北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

2006年5月のおもな展覧会

2006年05月31日 00時36分14秒 | 主な記事へのリンク
■■は、この文章を更新した時点で開催中の展覧会、■は終了済みの展覧会です(このエントリは随時更新します)。

現代美術
今村育子展「わたしのおうち」
田村陽子展「50名の記憶する足形」
完成度の高い山岸せいじ展「ツヅクコト」
聖なるものを感じさせるインスタレーション 渡邉麻生展「生きし野々に草いろの火(霊)」

絵画・版画
田村宏追悼展「田村宏そしてそれから」
■本間聖丈展
■第61回春の院展北口さつき展 さくら、咲く美術文化北海道支部展
勘野悦子と仲間たち展
佐々木小世里illustration展「水たまりに映る空」
歩く、感じる、描く。PartIII 坂元輝行風景画展
佐藤仁敬展 人間をまっすぐに見つめる
第21回北の日本画展
竹津昇スペイン・スケッチ展
第70回方究会記念展 大ベテラン健在
順子・真知子・萬寿夫展
冨澤謙個展 穏健な写実
■北の群展
■山崎亮個展 上からの視点で
川本ヒロシ遺作展 道東の風土を色濃く反映

写真
■「ウイグル族」-心優しき民- 鈴木利枝写真展
森政雄デジタル写真展「アルプスの夏」
第53回写真道展・審査会員・会友写真展
オーロラ 大宙の静かな響き 中垣哲也写真展
大雪山の雄大な風景をとらえた市根井孝悦写真展

工芸・クラフト
三羽の会「棲むもの」
大谷泰久・岬子染色展
■多田鐡男作陶展 赤絵と染付け


複数ジャンル
市立小樽美術館・新収蔵品展
01→ 北海道教育大学札幌校美術科平成17年度入学生展
非・連結展vol.7

(4月のエントリから)■伊藤隆道展
ムンクさん登場!

4月の展覧会の目次
コメント

和田義彦氏の盗作疑惑。スギ氏、取材攻勢にお手上げ?

2006年05月31日 00時24分04秒 | 新聞などのニュースから
 共同通信、ひさびさのヒットです。
 北海道新聞など地方紙の5月29日朝刊につづき、テレビ局や全国紙も後を追いかけているようです。
 和田氏が「盗作ではない」と主張するインタビューがNHKなどで流れましたが、1点の一部とかならともかく、読売によれば酷似した作品が十数点はあるそうで、これはちょっと逃げ切れないような気がします。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060529-00000009-kyodo-soci

 和田氏の絵のネタ元になったとされるイタリアの画家スギ氏のサイトでは、さっそく声明が出され、今回の行為について「完全な盗作だ」と非難しています。

http://www.albertosughi.com/

 また、この数日、日本などのメディアに文字通り包囲されている、とも書いています。
 電話がじゃんじゃん鳴って仕事にならないだろうなあ。災難ですね(まあ、筆者も、災難に加担する商売をしているわけだが、この場合、関係者には「かんべんして」と言うしかない)。
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5月27日の日記5・水脈の肖像シンポと見落とした展覧会

2006年05月30日 22時27分57秒 | つれづれ日録
 しつこいようですが、5月27日の日記のつづき。
 ギャラリーたぴおの後、札幌時計台ギャラリーに寄ってから、道立近代美術館へ。午後3時から「水脈の肖像06」のシンポジウムがあったのだ。
 韓国とドイツの美術家が自国の状況について話したあと、端聡さんが、ドイツの状況について補足した。ベルリンやハンブルクではアンダーグラウンドのアートが盛んで、国がそういうアーティストをバックアップしている、国立美術館などで個展をひらいたりする、日本だと
「あんなゴミに税金を使うのは無駄遣いだ」
と反対運動が起きそうなアートだ-と言っていた。
 最後に、この1、2年、韓国や上海、ドイツなど海外での発表が多い鈴木涼子さんが、自らの活動をスライドで紹介していた。

 閉館後、オープニングパーティが行われ、大勢の関係者が集まっていた。
 
 筆者はこういう場は最近苦手なので、途中で失礼した。

 この日はこれで切り上げ。
 したがって、この週は大量の見落としが発生した。
 三越の「伝統工芸新作展」、市民ギャラリーの蒼樹会展と一線展、藤倉英幸作品展、法邑のすずきもも展、スカイホール、さいとうギャラリー、ギャラリー大通美術館などがすべて見られなかった。
 こんなに見なかったのはめずらしい。
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5月27日の日記・4 田村宏そしてそれから(5月27日で終了)

2006年05月29日 23時32分40秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 (日記3のつづき) CAIを出て、円山公園駅から地下鉄東西線に乗る。南北線に乗り換え、北24条駅で下りて、ギャラリー粋ふようへ。
 このへんは「東1丁目」というのがやたらと広く、さんざん迷った。
 北24条にもどり、「さっぽろ」で下りて、ギャラリーたぴおで、田村宏さんの追悼展「田村宏そしてそれから」を見る。
 
 案内状のはがきによると、田村さんは1934年(昭和9年)樺太豊原生まれ。
 北海道学芸大(現北海道教育大)岩見沢分校美術課程卒業。
 65年に道展会員になったが、北海道アンデパンダン展、グループ「組織」、「THE VISUAL TIME」「12稜空間展」「TODAY」など、北海道の戦後の美術史をつくってきた前衛グループ展の多くに参加する、気鋭の抽象画家でもあった。
 さらに、彫刻家としても「北の彫刻展」に出品するなど活動していた。
 晩年には、交流のあった砂澤ビッキをモデルにした小説の執筆にもとりくんでいた。
 昨年1月、札幌で死去。71歳。

 会場には、晩年に取り組んでいた、紙パレットを支持体とする抽象画などがならんでいた。
 極彩色が、年を感じさせない。
 奥の壁には、複数の紙やキャンバスからなる、山を描いた風景画もある。田村さんが風景画を描いていたなんて、意外だ。
 会場のテーブルに置かれていたスクラップブックが興味深かった。この画家は、新聞記事や領収書、その他なんでもスクラップしては、いろんなことを書きつけていたのだ。

 それにしても、たぴお、追悼展が多いなあ。  

5月22-27日
ギャラリーたぴお(中央区北2西2、道特会館)
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5月27日の日記3・今村育子展(5月27日で終了)

2006年05月29日 23時00分36秒 | 展覧会の紹介-現代美術
闇の中で微かに感じる光。光は多少の変化を繰り返し我々をノスタルジーへと誘う。
胎児の時の記憶なのか、幼児期に体験した扉越しに見える廊下の明かりなのか?
CAIギャラリーにもう一つの部屋を制作する大がかりな今村育子のインスタレーションは、
誰もが自己の奥に記憶している闇と光の関係を蘇らす装置なのだ。
明かりは使用せず、そして作品内部には自らが現在住む家の壁紙を移植し
新たな my houseが登場している。この機会に彼女の部屋を是非訪ねて欲しい。
※尚、会場内は大変に暗くなっておりますので、入場の際はご注意願います。
 メールのただし書きのとおり、会場内は真っ暗。
 ほんのわずか、床と壁のすきまから、ちらちらと揺れる光が漏れ、かすかに音がする。
 筆者は、この会場の大きさを事前に知っているから、次の部屋に通じるドアがどこらへんにあるのかも、おおよそ見当がつくけれど、慣れない人はたいへんだろう。
 次の部屋は、裸電球がひとつだけついている狭い部屋で、案内状にあった模様が、壁紙として貼られている。壁紙がちょっと古いためか、妙に落ち着く空間だ。
 ドアを開けて三つ目の部屋へ。ここも暗い。そして、細長い。
 左側の壁の中央にドアがあり、テレビモニターから漏れていると思しき光と音がわずかに見聞きできるのだが、ドアはわずかにあいたところで固定されているらしく、押しても引いてもうごかない。いささか、もどかしい。
 突き当たりのドアを開けると、見慣れたCIAの奥の部屋だった。例の壁紙を使った小品が数点と、なぜか「どろんこハリー」の絵本があった。
 作者のテキストが貼ってある。
 わたしのおうち

闇のなかに光のすじがうかんでいます。
しばらくながめていると、その光は動いています。
小さいわたしは眠くもないのに、母にいわれてベッドに追いやられます。
母が電気を消して、ドアを閉めると、わたしの部屋は闇につつまれます。
眠れない小さいわたしは、闇のなかに光を見つけます。
それは、ドアの隙間からもれる廊下のあかりです。
それは、ときどき、動きます。
それは、父や母が廊下をとおるたびに動いているようです。
光と音と同時に気配まで、いろいろなものをかんじます。
暗いところではとくに、耳や鼻や想像が動きだします。
そしてドアのむこうには、すてきな世界がひろがっている予感がします。
けれども小さいわたしは、そこに行くことができません。

暗い2つの部屋は、記憶の「わたしのおうち」です。

明るい部屋は、わたしが現在住んでいる家の壁紙をはがし、移植しています。
この壁紙は、わたしたちの前に住んでいた住民がはったの(ママ)もので、残されたさまざまなしみやにおいから、彼らのおもいや生活を想像することができます。
そしてそのしみやにおいは、わたし自身の記憶のなかにも存在します。

ここは記憶と現在が同居する「わたしのおうち」です。

 
 わたしたちは、幼少のころを、万能感にあふれた時代というふうに思いがちだ。
 でも、この作品のどこかなつかしい闇は、小さいころだって思い通りにならないことは多かったんだという、当たり前のことを思い出させてくれた。

 ただ、これは非難しているんじゃないんだけれど、若い世代の作品はどうしてこうもパーソナルなんだろうという思いはする。
 社会とか、普遍的なこととかに、ベクトルが向かっていかない。
 「じぶんを語ること」イコール「外の世界へと通じること」であれば、なおいいのだが。

今村育子個展「my,house わたしのおうち」
4月22日(土)-5月27日(土)、4月29日-5月14日休み、13:00-19:00
CAI 現代芸術研究所(中央区北1西28 地図D
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5月27日の日記・2 新収蔵品展

2006年05月29日 21時54分05秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 市立小樽美術館では「新収蔵品展」もひらかれていた。
 これも5月28日で終了。
 出品作はつぎのとおり。

森田正世史(1912-90)「水源(伊佐内川)」「手稲風景」
富樫正雄(1913-90)「ぼたん」「北晴合板工場にて」「手稲の牧草」
大月源二(1904-71)「虹立つ港」
金丸直衛(1914-95)「サンマルタン運河」
河野薫(1916-65)「銀鱗荘」「森の精」「話」「蝶」「花(C)」
中野五一(1897-1978)「中川庄太郎像」
大畠裕(1946-)「WALLS WORKS 2003 2-MINATO MACHI OTARU」
一原有徳(1910-)「記憶の抽出」
森本光子(1923-)「婦人像」

 小樽ゆかりの美術家は多いなあ、とあらためて実感。
 森田正世史という水彩画家は初めて知った。水彩画会に多い、穏便な写実の風景画。
 大月の「虹立つ港」は、先の回顧展でも見た。画面がちょっと傷んでいるように見えるのが惜しい。

 時間がないので、文学館にもどこにも寄らず、まっすぐ小樽駅へ。

 ほんとは、小樽のマチをもっと散歩したいのだが…。

 駅から札幌行きのバスに乗り、円山第一鳥居で下車。CIAへ向かう。

 CIAは午後1時からのオープンということで、まだ20分ほど時間があった。
 近くのTSUTAYAで時間をつぶした。
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5月27日の日記1・本間聖丈展(5月28日まで)

2006年05月29日 21時43分15秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 2日も前に見た、しかも終わってしまった展覧会のことを書くのはどうも気がのらないけれど、順番に書いていこう。まず、市立小樽美術館の本間聖丈展。
 札幌駅を朝9時32分に出る快速列車に乗る予定だったけれど、澄川駅へ向かうバスが遅れたため、地下鉄を大通駅で下りて、北1西4のバス停から小樽行きのバスに乗る。
 本間聖丈さんは、ずいぶん画業の幅の広い人だと思った。
 北海道の自然を幻想的にとらえた「森へおいでよ」があり、アイヌ民族をモティーフにした「蝦夷錦」があり、漁民の網はずしを描いた「北の漁場」がある。
 インドに材を得た「ブッタガヤ暮色」があり、都会的センスのあふれる「オタルマリーナ」があり、ファンタジックな「オタルの夜」がある。
 さらに、津軽のイタコに迫った絵、水墨画、小樽の歴史をマンガふうに描いた「懐古小樽」などなど。
 といって、器用にそつなくこなしているという印象ではなく、どれも一生懸命にとりくんでいる感じだ。
 まさに、小樽の日本画を代表する人物であったように思った。

 作品集をめくる。
 年譜を見ると、とくに国鉄を退職した後の60、70代は、年に7-10の展覧会をこなしている上、教室を5つも持っていたとかで、めざましい活躍ぶりだ。
 自筆文献の再録もある。若いころ、岩橋英遠に、上京を勧められた話を読むと、うまく言えないのだが
「ああ、人生だなあ」
と嘆息を漏らしてしまう。
 本間さんにとって、上京するのと小樽に残るのと、どちらが幸せだったんだろうか。 
 
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2006年5月28日

2006年05月28日 22時13分24秒 | つれづれ日録
 朝6時半に、せがれの小学校の運動会が、予定通り実施かあるいは延期かが発表になるので、学校に見に行く。
 花火ではなく、学校前に旗をあげて発表するのである。
 肌寒い風の中を歩いていく。旗の色は白。「実施」。うそだろと思う。
 案の定、間もなく雨が降りだし、連絡網の電話がまわってきて「やっぱり延期になりました」。

 ゆっくり休めたはずだったが、まだつかれがとれていない感じがする。
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第61回春の院展(5月28日まで)

2006年05月27日 08時25分51秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 入場券に印刷された出品同人の名前を見る。片岡球子が出品していない。今野忠一は4月に逝った。数年前までは最後尾のほうに名前があった菊川三織子の後に、10人以上の名前がある。時が止まっているかのような春の院展だけれど、やはり時間は過ぎているのだなと、うたた感慨を禁じえない。
 さて、2年ぶりに見ての大ざっぱな印象は

1 都市風景や現代人の生活を描いた絵が減った
2 アジア諸地域に材を得た絵も少なくなった
3 画面に凹凸をつけるなどして、物質感、抵抗感みたいなものを強調した作品が多い
4 自然を、独自の視点で解釈しようとする絵が目立った

というようなあたりだった。
 2の点についていえば、平山郁夫をはじめとする院展の画家たちにとって、アジアというのは、伝統的な風景がどんどん失われつつある日本に代わって、ロマン派的な心情を投影する格好の対象だったんじゃないかと思う。
 今回の出品作でいえば、中国の川か運河が題材と思われる(日本でない、という確証はないけれど)佐藤元彦「夕照」や秦誠「水郷」などは、まさに、日本ではほとんど見られなくなった風景をアジアに探した作品ではないだろうか。
 その代わりというわけではないだろうけど、欧洲に題材を得た作品が目に付いた。
 札幌の小島和夫の「薔薇窓」は、ステンドグラスのある石造りの建物と男女を描いている。
 丸山國生「ノルマンディーの風」は、抑えた色調が心地よいが、タッチは、院展にはめずらしく洋画に近い調子がある。
 荒井孝「焚火」は、黒人がモデルだ。ユーラシア各地に題材をひろげてきた院展の日本画だけど、さすがに黒人となると、新鮮な感じがする。
 もちろん、日本国内でロマン派的な心情を託すモティーフを探す画家もいるわけで、その際に、北海道がひとつの対象となることはいうまでもない(あまり数は多くないが)。大矢十四彦「北の挽歌」、斉藤博康「涓」などがそうだ。

 3の、画面に凹凸をつけた作品は、森閑とした林の描写と、画面の凹凸が交錯して複雑なリズムを生んでいる、加藤恵「古道-熊野」(外務大臣賞)をはじめ、ほとんど落書きの文字だけで画面を構成するという意欲的な(それでいて佐伯祐三の絵とは見た目がずいぶん異なる)福家悦子「追憶 ヴェッキオ橋」、絵の具にわらなどを混ぜ、表面をしわくちゃにしたような効果を上げている松村公太「汀」(初出品)などが目を引く。
 また、凹凸というのとはちょっと違うが、絵の具に工夫を施すことで、スムーズではない感じというか、物質感を強調しているような作品として、國司華子「咲ク月ノ宴」(無鑑査)や、武部雅子「窓に春」(春季展賞)がある。いずれも、わざと絵の具の存在を見る人に意識させるような絵である。

 4については、筆者の好みなんだけど、風景に独自のやり方で接近することで、西洋伝来の抽象画とも、宗達光琳派のデザイン感覚・装飾感覚とも異なる画面を作り出している絵があるんじゃないかという見立てだ。
 そういう見方でいうと、山崎佳代「青む」なんかは、モロ好み。水面に反射する木々と水底に沈んだ枝などを精緻に描いているのだけれど、青と白の濃淡の織りなす画面がほんとうに清新で気持ちいい。
 巨樹を描き続けている石村雅幸の「根蘖(こんげつ)」は、色づいたイチョウの大木の根元を描いているが、おびただしい黄色の葉は、結果的に、点描のような輝かしい色彩の効果を上げている。明るい葉とは対照的に、節くれだった巨大な幹は輪郭線を伴って描写され、重量感と存在感をかもし出しているのもおもしろいと思う。
 田中宗舟「白い水路」も、院展では異色の風景画。露光オーバーの写真のような、白っぽい色調だ。なぜか、リヒターの絵を思い出した。
 宮北千織「潜む」も、全面にぶちまけられた色とりどりの絵の具の飛沫が特徴的だ。

 長くなってきたからこのへんでやめるけれど、このほか、速水敬一郎「幽遠」は、霧にけぶる切り通しを描いて、個人的に好みだった。
 それにしても、同人の作品についてぜんぜん触れていないな。

(文中敬称略)

5月23日(火)-28日(日)10:00-20:00(最終日-18:00)
三越札幌店10階特設会場
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北口さつき展(5月28日まで)

2006年05月26日 09時40分29秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 もうちょっと早く見に行けば季節感ぴったりだったのにと、悔やまれる、それほど「桜づくし」の日本画展。
 3月の「第20回北の日本画展」で超大作を出品したばかりなのに、早くもこれだけの作品をそろえてきたのがすごいと思います。
 正面の、いちばん大きな作品を見て思ったこと。
 今月の「第21回北の日本画展」と同様に、モティーフの女性がアイヌ民族の文様をつけた衣裳を身にまとっている。ただ、女性の顔つきなどはこれまでとおなじで、あまりアイヌ民族的なものを強調しているわけではない。機会があれば、そこらへんの意図を作者に聞いてみたいところ。
 もうひとつは、左右に大きな太陽と半月(正確には月齢11ぐらいの月)を配したところ。豪奢な桜の雰囲気とあいまって、加山又造を思い出してしまった。

-5月28日(日)9:00-18:00(土、日曜は-16:00)
STV北2条ビルエントランスホール(中央区北2西2)
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美術文化北海道支部展(5月27日まで)

2006年05月25日 10時20分15秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
        

 1939年(昭和14年)に旗揚げした公募展。当時は、シュルレアリスムなど画壇の最先端をゆく顔ぶれが加わっていました。北海道支部は毎年かならず、メンバーによる支部展を開いております。新道展の会員とかなり重なりますが、そうでない人もいます。
 いわゆる写実的な絵は1点もありません。多様な傾向の作品がならんでいます。 

青山清輝「オブジェ的発想による空間思考’06 51」「オブジェ的発想による空間思考’06 52」「オブジェ的発想による空間思考’06 53」
 ちぎり絵の技法を生かした抽象画です。といっても、通常のちぎり絵のような、水彩調の作品ではありません。

細野弥恵「マヒア」
 唯一の立体です。

柳川育子「光の中へ」「追想」
 黄色がまばゆいです。

山形弘枝「彼方へ」
 さまざまなモティーフを組み合わせています。

藤野千鶴子「宙-シンフォニーI」「宙-シンフォニーII」
 宇宙的なエネルギーをはらんだ抽象画。以前にくらべ、濃い色でぬりつぶされた部分がほとんどなくなり、白い筆跡がびっしりと画面を覆うようになりました。それが画面に、「行為の集積」のような性格を与えてきているように思えます。

大林雅「依怙地」「彷徨う」
 奇怪な宇宙生物のような、なぞのしわだらけの物体を描きつづけています。あるいは、人間の心の変形したものなのでしょうか。

鈴木秀明「フローラ」
 花を口から吹きながら空を飛ぶ石像。終末的な感覚の強かったこれまでの鈴木さんの絵にくらべ、画風そのものは変わりませんが、やや肯定的というか、前向きの感じが出ているように思いました。

三浦恭三「循環№35」「循環№36」「循環№37」
 曲線を生かした、青がさわやかな抽象画です。陸上トラックのような形が軽快です。

西田靖郎「挽歌」
 格子模様の床には瓦礫のような岩が散乱し、後ろ向きの人物は錫杖(しゃくじょう)のようなものを手にしています。終末観、と一言ではわりきれない、ふしぎな感覚のただよう世界です。

金子賢義「終末の頌№5」「没落風景№2」
 前者はしゃれこうべが地面におびただしく散乱している図柄。後者は、みすぼらしい民家が、川のある荒れ地にならんでいるというもの。金子さんの絵は、文明社会の迫り来る没落を予言しているかのようです。

宮沢克忠「思惑A」「思惑B」
 1960年代のデザインのような、ちょっと古いおしゃれ感覚が、かえって新鮮です。

5月22日(月)-27日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3)
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勘野悦子と仲間たち展

2006年05月24日 08時03分05秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌と登別を往復して水彩画を制作している勘野さん。水彩連盟の仲間である古田瑩子さん、畦原信子さん、竹津昇さんにも出品を仰ぎ、「仲間展」としています。
 水彩の大作は2点。
 冒頭の写真は、昨年の水彩連盟展で会員推挙となった際の作品「脈絡のある風景」です。
 昨年の新道展50周年記念展にも出品されていましたが、後ろの人物の羽などを描きくわえたそうです。
 アクリル絵の具を併用していますが、上部に広がる薄い黄色は、透明水彩をいったん塗ってからふき取って着彩したもの。
 もう1点は「記憶の中の瞬間(とき)」。

 中央の女性が手にしている白い鳩が、ドレスの模様の花をくわえているように見えるのがユニーク。
 「脈絡…」と同様、中央部に収斂する構図は、勘野さんの特徴で、劇的な性格を強めているようです。
 筆者の目には、舞台女優の群像みたいに見えますが、そういうことではなさそうで、題のとおり、こういう人物の記憶が勘野さんの深層にあるということなのでしょうか。

 小品の静物画では「光の妙」がちょっと変わった色合い。
 「電燈に青い色セロファンをつけて逆光に置いてみたら、こんな感じになった」
 ほかに、女性像の3点組み「或る想いに…」や、「concept1」「concept2」「雨上がり」「彩る」。

5月22日(月)-27日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)、
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)。
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今週は

2006年05月23日 07時24分30秒 | 情報・おしらせ
 きょう23日から三越札幌店で「春の院展」と「伝統工芸新作展」が始まります(28日まで)。
 22日の北海道新聞夕刊広告(札幌版)によると、伝統工芸新作展の方は毎日午後1時から各分野についての作品解説があります。工芸についてはあまり本もないし、第一線の方の解説はなかなかためになると思います。
 大丸札幌店では、山下清展が開催中です。テレビドラマなどでは有名なのですが、実作をちゃんと見たことがないので、見に行こうと思っています。

 道立近代美術館では26日から「水脈の肖像06 日本・韓国・ドイツの今日」が開かれます(6月4日まで、月曜休み)。
 道内の現代美術の第一線で活躍している顔ぶれがそろいます。韓国、ドイツの美術作家の作品も出品されます。
 27日午後3時からはシンポジウム、28日午後1時からワークショップ、3時半からギャラリートークがあります。
 見ごたえのある展覧会になるのではと期待しています。

 ギャラリーでは、時計台ギャラリーで小堀清純個展(白日会会員、道彩会創立会員)、美術文化道支部展、勘野悦子と仲間展などがひらかれています(27日まで)。
 市民ギャラリーでは蒼樹会と一線美術というふたつの公募展の支部展があります。こちらは一般的な絵画展のようです(28日まで)。

 また、CAIの今村育子展が未見なので、早いとこ見に行かねば、です(28日まで)。

 ほのぼのしたい向きには、きょうからHOKUSEN ギャラリーivoryで藤倉英幸作品展が始まりました(28日まで)。午後8時までやっているそうなので、仕事帰りでも大丈夫ではないでしょうか。

 中心部をはずれたギャラリーとしては、ギャラリー粋ふようの草田研次パステル画展(27日まで)、ギャラリー法邑のすずきももイラスト展(28日まで)などがありますが、筆者は最終日あたりまで見に行けそうにないですね。

(24日追記)think gardenのウリュウユウキ個展は、作者のいる時間にもう1度見に行こうと思っていますが、行けるかなあ。
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♪わーがままは、男の罪

2006年05月23日 00時24分15秒 | つれづれ写真録
 あまり深い意味はありません。
 何枚か撮れたので。





 タイトルは
「あー、だから今夜だけは」
のほうが良かったかな。
 
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5月20日に見た展覧会から

2006年05月22日 00時31分31秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 きょう5月21日はほとんどごろ寝していたが、まだ疲れが取れきっていないような気がする。

 きのう書かなかった展覧会について。

 「ウイグル族」-心優しき民- 鈴木利枝写真展
 
 北星学園大写真部員が、中国留学中に長いバス旅で赴いた新疆ウイグル自治区の人々を写した写真。ちなみに、デジタルではありません。
 ここでも漢民族が大量に移り住んできてもともといたウィグル族などを圧迫しているようです。そういう実情をじぶんの目で見てやろうという行動力はすごい。

(追記。冒頭の写真も、この展覧会の写真です)

5月6日(土)-30日(火) 水曜休み 12:00-24:00(日祝日は-21:00)
CAFE ESQUISSE(カフェ エスキス)(中央区北1西23 メゾンドブーケ円山 地図D)


 ちっちゃいもの店

 ケータイストラップ、置物など、小さい雑貨が大集合。どれもかわいらしいです。
 作家紹介の名刺までミニサイズになっているのが笑えます。
 会場は、オーガニックスイーツと雑貨のお店の一角です。
5月16日(火)-28日(日) 月曜休み 11:00-19:00(最終日-17:00)
Cous Cous Oven + Hoppers(中央区南2西23 地図D)


 01→ 北海道教育大学札幌校美術科平成17年度入学生展

 油彩研究室の干場清順さんの絵画「朝陽」がおもしろい。
 巨大な滝と木のふもとにある、傾斜の多い「古代猫町」という空想上の街並みを、精緻に描いています。
 広場にある「水」「温」と書かれた湯船? には、ワラビモみたいな空想上の動物がぷかぷか浮かび、屋根の上にはふしぎな車輪が取り付けられ、軒先にはどこにも照る照る坊主が吊り下がっています。町の構造だけを見ると遠藤彰子さんを思い出しますが、画風は違い、むしろファンタジー小説の挿絵風でもあります。

5月18-23日(火)
アートスペース201(中央区南2西1、山口中央ビル 地図B) 


 佐々木小世里illustration展「水たまりに映る空」
 最近では、北海道新聞の木曜夕刊別刷り「おふたいむ」でこのほど連載の始まったおすぎとピーコのエッセーの挿絵などで活躍している札幌の佐々木さん。水彩のクリアさとにじみを生かしたさらっとした味わいのイラストを堪能できる個展です。
 展示作品では、幼いころを過ごした中頓別町(宗谷管内)の思い出をかいたシリーズが、なんだかなつかしかったです。
 また、谷村志穂さんのエッセー「空色日曜日」のためにかきおろした札幌や小樽の地図の原画も展示されています。
5月11日(木)-23日(火)10:30-17:30(最終日-16:30)
ギャラリー紀(中央区南5西24-2-10 地図D)

 それにしても、きのう、膨大なエントリを最後まで読んでいただいた方には、頭が下がります。
 もうすこし量を分散させたいのですけど…
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