

 渋谷さんの展覧会の紹介、早く書きます。

(追記)このとき、端さんから、11月に近代美術館でひらかれる現代アート展「FIX! MIX! MAX!」についての資料もどっさり渡されたので、近々アップします。
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2006年9月のおもな展覧会

2006年09月29日 06時32分20秒 | 主な記事へのリンク
 ■■は、この文章を更新した時点で開催中の展覧会、■は終了済みの展覧会です。このエントリは随時更新します。

現代美術
■■北の彫刻展
GUNDAM 来たるべき未来のために 続きはこちら
山本祐歳 Metamoric Animal X
Hiroshi Takeda a.k.a. Azkepanphan [Utopia MoMo-lro2]

絵画
第26回道彩展
中間弥生個展
亀井由利個展
北浦晃 自選による絵画展「風景」
塚田進自選展
田中進油絵展
小樽・美術家の現在 小川清展
会田千夏・久保綾乃二人展
千代明個展
川口浩個展
作家集団「連」展(小樽)
第59回小樽水彩画会展

版画
金沢一彦銅版画展
矢崎勝美展

彫刻
小樽・美術家の現在 鈴木吾郎展

工芸
萩焼 守繁栄徹 喜寿陶歩 徹父子展
谷和行ガラス展
坂田雅義陶芸展
松原成樹展


藤根星洲展
馬場怜書展

写真
■■北海学園大II部写真部写真展
服部冬樹写真展
北海道大学写真部展
足立成亮「キエユクモノ」
小樽鉄路写真展
二番街ddd ART

複数ジャンル
WAVE NOW '06

公募展
第39回道美展
第51回新道展
自由美術北海道グループ展
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北海学園大学II部写真部写真展(10月1日まで)

2006年09月29日 06時23分46秒 | 展覧会の紹介-写真
 北海学園大学II部写真部、通称「にぶしゃ」の写真展。1990年代、札幌の学生写真界でひときわ熱のこもった展示を見せていた「にぶしゃ」も、近年は部員数が減って、心配でしたが、今回はおよそ20人が出品し、ふたたび元気なところをみせています。
 にぶしゃといえば、ちょっと濃い目で、コントラストのきつめな焼きが特徴という印象がありますが、これは筆者の好みです。また、フレームの部分はわざとぎざぎざを残し、手づくりっぽいところを見せています。
 印象にのこったのは、夜景にきっちりと向き合った荻野昌崇さん、アパートの階段の後ろからなど、手前になにかをなめて撮った写真のうまい齋藤祥太さん、地面などの水をテーマにした岩城光寿さん、函館のハリストス正教会をコントラストの強い焼きでとらえた奥野満希子さんなどです。
 いずれも、華やかさはないですが、じっくりと風景に対峙しています。
「これからも、銀塩写真は、僕たちのために」
という、伊藤琢真さんの決意表明も、その意気やよし、ですね。
 今回は下級生にデジタルのカラー写真が多いのですが、彼ら、彼女らも、モノクロ銀塩写真の技法を、きっと引き継いでくれるのではないでしょうか。

9月26日(火)-10月1日(日)11:00-20:00
ほくせんギャラリーivory(中央区南2西2 NC HOKUSEN ブロックビル4階 地図B
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第26回道彩展(9月24日で終了)

2006年09月29日 04時57分49秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 3年ぶりに見ました。会員・会友を中心に、激しいタッチの具象画(静物、人物など)が多いのは、変わっていませんが、それ以外の傾向の作品も少しずつ出てきているようでした。「北海道水彩画会」を名乗るのですから、いろんな種類の絵があったほうが面白いと思います。
 たとえば、抽象では、長く栗山巽さん(江別)が宇宙的な広がりのある画面で、孤軍奮闘してきた感がありますが、今回は辺見富美子さん(同)が深みのある抽象作品を出していますし、青木美樹さん(小樽)は白い紙をぬらして貼り付けるという技法で「雪国」を表現しています。
 折登朱実さん(札幌)は、ここ数年、札幌・苗穂地区の風景をモティーフにした絵が多いように思います。ただ、茫漠として、霧の中に存在がかすんでいくような感じは変わりません。その画風は、今村紀子さん(同)にも共通します。題には「morning mist(チャオプライヤー河・タイ)とありますが、暗い地に白い色がただよっているように見えます。一方、中田やよひさん(同)は静物画で、やはりおぼつかない存在に迫っています。
 なお、中田さんの作品の題が目録では「テーブルの猫」となっていましたが、会場では「between」になっていました。実際の絵では猫はテーブルではなくいすにすわっているので、後者が正しいのでしょうか。
 道彩展に多い、激しいタッチの絵では、魚介類を描いてきた川本エミ子さん(石狩)「月海」が、抱き合おうとしている男女をモティーフにしているのが目を引きます。といっても、周囲にはイカや海が配されているのですが。なぜか、筆者は、クリムトを思い出しました。
 会員では、ほかに、オーソドックスな写実の小堀清純さん(札幌)、咲き乱れるバラをいっぱいに、黄緑の諧調ゆたかに描いた合田早苗江さん(同)、つつじのオレンジがまぶしい生越俊子さん(同)、明度の高い色で豊平峡ダムを描いた武田輝雄さん(同)など。また、谷口満次郎さん(同)「忍路(おしょろ)海岸」のさびしげなところや、中橋るみ子さん(同)「凍る海、夕景」の港の風景が、心にのこりました。

 会友では、大橋頼子さん(札幌)「樹彩」がとてもおもしろいです。リアルな小鳥の描写と、色面に分割した幹の描写の対比。さらに、あざやかな黄緑の発色など、個性的な1枚です。会員推挙。

 一般。
 横山順一郎さん(苫小牧)「漁船群」。カンバスに描いているようです。船をかたまりとしてとらえ、構図にめりはりができています。奨励賞。
 丹保恵利子さん(江別)「紅色のサンゴ草」。一面の赤がまばゆいです。
 松井志津子さん(渡島管内七飯町)「その先にあるものII」。なにが描かれているのがよくわからないのですが、切迫感のようなものがつたわってきます。
 木田喜重さん(札幌)「窓辺のテーブルと紫陽花」。ボナールをおもわせる、しゃれた作品。
 太田智子さん(同)「静物」。ものの本質に迫ろうとするタッチだと思います。札幌市長賞。
 大山栄子さん(北斗)。奨励賞。乱反射するレモンイエローがきれい。
 松原道興さん(札幌)「北商橋」。シルクスクリーンのような色彩表現です。
 風景画では、北大第二農場をモティーフとした柴垣誠さん(同)「悠遠」と、小樽運河をひじょうに丁寧かつ精緻に描いた久野省司さん(同)「運河の有る街」が目を引きました。道彩展の一般的な傾向とはことなる写実的な画風ですが、ここまでうまいと、こういう人もたいせつにしたいものだと思いました。

9月20日(水)-24日(日)10:00-18:00
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6 地図G) 
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越後妻有・松代へ 06夏休み(28)

2006年09月28日 21時22分33秒 | 06夏 越後妻有など
 明けて8月16日。東京を経て札幌に帰る日。その前に、越後妻有アートトリエンナーレで、見に行かなくてはいけないところがある。
 きょうも晴れて、暑い日になりそうな気配だ。
 前日のバスツアーで立ち寄るものとばかり思っていた松代(まつだい)地区。けっきょく農舞台にしか行かなかったので、16日の朝にひとりで訪れることにした。松代には、ことし出品の池田緑さん(帯広)の作品があるのだ。越後妻有に行くかどうかまよっていた筆者に芸術祭のちらしを送ってくれ、いわば「背中を押してくれた」のも池田さんであり、「北海道美術ネット」としては見ないわけにはいかない。
 松代は、筆者が泊まった十日町から「北越急行ほくほく線」に乗り、つぎの駅だ。
 列車は、信濃川を渡り、長いトンネルを抜けて、数分で「まつだい駅」に着いた。

 ちなみに「ほくほく線」は1997年、第3セクターで開業した、歴史の新しい線路である。
 東京から富山、金沢方面に向かう際、上越新幹線で越後湯沢まで行き、そこから、ほくほく線を経由する特急に乗るのが最も速い。したがって、十日町を通る特急の本数もけっこう多い。
 ただし「まつだい」は、各駅停車しか止まらない。

 松代駅は国道253号に面してたっている。
 すぐ裏手に、昨日立ち寄った「農舞台」がある。
 また、十日町では一度も見なかった、コンビニがある。
 国道は、宿場町だった旧道とは、数百メートル離れ、平行して走っている。
 
 冒頭の画像は、開催エリアのあちこちに立っていた、ポルトガルの作家ジョゼ・デ・ギマラインス「大地の芸術が始まるサイン」。
 15日もバスの車窓からはずいぶん目撃したが、間近で見たのは、松代の駅前が初めてだ。
 黄色で目立つ。いちばん上の絵は、ひとつひとつすべて異なるそうである。ギマラインスは、ポルトガルではとても人気のある作家で、値段もかなり高いときく。

               
 松代地区のあちこちに立っていた、各年の最深積雪を示す看板。
 これは390センチ。1957年のもの。
 札幌ではせいぜい120センチ程度なので、390センチというのがどういう事態なのか、想像もできない。たとえば、どういうふうに排雪しているのだろう。

 前日、ツアーでまわった農村で、家の前に小さな池が切ってあるのをよく見かけた。
 まさか蓮を育てるための池でもなさそうなので、地元の人に用途を尋ねてみると、一種の融雪槽として昔から利用されているものなのだそうだ。冬の間、池に雪を投げ込んで、溶かすという。
 北海道だと、池の水が終日とけないだろう。
 雪の文化ひとつとってみても、いろいろ違いがあるのだと思う。
 冬の越後妻有に来るのもおもしろいかもしれない(もっとも、屋外設置作品の大半は、雪に埋もれて見ることはできないだろうけど)。

        
 これが、松代の作品が多く設置されている商店街。いわゆる「松之山街道」である。
 かつて上杉謙信も通ったといわれる道。いかにも「旧道」の雰囲気があふれてる。いいぞ、いいぞ。
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十日町の夜・続き 06夏休み(27)

2006年09月28日 01時57分24秒 | 06夏 越後妻有など
 昼は「越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ 大地の芸術祭」でたっぷり美術鑑賞、夜はうまい地酒を飲んで地元の人と会話を楽しみ、すっかり良い心持になった筆者は、酔いざましもかねて、夜の十日町をぶらぶらと散歩した。
 ふと思い立って、今回のトリエンナーレで評判になっているという、レアンドロ・エルリッヒ「妻有の家」を見に行くことにする。
 しかし、夜おそかったため、作品にはシートがかけられ、見ることはできなかった。
(この作品に関しては、上遠野敏さんの投稿でふれられています)
 作品が設置されているのは、公園の一角。公衆電話があったので、家族に電話する(携帯電話の充電器を札幌に忘れたので、なるべく携帯は使わないようにしていたのだ)。
 夜空を見上げると、満天の星。ちょうど真上にはくちょう座が見える。天の川は、見えるか見えないか、どちらともいえない感じだけれど、夏の大三角が一瞬どれかわからないほどのたくさんの星だ。(で、カメラを夜空に向けたが、もちろんなにも写っていなかった)
 人気のすくないアーケードの下をぶらついて、宿に帰った。
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中間弥生個展(9月24日で終了)

2006年09月27日 06時13分59秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 輪郭線が極端に太い、独特の画面をつくる中間弥生さん(北広島在住、全道展会友)。3年ぶりとなる今回の個展も、にぎやかな絵がならんでいます。
 100号クラスの絵を展示し、来た人の反応をみて、ことしの自由美術展にどれを出そうかを決める参考にするつもりだったそうですが、「人によって言うことがぜんぜんちがうので、余計迷っているんです」。
 筆者がいいと思ったのは、冒頭の画像で手前にうつっている「パンフレットどおりのスペイン」など。ガウディや「ゲルニカ」の引用もあり、見ていて飽きないたのしさです。それにしても、サッカー好きでコンサドーレの大ファンの中間さん、スペインに行ってもレアル・マドリードの試合を観戦してくるなんて、筋金入りだなあ。
 一方で「たかがしれてるって知っている」など、比較的色彩の地味な、抽象に近い絵もありました。
 今回は「その思い出で30年をとび越える」「主夫の理想クッキング」「たくさんの旗が応援する試合」など、タイトルがおもしろいのも特徴でした。 

9月18日(月)-23日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

□yayoi collection

■04年の2人展
■03年の個展
■01年の個展(画像なし)
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江川博さんが朝日新聞に毎週登場

2006年09月27日 05時53分17秒 | 新聞などのニュースから
 札幌の抽象画家江川博さん(1937-)が、朝日新聞の「朝日歌壇・俳壇」で8月から毎週挿絵を担当しています。
 タイトルは江川さんらしく「地と図」。白いところと黒いところがせめぎあう作品です。
 毎週日曜掲載で、10月まで続きます。チェックしてみてください!

(紹介が遅くなってすいません)
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十日町の夜 06夏休み(26)

2006年09月27日 05時31分03秒 | 06夏 越後妻有など
 8月15日に新潟県十日町市などで見た越後妻有(つまり)アートトリエンナーレ大地の芸術祭の感想を延々と書いているわけだが、35度の猛暑の中でたっぷり美術鑑賞を堪能したあとで考えることは、ひとつしかない。つまり、うまいビールが飲みたい、である。ホテルを出て、十日町の中心街をほっつきあるきだした。 十日町は、飲み屋が密集しておらず、商店街のあちこちに点在している。筆者が旅先でひとりでのみに出るのはほとんどうまれてはじめてである。

 事前に情報などを仕入れていなかったので、あてずっぽうに、駅のわりと近くにある普通そうな居酒屋に入る。
 戸を開けると、客が誰もいない。
 失敗したかなと一瞬思ったが、45分後には満員になっていた。

 カウンターの端にすわり、ジョッキと冷奴と焼き鳥を註文。
 ゴク、ゴク。あー、極楽

 ビールを飲みながら、持ってきた時刻表で、あしたの計画をたてる。
 店の主人に、あした行く予定の松代の地理について聞く。
 札幌から来たというと、ちょっとびっくりしていた。
「札幌っていうと、最近、水道管が破裂して水が出てましたよね」
 よく知ってるなあ。

 居酒屋Kには、あまり妙なメニューはないが、唯一目を引いたのが「栃尾の油揚げ」。
 店の女性に聞いたら、こちらではスーパーで普通に売っているものだという。
 「キムチ乗せ」を頼んだら、巨大な油揚げが出てきた。

 どひゃー。
 でかい。
 でも、味がしみてて、うまい。
 
 そのうち店は、お盆で帰省してきた若者などで大いににぎわっている。
 カウンターのとなりの席にすわった、地元の見ず知らずの女性と会話。
「十日町なんて、端っこだから」
「そんなことないっすよ。だって、新幹線使ったら東京から3時間でしょ? 北海道から見たら、ありえない近さですよ」
「でも、そういうとこに、こうしてたくさん人が来るんだからねえ」
「それが、アートの力ってやつかもしれないですねえ」

 うまい地酒を味わい、油揚げと枝豆をつまみながら、まさに一期一会の地元の人と会話を楽しむ。
 これが至福のときでなくて、なんであろう。
 忘れがたいひとときに、したたか酔った。


 下は、栃尾の油揚げに関するサイト。
http://www.city.tochio.niigata.jp/kankou/aburage/hanbai.htm
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亀井由利個展(9月27日まで)

2006年09月26日 08時09分10秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 亀井さんは新道展の会員で、二科展にも入選をかさねています。おもなモティーフとして描いているのはトルソというか、人体の一部分で、新道展にも、胴体だけとか、下半身だけとかの絵を、組み作品にして出品しています。今回の個展でも、黒い地に白の絵の具で人体の一部を描いた作品が6点と、全体の半数近くを占めています。
 全身像や半身像といった一般的な人物画よりも、人間存在そのものに迫っているような感じがします。
 なお、亀井さんは、作品タイトルが「無題」となっていることが多く、今回も表示がありません。
 冒頭の画像に掲げた抽象画2点は、雪解け水が流れるようすを描いたものだそうです。サンド(砂)なども混ぜて、おもしろいマティエールになっています。
 このほか、コラージュも4点あります。鍵などを貼り付けた作品は、新道展っぽい印象を受けます。異色なのは薬のカプセルや錠剤をびっしりとならべた作品。これほどたくさんの種類があると、かなり変わった雰囲気があります。

9月15日(金)-27日(水)11:00-21:00 日曜休み
画廊喫茶チャオ(北区北24西4 モンレーブ24ビル 3階) 地下鉄南北線北24条駅1番出口おりてすぐ

27日19:30から、クロージングパーティをかねて、ユニット「Dallhi(デリー)」によるライブあり。500円(飲食代は別にかかります)

■04年の2人展
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越後妻有トリエンナーレを考える・続き 06夏休み(25)

2006年09月25日 23時15分37秒 | 06夏 越後妻有など
(承前)もっとも、アートに、高齢化や交付税削減などによって元気のない地方経済を、ほんとうに浮揚させる力があるのかどうかは、専門家でない筆者にはわからない。冒頭の画像は、十日町の中心商店街にあった「娯楽会館」跡の廃墟だ。
 中心商店街は、駅通りや本町通りはそこそこ店が開いていたが、「コモ通り」はみごとなまでの「シャッター街」であった。単に、お盆休みだったのかもしれないが。
 東京などから人が大挙してやってきて、地方にお金を落としていくというのは、痛快なことだとは思う。
 いわゆる観光地でなくても、なにかやれば人はやってくるということを、示したトリエンナーレであった(今回の入場者は30万人を超えたらしい)。
 大体、ほとんどの人は、トリエンナーレがなければ、越後妻有に行かなかっただろうし。

 さて、もうすこし美術に即して考えてみたい。
 筆者は、このトリエンナーレで、いくつかの作品に感動した。
 しかし、冷静に考えてみると、ほんとうにその作品が、群を抜いてすばらしいものだったのかどうかは、わからないところもある。
 筆者の感動は、作品そのものだけではなく、作品のバックにあった里山の自然や歴史であり、人々との協働作業の物語に根ざしていたのではあるまいか。
 もし、それらの作品が、都市の美術館のホワイトキューブの中にあったらどうだろう?
 でも、それは、じつはそんなに意味のある疑問ではない。
 なぜなら、トリエンナーレの出品作の多くは、ホワイトキューブで発表されるためにではなく、妻有の街角や山の中に設置されることを前提として発想され、制作されているからである。

 美術館のホワイトキューブは、作品と純粋に向き合うことを鑑賞者に強いる。
 そこでは、作品そのもの以外の要素は排除されてしまい、ただ、参照されるのは、美術史だ。わたしたちは、もっぱら美術史の文脈でその作品を値踏みしようとする。
 しかし、越後の里山では、むしろいろんな作品外の要素も一緒くたに受け止めるのが普通の鑑賞法になり、美術史の文脈はぐっと遠い後景にしりぞいてしまう。
(これは筆者の創見ではなく、「大地の芸術祭ガイドブック」で中原祐介氏も指摘していたことである)
 これは、或る意味で、脱歴史的というか、ポストモダン的な光景といえなくもない。

 単線的、直線的な時間の流れという「物語」が西洋のものでしかないことが明らかになったこと、それぞれの土地、人々に固有の時間の流れ方があること、そしてそれらの間に優劣なぞないこと。
 たとえば、「遠野物語」で、人々は、何十年も前の話を、なぜ、さもきのう起きたかのように飽きもせず語り継ぐのか。

 ちょっと話がそれた。
 でも、美術の見かたがひとつではないということがわかるだけでも、行ったあたいのあるトリエンナーレだと思う。
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越後妻有アートトリエンナーレを考える 06夏休み(24)

2006年09月25日 23時09分52秒 | 06夏 越後妻有など
 画像は、松代・農舞台の裏山にある、田中信太郎「○△□の塔と赤とんぼ」。高さ14メートルという。地元の「こへび隊」の人が言う。

「第1回のころは、トリエンナーレ反対派の急先鋒の人が『赤トンボはあんな風に飛ばない。撤去すべきだ』と主張してたんですよ。その人、今はすっかりトリエンナーレの応援団になっていますけどね」

 もっぱら大都会で制作と鑑賞がおこなわれてきた現代美術が、いきなり越後妻有という過疎の地に一気に登場すると決まったときの戸惑いと反撥(はんぱつ)は、想像に難くない。
 北海道新聞9月5日夕刊文化面によると、北川フラム総合ディレクターは「協力的だったのは、圏域内の200集落のうち2つだけ」と振り返っているという。
十日町商工会議所専務の村山善政は「昨年、1市3町1村が合併したが、旧十日町地域(現十日町市の中心市街地)には織物や着物の職人が多く、現代アートへの抵抗感が強かった」。ところが初回に約16万人(無料入場者を含め)という集客力を見せ付けられ、「負けられない」と2回目から積極的にかかわった。(北海道新聞同)

 いまでも、やはり集落・地区ごとの温度差というのはあって、先のこへび隊の人によると、十日町の人には、トリエンナーレがひらかれることすらよく知らない人がいるという。
 それでも、先のエントリで書いたように、地元ぐるみで盛り上げようとしている集落は多いし、この催しが定着してきた様子は、あちこちでうかがえた。

 着物のほかに、もうひとつ十日町がアートを受容する素地となったものに、かなり以前からおこなわれている彫刻シンポジウムがあるようだ。
 ここでいうシンポジウムとは、パネルディスカッションみたいなヤツではなく、複数の彫刻家が滞在して制作するという催しのことである。
 十日町の駅裏広場や、中心商店街には、これまでのシンポジウムで制作された作品がいくつも設置されていた。
           
 せっかくの催しなのに、どうも、トリエンナーレとは直接の接点はないみたいだし、これについてふれた文章も筆者の目にはふれたことがない。

 越後妻有アートトリエンナーレを考えるとき、ひとつのヒントになりそうなのは、これが県を主体とする「公共事業」だということだ。
 公共事業というと、最近はすっかり悪者扱いで、土建業者と悪徳政治家がぐるになって税金で要らん土木工事ばかりしているというイメージを持っている人もいるかもしれないが、もともとの意味からすれば、公共の(つまり、みんなの)事業ということだ。受益者がみんな(あるいは、のっぴきならない事情でこまっている人)であればいいわけだ。
 このトリエンナーレは、一部の愛好家だけではなく、大勢の人がさまざまなかたちで関与する「まちおこし事業」となった。
 その意味では、通りいっぺんのイベントや土木工事よりも、よっぽど経済的効果があるかもしれないのだ。
 いや、カネのことがすぐ出てくるのは、はしたないな。カネはあとからついてくればよしとする、くらいのもんであって、このまちおこしによって、地域に住む人々が誇りを持てるようになれば、願ってもないことだろうと思う。

(この項つづく)
 
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観覧車といえば小樽公園(10月9日まで)

2006年09月25日 00時20分33秒 | つれづれ日録
 昨年10月、blog化する前の北海道美術ネットで函館公園の観覧車が話題を呼びましたが、それよりも小さな観覧車が小樽にあると聞いて、家族そろって乗りにきました。
 ある場所は、小樽公園こどもの国。
 国道5号や鉄道線より山側にあるので、観光客はほとんど来ないと思います。
 ボックスはわずか6つ!
 日本最小という説もあるそうです。
 ボックスは、おとな2人が乗ってもかなり狭そう。
 すごいのは、人が乗っていないときは停止しているということです。
 ただ、函館公園とちがって、木がないので、眺めは良好です。
       

 こどもの国の入場料は無料。1枚30円(11枚つづりの回数券300円)の券で遊具に乗る仕組みになっていますが、観覧車は2枚。
 函館公園もすごかったですが、小樽公園も、とても安い値段で、昔にかえったようなひとときを過ごすことができます。

 ざんねんなのは、この「こどもの国」は10月9日の営業を最後に、1970年以来の歴史に幕を閉じることです。(観覧車はそれ以前から小樽公園にあるらしい)
 すでに、ヤギなどの動物のいた園舎は、なにもいなくなってがらんとしていました。
       

 ほかに、コーヒーカップ、ゴーカートなんかもあります。
 こんなささやかな遊園地を閉鎖したところで、小樽市の財政にはあまり貢献しないような気もしますが…。
       

 最終日は全遊具が無料開放とのこと。
 駐車場が意外と狭いので、札幌から行く人は、高速バスで「花園十字街」で降り、てくてくと15分ほど歩いていったほうが良いかもしれません。

こどもの国についてもっと知りたい人のためのリンク
http://gadd9.com/nekota/10/
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2006年9月23日(2)

2006年09月24日 00時39分38秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 ギャラリー回りのつづき。
 市民ギャラリーを出た後、駅前・都心に向かう。

 殿村栄一作品展 親子地蔵(石の蔵ぎゃらりぃ はやし)
 地蔵絵など。
 説教くさいのは苦手です。
 24日まで。

 浅沼久美子・島津明美ふたり展(紀伊國屋ギャラリー)
 浅沼さんはステンドグラスの作家。島津さんは段ボールコラージュでことしの全道展協会賞を得た人。
 ステンドグラスは色合いが落ち着いているのが特徴でしょうか。
 24日まで。

 日本美術会北海道第3回展(大同ギャラリー)
 黒田孝さん(新道展会員)が、中空に魚の干物が浮かんでる風変わりな絵を出品しています。
 水彩の山崎賢六郎さんは手馴れた筆致です。
 26日まで。

 第10回KIK写真展(富士フォトサロン)
 美瑛での撮影会の入選作。したがって、どっかで見た感じの写真が多いのはやむをえません。
 27日まで。

 ART ILLUSTRATION OBJECT パーフェクトレインボウ11(ギャラリーたぴお)
 林教司さんの抽象画「notch」は暗い感じがします。
 竹田博さんのコラージュに珍しくお酒のラベルがありません。
 30日までに変更。

 以下、道新ぎゃらりー→
時計台ギャラリー→
ギャラリー大通美術館→
NHKギャラリー→
スカイホール→
アートスペース201→
ギャラリーユリイカ→
北海道画廊→
三越→
CAI
については、日をあらためて。
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